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種類豊富な肉を存分に楽しむための手腕が光る 「ジビエ×肉バル MEAT LOCK(ミートロック)」

肉バル 千葉
2019.03.15

総武本線、武蔵野線、京葉線が交差する千葉県・西船橋駅の南口から左へ。総武本線の線路沿いに歩いて約1分の雑居ビル4階に「ジビエ×肉バル MEAT LOCK」はあります。

電車の走行夜景が望めるこぢんまりとした店内は、カウンター6席のほか、約20席のテーブル席があり、1卓ごとにカーテンで仕切ることができるため、半個室感覚でも寛げそうな様子。

「オーナーが建築関係ということで、独創的で個性的なインテリアにしたんです」。

そう教えてくれたのは、2016年4月のグランドオープン以来ずっとシェフとして腕を振るう店長・嶋脇央喬(しまわきひろたか)さん。店名のLOCKはエルヴィス・プレスリーやブルース・ブラザースの名曲『監獄ロック』と音楽のROCKにちなみ、ROCKかつ監獄っぽいイメージで仕上げたそう。

「だから、テーブル席の仕切りなどに檻っぽい鉄の棒を使ってたりするんです」。

 

“いつでも必ずジビエが食べられる店”になる

肉バルとしてオープンした当初から、この店のウリは、他ではなかなかできない価格で提供される山形牛で、肉好きの老若男女が訪れる人気店に。ところが、2019年2月に店名に「ジビエ×肉バル」を掲げてプチリニューアルを果たします。

肉バルとして周知されていたにもかかわらず、なぜ今、ジビエをフィーチャーしたプチリニューアルを?その問いには、「最近ジビエが浸透してきていることももちろんありますが」という前置きをして、嶋脇さんはこう答えてくれました。

「僕自身がジビエ好きなんです。でも“ジビエを食べたい”と思った時、じゃあココに行けばいい、というお店がやっぱり少ない!だったら、うちにくれば“必ずジビエを食べられる”、そんな存在の店にしたいと思いました」。

ジビエが流行りだという時流に乗るだけではなく、本来の魅力を伝えたいという思いが、今回のプチリニューアルに繋がったということ。

そんな嶋脇さんがまずサーブしてくれたのが、「蝦夷鹿のロースト」(1,500円・税込)です。

「ジビエ×肉バル」を表するこの店の定番メニューで、蝦夷鹿のシンタマを低温でじっくりと焼いたもの。「味付けのソースにはバルサミコ酢とアーモンドを合わせています。アクセントにトリュフパウダーをかけて、香りも一緒に楽しんでいただければ」と嶋脇さん。

また、特筆したいのが添えられた安納芋のガル煮。契約農家である湯浅農園から仕入れた安納芋を、藁で巻いて蒸してから煮てあり、しっとりした食感と優しい甘味が鹿肉とよく合います。

2品目は、「鴨のハニースパイスキャラメリゼ」(1,500円・税込)。鴨の胸肉をシンプルに焼き上げ、ハチミツ、ガラムマサラにオールスパイスなどを塗って焼き上げた逸品。

口に含むと、しっとりとした鴨肉の味の向こうに、ハチミツの甘味と数種のスパイスが寄せてきて、かみしめると鴨肉の旨味と合体した味わいが押し寄せてきます。

味があっさりしている鴨肉を、「ハチミツでしっかり外側をコーティングすることで、旨味を閉じ込めているんです」と調理のポイントも教えてくれました。

 

半頭で仕入れるからこそ部位ごとの楽しみ方が可能

そして3品目は、「島根 仔猪の気まぐれ調理 バラの煮込み」(1,200円・税込)。

まず骨でフォンを取り、ビネガー、ワイン、ハチミツ、香草で1日マリネしてから煮込んでいます。バラ肉の脂のコクのある旨味が噛むほどに口の中に広がるのが印象的。さらに添えられた大根、ズッキーニ、カブと一緒に食べれば、こってりした肉の味が野菜のあっさりした味と調和して喉奥へと通っていきます。「猪は脂が美味しいですからね」と嶋脇さんの狙いどおり、脂の美味しさを野菜の繊細な味が引き立てている一品でした。

この店ではジビエ以外の肉も豊富です。この日はカウンター上の黒板に9種類が書き込まれていて、さすが“肉バル”を名乗るだけの充実したラインナップ。

もちろんジビエも、島根の仔猪の「バラのベーコン」(600円)、「モモのロースト」(1,500円)など、部位の特長を生かしたメニューが提供されていて、半頭で仕入れているからできる技。ただし、「気まぐれ調理」とメニュー名にあるように、仕入れたジビエによって嶋脇さんがメニューを考えるため、常に同じものが味わえるわけではないのでご注意を。

 

イタリアンの技術と和のスピリットをもつシェフ

18歳で料理の道に入った嶋脇さんの基本はイタリアンにあるそうですが、イタリアン一辺倒ではない様子。

「尊敬するシェフが福井へ行ってしまったので、福井まで付いていきました(笑)」。彼が慕うシェフが作っていたのが“イタリアから見た日本”をコンセプトにした、いわばネオイタリアンでした。その後、京都で和食を学び、ここMEAT LOCKのシェフに。そんなキャリアのせいか、調理技法はイタリアンベースでありつつも、旬を貴ぶ、旬を取り入れる和食のスピリットも、嶋脇さんの料理には感じられます。

「日本人は、魚や野菜の旬を楽しんでいると思うんですけど、肉についてはあまり“旬”って知らないと思うんです」。

そういって見せてくれたのが、トイレに貼っているというお手製の“肉の旬カレンダー”。ジビエであればそれがより顕著にアピールできるだろうと、彼は続けます。

「これを見て肉にも旬があることを知ってもらい、『春だから、熊肉が食べたい。じゃあ、あの店に行こう!』、そんなふうに思ってもらえるとうれしいですね」。

季節が変わるたびに、MEAT LOCKなら今日は何が食べられるだろうと楽しみになる、そんな四季折々の楽しみ方ができるのが、この店の魅力かもしれません。

「店名、MEAT LOCK の“MEAT”には、実は“MEET(出会い)”の意味もかけているんです」。

次回、この店を訪問した時にどんな美味、美酒と出合えるのか、楽しみになりました。