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心地よい音色を奏でる空間で味わう国産ジビエのコース 「trattoria timbro(トラットリア ティンブロ)」

イタリアン 埼玉 シカ カモ
2019.09.25

埼玉県のJR大宮駅西口を出て、駅前の大通りを歩くこと約15分。喧騒から離れた場所にある小さなトラットリア「trattoria timbro」は、オーナーの神木久尋さん、シェフの早希さん夫妻が営んでいます。

ティンブロとはイタリア語で「音色」のこと。料理が奏でる音色を楽しんでほしいという思いから名付けました。ナチュラルトーンでまとめられた店内も居心地がよさそうです。

イタリアンにフレンチの繊細さをプラス

神木さん夫妻の経歴は実に華やかです。久尋さんは「リストランテ・サバティーニ青山」で修業後、「ダノイ 高輪」など都内のイタリアンで料理長を経験。

一方の早希さんはフレンチ出身で、都内の「MONNA LISA(モナリザ)」やフランスの「Le Taillevent(タイユヴァン)」など星付きレストランで腕を磨き、広尾「ア・ニュ」でシェフ ド パティシエールまで務めた腕前の持ち主。二人が地元の埼玉でお店を開いたのは2017年のことです。

二人ともシェフだった経験を生かし、料理を考えるのも作るのも二人で協力。取材中も一緒に調理をし、盛り付けを相談し合い、一皿一皿を丁寧に仕上げていきます。

鹿肉を中心に国内外のジビエが楽しめるお店は、大宮では貴重。今年は秋冬に国産ジビエが楽しめるコース(予価・6,000円前後、注文は2人から)を提供する予定とのことで、今回はそのコースから3品をご紹介します。

まずは、前菜「とうもろこしの冷製ポタージュ」。

甘味の強い品種・ゴールドラッシュのポタージュの上に、トウモロコシのエスプーマをのせた軽い口溶けの一品。甘味料は一切加えずとも、トウモロコシのもつ強い甘さに驚きです。※スープに使う野菜は季節により異なります。

幾とおりも楽しめる飽きの来ない一皿

続いてこちらも前菜から「岩手鴨とフォアグラのテリーヌ」(写真は2人分)。

「フランスの鴨はしっとりしていますが、日本の鴨は程よい弾力があります。しっかりした旨味があるので、それをさらに凝縮して味わえるよう挽肉にしてテリーヌに仕上げました。テリーヌは豚肉など他の肉を加えて作られるお店も多いのですが、うちでは鴨肉だけ。鴨の真の味を味わってほしくて…」(早希さん)。

シンプルでありながら鴨肉のよさを詰め込んだひと皿です。ニンジンをピューレにしたソースがまた絶品で、テリーヌにさわやかな甘さをプラスしています。

添えられているのは鴨の砂肝のコンフィ。砂肝特有のコリッとした食感を残しつつも肉質はやわらか。何とおりも楽しめます。

メインは「蝦夷鹿のロースト トリュフと季節野菜 ペリゴールソース」(写真は2人分)。

「フライパンで焼き付けた後、オーブンで“焼いて取り出して寝かす”を繰り返してじっくり火を通し、肉汁を閉じ込めています」(早希さん)。

添えられているのは株なめこや大王茸などのソテーと、たっぷりの黒トリュフ。白いふわふわとした粉は、なんと、オリーブオイルを粉末状にしたもの。トリュフ、ポルト酒などを煮詰めたペリゴールソースでいただきます。

旨味を余すことなく閉じ込めた厚切りのローストには、鹿肉の美味しさをダイレクトに味わえる醍醐味が。やわらかでしっとりした肉質、噛むごとに旨味が増していきます。甘酸っぱいペリゴールソースと合わせると、フルーティでさわやかな口当たりに一変しました。

どの料理も素材のよさを生かした味わいが印象的。コースには他に馬肉のラグーパスタ、リゾット、デザートが付くというのですから、コスパよすぎです。アラカルトもメイン料理は1,800円(税別)から、パスタは1,100円(税別)で楽しめます。

ちなみにシェフ・ド・パティシエールを務めた早希さんのデザートも隠れた人気メニューです。

「二人とも高級レストランと言われるお店で経験を積んできましたが、私たちのお店はカジュアルに、肩ひじ張らずに料理を楽しめる場所にしたかったんです。でも、料理は手を抜かず、本格的なものを提供します。あえて駅から離れた静かな場所で開いたのも、お客様に自分の居場所として使ってほしいから」(久尋さん)。

その想いのとおり、ご夫婦やカップル、家族連れなど幅広い客層の地元客が増えているそう。街の小さなトラットリアから、今夜も幸せな音色が奏でられているに違いありません。

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