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山梨県産ワインと鹿肉料理のペアリングが楽しめる食の体感拠点「Cave de(カーヴ ド) ワイン県やまなし」東京都中央区日本橋

東京都 フレンチ バル(バー) その他麺類 パテ シカ その他ジビエ ランチ
2020.12.03

東京の日本橋駅からすぐ、山梨県のアンテナショップ「富士の国やまなし館」が2020年7月13日に「Cave de(カーヴ ド)ワイン県やまなし)」としてリニューアルオープンしました。

ワインカーブ(地下蔵)を通り抜けると、数十種類の山梨県産のワインや日本酒が常時300種類以上、さらに山梨県産の食材などが並ぶショップがあります。

その奥に隠し扉のごとくレストランへ続く入口があり、引き戸を開けて中に足を踏み入れると…。

知る人ぞ知る、ワイン好きにはたまらない空間が広がっています。窒素ガスを使った店舗用グラスワインサーバーが7台も設置されており、常時28種類のグラスワインを楽しむことができる仕様に心が躍ります。

「赤、白、ロゼ、それぞれに合った適温で温度を管理しています。窒素ガスが開栓後のワインを酸化から守り、いつでも美味しい状態で味わっていただくことができます。グラスワイン1杯から気軽に楽しむ気持ちでお越しください」とは、ワインに携わって20年以上の知識を持つ、ソムリエの進(しん) 一博さんの言葉。

ワインと日本酒は合わせて常時約40種類を用意。ワインは甲州種やマスカット・ベリーA種など、60ml/280円(税込)から楽しむことができるとは、うれしい限り!

ワインに合う料理をとことん意識したメニュー

「Cave deワイン県やまなし」のチーフシェフの栃木 良太さんは、フレンチやイタリアンを学んだのち、イタリアンレストラン「Y-wine(わいわい)」などを経て現職。日本を代表するソムリエで、「Cave deワイン県やまなし」の監修者でもある田崎 真也さんと共に、料理のコンセプトを話し合い、いろいろなアイデアを出し合ってメニューを決めています。

「山梨は南アルプスや八ヶ岳に囲まれ、日本一の名水の里でもあります。北杜(ほくと)市で捕獲される本州鹿は水がキレイなところに生えている草や木の実を食べているためか、血生臭さがなく、肉質もやわらかい。食べやすいので、料理にもアレンジしやすいんですよ」と、栃木シェフ。

山梨県産のワインと山梨県産食材の相性が楽しめる“食の体感拠点”というのが「Cave deワイン県やまなし」のコンセプト。そのため、ジビエ料理も“ワインに合う料理”を意識してメニューを組み立てているそう。

来店した多くのお客様が注文するという「オイルフォンデュ」(1人500円・税込 ※2人前から注文可)もそのひとつ。お肉は、山梨県北杜市から取り寄せているという鹿のロース肉(写真は1人前90g・1,200円・税込)をチョイスしました。ほかにも、甲州牛のリブロース肉や馬肉、ラムのモモ肉、ダチョウのモモ肉、ホロホロ鳥など7種類の中から選ぶことができます。

山梨県では近年鹿による農作物等の被害が多く、害獣を減らす意味でも鹿肉を食として楽しむことを県が推奨しています。
「ジビエは季節もの、旬の食材を楽しんでいただくことができるので、メニューに取り入れているんですよ」と栃木シェフ。

「真空パックにした鹿肉を事前に1時間ほど低温調理で火入れをしておきます。こうすることで、オイルフォンデュした時にもしっとりとした食感を楽しめるんです」(栃木シェフ)。

オイルフォンデュを注文すると付いてくるソースプレートとひと口大にカットされた6切れの鹿肉が目の前に来たら、さっそく自分で第2段階の調理開始!

