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極上の蝦夷鹿肉でトマトしゃぶしゃぶを「あま屋」

北海道 シカ 割烹
2020.02.21

競走馬の生産地である北海道日高郡新ひだか町。繁華街の並びの一つに、オシャレな店構えをした店があります。今回紹介する「あま屋」です。

「あま屋」は「ミシュランガイド北海道2017特別版」でミシュランプレートとして掲載されました。

中へ入ると、花で飾り付けられた馬蹄がかけられていました。さすが日高です。

実は入口がもう一つあり、駐車場側から入ると高級感ある和風建物がお出迎え。

取材に伺ったのは12月下旬。粉雪が風に舞い青空とのコントラストを奏でていたさわやかな冬の日でした。

落ち着いた木造の入口で、揺れるのれんが客を迎えます。その雰囲気のよさに気持ちも高まってきました。

店内は、客席と客席との間にかなり余裕があり、優雅な雰囲気です。

棚いっぱいに並べられた酒瓶は全部焼酎だそう。

料理長である谷 昇三さんが実際に蔵を訪れ気に入った焼酎を仕入れたり、オーナーシェフの天野洋海さんが焼酎マイスターなので選りすぐりの美味しい焼酎を取り寄せたりしているそうです。

立派でオシャレなカウンター席も設けてあります。

谷さんは、東京江戸川区出身で25年ほどの間、いくつかの割烹で腕をふるってきました。

「なによりも、和食が好きだったんですよね。イタリアンやフレンチに興味がないわけではなくて、一番馴染みがあったのが和食でした。25年のうち、少しの期間、札幌で接客の仕事をしていたこともありました。絶対に必要なことだと思ったので…」。
その札幌時代に出会ったオーナーシェフである天野洋海さんから料理長として迎えられ、今の「あま屋」を平成15年にオープン。以来地元の食材を引き出す和食メニューを提供してきました。

和食のプロが目指したのは、鹿×出汁が生む“完璧”さ

北海道ならではの食材を使った丼が人気の「あま屋」ですが、ジビエを取り入れたのは7〜8年前。鹿肉のいろいろな部位をさまざまな料理で試し、最終的に“外モモ肉を使ったしゃぶしゃぶ”をメニューにすることが決まりました。

鹿肉のなかでも、外モモ肉を使うのには大きな理由があります。噛み応えとやわらかさを兼ね備えていること。また見た目も美しく、しゃぶしゃぶには最も適しています。さらに脂身と肉のバランスが絶妙で口に入れた時に全く油っぽさを感じさせません。

続いて「鹿しゃぶ」に合う、とびっきりのタレの開発がスタート。
「昆布出汁を使ったシンプルなものから数種の出汁をかけ合わせたものまでいろいろ試しました。鹿肉との最高の相性を追求し、スタッフと鹿しゃぶを食べながら試行錯誤の毎日でした」。

そうして現在、完成形となったのが“フレッシュトマトのタレ”です。スパイスの効いたタレと角切りのフレッシュトマトが、温められた鹿肉を待ち受けます。

鹿肉200gを味わえる「トマト鹿しゃぶ」は1人前2,500円(税抜)で提供(写真は1人前)。こちらのメニューは「第1回ジビエ料理コンテスト」において入賞しました。

トマトと相性抜群のカチョカバロチーズはクセがなくよく伸びます。北海道に移住したイタリア人のチーズ職人が作った手作りチーズだとか。

日高という土地が旨い鹿肉をつくる

鍋が温まってきたところで、1mmにスライスされた鹿の外モモ肉を投入。この厚みが最適だと谷さんは言います。

昆布出汁の特製トマトスープの中にくぐらせます。その瞬間、脂の色が白から半透明に変わり、いい香りが立ち上ってきました。

フレッシュトマトを包み新鮮なネギを添えて、タレに付けて口の中へ運ぶと…。

鹿肉の概念がリセットされた感じ!トマトの酸味と鹿肉が本当によく合うんです。そして、鹿肉のなんというやわらかさ…。ネギのシャキシャキとした食感と香りが口の中に広がったあとは、タレにスパイシーさが加わり、また違った味わいを楽しめます。

「日高の海沿いに広がる野草には、ミネラルが豊富に含まれていて、それが鹿肉の栄養価の決め手となっているんです」と谷さん。
鮮度のよさはもちろん、旨味の詰まったよい鹿肉でなければ、しゃぶしゃぶというメニューは叶いません。日高の環境そのものが生み出した美味しさだと言えるでしょう。

「しゃぶしゃぶには一家言ある」という方にこそ食べてもらいたい「鹿しゃぶ」。牛肉に勝るとも劣らない、しゃぶしゃぶの新たな可能性を体感できること間違いなしです。

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