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自然の恵みに感謝! 体にもよく、なにより美味しい「ジビエ」に ファンが急増中!

2019.12.04

今年は「亥年」ということもあり、ジビエを使ったメニュー開発やフェアを行う店が一段と増えた年になりました。またコミック不況と言われる中でも、農業や狩猟をテーマにしたコミックが人気だったり、女性の狩猟免許取得者が増加するなど、ジビエ業界全体が今アツいんです!

ジビエとは、狩猟によって食材として獲られた、鹿や猪などの天然の野生鳥獣の肉を意味します。ここ数年で国内におけるジビエの認知も広がり、高級フレンチでしか味わえない印象だったジビエがさまざまなジャンルの店で楽しめるようになってきました。

そこで、もっともおいしいジビエが出回るこれからの時期に、ぜひ食べておきたいとっておきのジビエ料理をご紹介しましょう。

 

創作ジビエ料理は、酒に合う濃い目の味付けがたまらない!

1軒目は、東京・大手町のビルの地下の飲食街「よいまち」にある、佐賀県の地酒とジビエ料理のマリアージュが楽しめる「日本酒×炭火焼き ルンゴ大手町」から。

猪のバラ肉を使った肉豆腐「鉄板‼しし豆腐」(1,280円・税抜)は、アツアツの鉄鍋で提供されます。

鰹節、鯖節、干ししいたけでしっかり出汁をとった醤油ベースの煮汁は、2日間かけて大きな鍋で煮込んだもの。鉄鍋で猪肉をジュージューと焼き、煮汁を加えて煮込みます。

バラ肉ならではの脂の旨味が煮汁と相まってたまりません。豆腐は“温泉湯豆腐”で有名な佐賀の嬉野から取り寄せていて、こちらも煮汁が染み染み!

鹿の旨味を堪能できる香り豊かな料理の数々

続いて2軒目におすすめしたいのは、「築地フレンチ メゾン ミッシェル」。東京・築地の場外市場から徒歩13分の場所にあり、市場で仕入れた新鮮素材による料理が評判高いビストロです。

この店の「鹿のコンソメ フォアグラのラビオリを浮かべて」(1,200円・税抜)は、寒くなるこれからの季節にはぴったりの一品。

蝦夷鹿とフォアグラを贅沢に使った、食べるタイプのスープで、焼いた鹿の骨と香味野菜からとったダシの作ったもの。ラビオリの具は、フォアグラを鹿のミンチ肉で包んでいます。

ラビオリを口に含むと、フォアグラの深いコクと鹿の野性味が広がり、その濃厚な旨味に思考が一瞬止まります。

スープには、鹿・フォアグラ・ジロール茸・香味野菜の美味しさが存分に溶け出ており、まろやかながらも後味すっきり!

ジビエとキノコを美味しく食べて、体の中から健康に

続いては、東京のベッドタウンとして開発された多摩センター駅近くに見つけたお店。「きのこ×肉バル」という看板が気になる「裏羊馬猪鹿 多摩センター本店」は、京王線の中央口から徒歩1分という便利なロケーションにあります。

串打ちから1本1本職人が手掛けた串を丁寧に焼き上げた炭火焼が人気ですが、冬にぜひ味わいたいのはこちら。

「看板!!8種のきのこと豚のしゃぶしゃぶ」(1人前 1,480円・税抜)。キノコはそれぞれに美容や健康に利点があるということで、キノコの名前とどんな効果が期待できるかを記したカードが添えられているのもうれしいポイント!

しゃぶしゃぶ鍋は基本的に8種のキノコと豚肉がセットになっていますが、ジビエやキノコ、野菜などを追加できるのです。

写真手前の「鹿肉」は追加料金900円(税抜)、奥の「猪肉」は980円(税抜)。

しゃぶしゃぶにした猪は口の中でとろけるほど脂身が甘く、鹿は肉自体がやわらかいため食感がよく、肉の味をしっかり楽しめます。味付けは昆布だしとポン酢だけですが、キノコや野菜の旨味が鍋全体ににじみ出ているため、奥深い味わいに仕上がっていて本当に美味でした。

イタリアンにフレンチの繊細さをプラス

最後の1軒は、埼玉県・JR大宮駅西口を出て、駅前の大通りを歩くこと約15分。喧騒から離れた場所にある小さなトラットリア「trattoria timbro」(トラットリア ティンブロ)。オーナーの神木久尋さん、シェフの早希さん夫妻が営んでいます。

今年は秋冬に国産ジビエが楽しめるコース(予価・6,000円前後、注文は2人から)を提供しているとのことで、今回はそのコースから絶品のジビエ料理「蝦夷鹿のロースト トリュフと季節野菜 ペリゴールソース」(写真は2人分)をピックアップ。

フライパンで焼き付けた後、オーブンで“焼いて取り出して寝かす”を繰り返してじっくり火を通し、肉汁を閉じ込めるという手間をかけた一品。

株なめこや大王茸などのソテーと、たっぷりの黒トリュフが添えられています。トリュフ、ポルト酒などを煮詰めたペリゴールソースでいただきます。

旨味を余すことなく閉じ込めた厚切りのローストには、鹿肉の美味しさをダイレクトに味わえる醍醐味が。やわらかでしっとりした肉質、噛むごとに旨味が増していきます。甘酸っぱいペリゴールソースと合わせると、フルーティでさわやかな口当たりに一変。最後のひと口まで堪能することができました。

このように、居酒屋料理から和食、フレンチなどなど、ジャンルを超えて多彩な味わいを楽しむことができるジビエ。狩猟シーズンに突入し、新鮮なジビエが流通する秋冬は、まだジビエの魅力を知らないという初心者にも、親しみやすい料理がたくさん登場します。ジビエを初めて食べてみるには絶好の機会を逃す手はないのでは?

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