鹿肉を串に刺して160℃のオイルの中で20秒。パチパチと弾ける音と共に、ローズマリーやタイム、ローリエ、エスタラゴンなどをたっぷり入れて濾(こ)したオイルからは、ハーブの香りが漂ってきて、食欲をそそられます。

オイルフォンデュした熱々の鹿肉は、2種の特製ソースや旬の野菜のピューレ(写真左はジャガイモのピューレ)、粗挽きの塩・胡椒に付けて1つずつ違う味わいを楽しむのがおすすめです。

「山梨県は中国の四川省とフランスのブルゴーニュ・フランシュ・コンテ州と姉妹都市ということもあり、豆板醤や甜麺醤を使った四川風の“ピリ辛ソース”とフランスのオランデーズソース風に山梨の名産ユズを使った“ゆず風味のマスタードソース”を用意しました。飲むワインに合わせてソースの味わいを楽しんでください」と栃木シェフ。

四川風ピリ辛ソース(写真左)、まろやかな辛さのマスタードソース(写真右)は、どちらで食べても、あっさりとした鹿肉の旨味がアップされ、とても美味しくいただけました。

自家製の花巻(1個150円・税込 ※点心の一種)があると耳にし、注文をしてみました。再度、串に鹿肉を刺してオイルフォンデュしたら、ジャガイモのピューレと辛味ソースと共に花巻(中華点心のひとつで蒸しパンのこと)で包み、パクリ。新食感の中華饅頭のようでかなり美味!

山梨の食材をとことん使ったメニューで、ジビエをより美味しく

二品目は、山梨県・富士吉田市発の吉田うどんを使った「吉田うどん 鹿肉ラグーソース」(1,480円・税込)です。

「太くてコシの強い麺をパスタのように食べたらおもしろいなと思い作りました。ラグーとはフランス語で“煮込む”ということ。鹿肉のミートソースをイメージしてください」(栃木シェフ)
鹿のスネ肉などの端材をミンチにしたら、玉ネギや香味野菜、トマトソース、たっぷりの赤ワイン等と共に3時間ほど煮込み、水分をつめながら旨味を出してソースを作り上げていきます。

「隠し味の一つは、あえていうなら毎日とっている野菜のブイヨン。野菜は山梨の塩山や北杜から有機野菜を取り寄せているため、皮や芯、根元など栄養がたっぷり含まれている部分こそ捨てずにくまなく使います。そして隠し味の二つ目は、甲州牛の端材で作った牛脂。脂肪分の少ない鹿肉と合わせることで、鹿肉のリッチな旨味が引き出されるんですよ」と栃木シェフ。

ゴロゴロとした鹿肉のソースと少し固めにゆで食感を強く残したうどんが絶妙にマッチ。ソースを作る際に隠し味で入れる「すりだね」(※赤唐辛子をベースにゴマや山椒を加え油で炒めた富士吉田市発祥の調味料)の深みのある辛さが効いています。

最後の一品は「パテ・ド・Cave deワイン県」(880円・税込)。甲州の富士桜ポークを使っていて、ニンジンのラペやコリンキーのマリネが添えられるなど、栃木シェフのフレンチの華やかな盛り付けテクニックが目を引きます。前菜なのにたっぷりな肉質を味わえるパテは、ワインのスタートにぴったりと実感!

「料理とワインは色を合わせるとよいと言いますが、このパテには山梨県産の『グレイスロゼ』(写真右・60ml/495円、120ml/880円・各税込)をオススメしています。ロゼは使い勝手がよく、白ワインにも赤ワインにも寄り添えます。スパイスが効いているパテには、赤ワインを少し感じられるようなロゼがぴったり」と進さん。
「鹿肉のオイルフォンデュ」と「吉田うどん 鹿肉ラグーソース」の二品には「グランポレール 山梨甲斐ノワール 特別仕込み」(写真左・60ml/605円、120ml/1,100円・各税込)を合わせていただきました。

ジビエや黒胡椒などが効いたスパイス的な肉料理には、山梨で生まれたブドウ品種を使った甲斐ノワール種100%のこのワインがベストマッチ。鹿肉料理を美味しくいただくことができました。

山梨のワインはもはや世界にひけをとらない品質。訪れるたびに異なるワインを楽しめるほど豊富な品ぞろえの「Cave deワイン県やまなし」で、山梨の“ジビエ×ワイン”の奥深い世界を堪能してみてはいかがですか?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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