飲食店、ショップを探す
飲食店

旬の素材をこれぞフレンチという手法で提供「La maison finistēre(ラ メゾン フィニステール)」

フレンチ シカ 東京
2020.03.30

東京都渋谷区、JR恵比寿駅の東口から大通りの芝新宿王子線(国道305号線)を歩くこと約7分。

フランス国旗が目に入ったらそこが目的地「La maison finistēre(ラ メゾン フィニステール)」(以下、ラ メゾン フィニステール)です。

フランスの地図と家を組み合わせた印象的なロゴの看板に促され、2階へと上がります。

石壁と太くどっしりとした梁が印象的な店内には、テーブル席が8つ、カウンター席が4つで合計14席が用意されています。

「でもまあ、だいたい入れても10人くらいに留めています」と話すのは、オーナーシェフの沖 知充(ともみつ)さんです。

土日やランチには若い世代の利用もあるけれど、客層の中心は30代~50代とのこと。どうやら、ある程度人生経験があり、なおかつ料理のクオリティをきちんと理解できる世代に支持されている模様。

フレンチらしい濃厚ソースで味わう蝦夷鹿

この日に最初に出していただいたジビエ料理は、「栗とトリュフを詰めた蝦夷鹿バラ肉の煮込み」(コース料理の1品)です。根菜のパースニップのピュレが添えられています。

口へ運んでまず感じるのは、赤ワインの香りと味、そしてほのかな苦味。噛めば鹿の旨味と共に脂身の甘さも広がります。肉は口の中でほろほろと溶け出し、時折感じる栗の歯応えと甘味がアクセントに。ジビエのフォン(出汁)と赤ワインで作る濃厚なソースは、フォアグラバターも加えるため、深みとコクが際立っています。

ではここでオーナーシェフ、沖さんの経歴に触れておきましょう。

辻調グループフランス校卒業後、いくつかの飲食店で7年勤めたのち、27歳の時に渡仏。ブルターニュ地方の海沿いの小さな町のレストランからアルボアの2ツ星「ジャンポールジュネ」、ヴィッシーの1ツ星「ジャックデコレ」などのレストランで腕を磨いたそうです。

「フランスでは地元の人たちが分け隔てなく接してくれたんです。プライベートで遊んだりもしましたね。なので店名には、『フィニステール県』というその土地の名前を使わせてもらいました」と沖シェフ。また、現地では「フォンドボーをとっているところがない」といった、クラシカルなフレンチとは異なる、現代的なフレンチにも感銘を受けたと言います。

フランスから帰国後、六本木のレストラン「マクシヴァン」で料理長を6年間務め、ソムリエ資格を取得。フランスはもちろん、イタリア、ドイツ、オーストラリアなどのワインは100銘柄を超え、グラス1,200円~、ボトル6,800円~(各税抜)とワインリストも充実しています。

ジビエの持ち味を生かしたフランス料理を

もう1品、店の人気メニュー「香ばしくグリエしたタスマニアサーモンのマリネとお野菜のモザイク仕立て シトロンクリームとバジルの香り」(コース料理の1品)を。

テーブルにサーブされた瞬間、思わず感嘆の声が出てしまう美しさ…。
「これは銀座レザンジュの時代から作り続けているんです」と沖シェフが言うとおり、常連客の間では沖シェフの代名詞のような一皿で、こちらを目当てに訪れる人も少なくないとか。

ほかのサーモンよりも脂が控えめなのであえて選んだというタスマニアサーモンのほか、オクラやニンジン、ブロッコリー、ヤングコーンなど数種類の野菜がジュレでモザイク模様に並び、口に運ぶたびにさまざまな食感と味が楽しめます。また、上にはレモンのクリームが、周囲にはバジルソースが添えられているので、それらを付ければさらに味に表情が生まれ、宝石箱を探検しているような気分に。

沖シェフのこだわりの一つが、「野菜や魚は日本各地の旬のもの、そしてメインはできる限り憧れのフランスのものを使う」ということ。ジビエはもちろん、チーズやワイン、食前酒に至るまで、自ら厳選したものをそろえています。
「ジビエはフランス料理らしい仕立てが合っていると思います。あえてクセをおさえようとしないで、持ち味を生かしたいですね」。

フレンチを食べ慣れた人も多く訪れるこの店、コースは月替わりでランチ3,800円~(税抜)、ディナー7,900円(税抜)。国産の猪、ヨーロッパ産のマガモ、山鳩など、秋冬のジビエシーズンにはジビエメニューも増えるそうで、「特に鹿のモモ肉のローストが人気」とのこと。できれば事前にジビエの入荷状況を確かめてからの訪問がおすすめです。

続きを見る