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こだわりの地産地消で彩る、由緒正しき奈良ジビエの名店「ImagamI」奈良県橿原市

奈良県 ビストロ 焼肉・ロースト 創作料理 シカ
2023.12.26

奈良・坊城駅から車で5分。橿原(かしはら)バイパスに近い奈良県橿原市に店を構えるフレンチレストラン「ImagamI(イマガミ)」。今年で13年目を迎え、地域はもちろん、他府県からの人気も絶えず、ジビエに関する活動において多方面から協力をお願いされているそうです。

閑静な住宅街を抜けると、風にたなびく色鮮やかなフランスの国旗が目を引きます。南フランスを彷彿とさせる石造りの壁面、そして木製の扉を抜けた先には、自然と調和した、晴れやかな空間が広がります。店の奥には特別な個室もあり、お誕生日、結婚記念日など、大切な人との大切な時間を演出。少し隠れ家的な雰囲気を味わいたい方には、奥のカウンター席もおすすめです。

こだわりの空間、そして人々から愛されるジビエ料理をこの地で作る、オーナーシェフの今上 貢(いまがみ みつぐ)さんに、話を伺いました。

ジビエをアットホームな空間で味わう、こだわりの店作り

「ImagamI(イマガミ)」の店内は、自然の草木や花が随所に配置された、ナチュラルでお洒落な雰囲気。こちらは同級生である友人に設計をお願いされたそうです。そこには今上さんのこだわりがぎっしり詰まっています。「お客様目線を大切に、入りやすい店内や雰囲気、そして自分自身の希望を最大限に表現したかったので、友人に設計をお願いしました。非日常の料理を暖かい空間で楽しんでもらいたい。そして、また来たくなるような、自然とアットホームな気持ちになれるような、そんな店内にしたかったので、高級感が出すぎないようにしました」

30年近く飲食業に携わってきた、オーナーシェフの今上さん、数ある飲食のジャンルの中で、ジビエ料理を選んだ理由を、「自分のできることで、社会貢献になることは何か。それを考え、辿り着いた答えがジビエ料理だったんです。理由はただそれだけでした」と語ります。

しかし、ジビエ料理に対してマイナスなイメージをもたれるお客様は少なくないそう。

「ジビエ料理は、料理の技術はもちろんですが、新鮮さと下処理の技術によって、のちの美味しさが左右されることもあり、どれだけ新鮮な状態で仕入れることができるのか、日々、研鑽に努めています。最近では、技術の進化や奈良県が活発的にジビエ料理を広めようと尽力しています。私自身も、もっと皆さまにジビエ料理を認知してもらい、「美味しい」と言ってもらえることが今後の目標です」

低温調理によって体現された鹿肉の柔らかさを、お箸で味わう

鹿肉をメインとしたジビエ料理を提供している「ImagamI(イマガミ)」では、低温調理を基本としています。

時間をかけて火を通すため、カットも薄すぎない程よい厚みに。一度、フライパンで全体を焼き、直後に低温調理でじっくりと火を通します。「いまだに、ジビエ料理というと固いお肉というイメージを持たれることがあるので、「また食べたい」と思ってもらえるように計算して調理しています」と語る今上さん。じっくり火が通されたお肉はとても柔らかく、口の中に広がる香りが芳醇そのもの。鹿肉の旨みが存分に味わえます。

低温で時間をかけて丁寧に調理された鹿肉はもちもちとした食感で満足のいく食べ応え。クセはほとんどなく、どちらかというと淡白な味わいとなっているため、煮込み料理やローストなど様々な調理方法にできるのも魅力です。

付け合せに盛り付けられた奈良県産の野菜たちも、色鮮やかに鹿肉を彩ります。全体にかかったソースは、子牛のスジから骨、そして野菜を加えてじっくり煮込んだ自家製のフォンドボーを使用。コクがありながらも後を引かないさっぱりとした口当たりは鹿肉との相性が抜群です。

コースは、アミューズからデザートまでの彩りの美しさも必見。メインにお肉料理とお魚料理の両方をいただける贅沢なラインナップでボリュームも満点です。味わい一皿一皿にワインも進みます。

人気の自然派ワイン「ナチュールワイン」とのペアリングもおすすめ。極力添加物を使用していないワインは、口の中でさらに鹿肉の旨味を引き立たせます。

そして、アルコールではないドリンクも充実していることが「ImagamI(イマガミ)」の魅力の一つ。自家製シロップを使った“レモネード”や、奈良県産の果物で作られるサイダーなど、お車の方やアルコールが苦手な方も存分にお楽しみいただけます。

食材だけではなく、食器やお箸まで奈良県産にこだわったお店

「ImagamI(イマガミ)」で使われているお箸は、世界遺産に登録されている吉野山の吉野杉材からつくられたもの。上品な香りと美しいツヤが際立つ、吉野杉の割り箸。このお箸で食べることで、料理の口あたりを良くしてくれます。

店内、料理、そしてお皿やお箸、細部にまでこだわりを惜しみなく提供している今上さん。店舗での経営以外にも、介護福祉施設へジビエ料理を提供したり、ジビエ料理に関するイベントで出店を行ったり、奈良県庁と共に、「ならジビエ」の消費拡大と認知度を広げるための活動を積極的に行っています。

今上さんのモチベーションとしているものは何か伺ったところ、こんな素敵な回答をいただきました。

「以前来ていただいたお客様に「ジビエ料理って知らないままで抵抗があったんだけど、牛肉よりこっちのお肉のほうが好きかもしれない。本当に美味しい。」って言ってもらえたんです。他にも、私の身内のおばあちゃんが、お祝いごととしてお店に来てもらったんですが、ご飯食べるにも体力がいる年齢なのに、このジビエ料理をペロリと平らげたんです。それを見ただけで、このジビエ料理を続けて良かった。試行錯誤で大変な時もあったけど、「美味しい」の一言で全て報われましたね」

そう嬉しそうに話してくれた今上さんは、「ImagamI(イマガミ)」で地域性を大切に、旬の食材を取り入れたコースを楽しんでもらえるような仕組みを作っています。お肉は「奈良ジビエ」の上質な鹿肉のみを使用。野菜は地元の農家さんが丹精込めて育てた有機野菜を使用しており、社会貢献の一環として就労支援施設で栽培されているものを仕入れているなど、地域活性化の取組にも熱を入れています。

本格フレンチ料理でありながら、価格はリーズナブル。さらには普段、触れる機会が少ないジビエ料理をアットホームな空間で味わえる唯一無二の店。ぜひこの機会に訪れてほしい奈良の名店のひとつです。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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