特集
インタビュー

「一流シェフの味を自宅で!」ジビエの魅力を缶詰に封じ込めた「K&K Chef缶」商品開発部・森 寛規

東京都 煮込み パテ シカ イノシシ お土産・テイクアウト
2021.10.18

「K&K缶つま」シリーズで知られる国分グループ本社株式会社と、名店のトップシェフとの共同制作によって誕生した「K&K Chef缶」シリーズ。その第三弾として、ジビエを使った缶詰が2021年3月から販売を開始しました。

そんなこだわりの缶詰の開発を手がけたのは、今回お話を伺った森 寛規(ひろき)さん。同社で約8年、商品開発を担当。今回のジビエを使った缶詰だけでなく、多くの「K&K缶つま」シリーズを手がけてきました。現在は缶詰だけでなく、幅広く加工食品全体を開発しています。

一流シェフとのコラボで生まれたジビエ缶詰

「K&K Chef缶」シリーズは2020年に登場し、ジビエを使った缶詰は、自然からの恵みを大切にしたジビエ料理を提供するフレンチレストラン「LATURE(ラチュレ)」のオーナーシェフ・室田 拓人さんとのコラボレーションによって生まれました。「ジビエのパテ」と「猪のシャスール風」の2種類があります。

室田シェフは、自身も狩猟免許を有し、ハンターとしての顔も持つジビエ料理の名手。自身が営む「LATURE」は、2016年のオープン後、わずか1年3か月でミシュラン一つ星を獲得。『ミシュランガイド東京2021』では新しく設けられた、サステナブルな取り組みを行う店を評価する「グリーンスター」としても紹介されています。

「K&K Chef缶」は、トップシェフの味を家庭で気軽に楽しんでもらおうと生まれた缶詰シリーズ。室田シェフとのコラボ商品を作ることになった当初について、森さんは振り返ります。

「室田シェフとのコラボ商品ならば何をおいてもジビエ料理だろうと思い、すぐにジビエ缶詰の開発が始まりました。しかし、ジビエというのは、ほかの食材と比べて素材自体が特殊です。レストランで提供するのと缶詰にするのとではまったく違った工夫が求められることがわかりました。スパイスやお酒など、いろいろな食材との組み合わせを試行錯誤し、1年ほどの時間をかけた末に、今のレシピが完成したんです」

ジビエ缶詰に使う材料は国産にこだわり、 “地域密着の食品の卸売業”が主業である同社の強みが存分に発揮されています。猪肉や鹿肉は、九州で国産ジビエを専門に取り扱い、食肉処理施設も所有する「椿説屋(ちんぜいや)」から仕入れています。流通量の限られているジビエだからこそ、信頼できるメーカーの存在は欠かせないと言います。
「ジビエはレストランでは食べることができますが、加工食品としての流通はまだまだ少ない状況です。ジビエ料理をもっと多くの方に知っていただき、世の中に広めていきたいという思いが詰まっています」

「K&K Chef缶 ジビエのパテ(95g)」(864円・税込)は、粗挽きにした鹿肉と猪肉に鶏白レバーを混ぜ合わせ、赤ワインやブランデー、トリュフオイルなどを使って香り高く仕上げた一品。驚いたのは、缶を開けてパテを皿に移しただけで、芳醇な香りが漂ってきたこと。ひと口食べると、ジビエならではの濃厚な肉の味わい、スパイスやトリュフの風味が口の中いっぱいに広がります。鹿肉と猪肉は粗挽きになっており、口に入れた時の肉の存在感も抜群。バケットにのせて好みの香辛料を振りかけたり、野菜のピクルスや甘味のあるジャムと合わせるのもよさそうです。もちろん、赤ワインとの相性はぴったり。

「シェフと共にこだわり抜いて生まれた商品だけに、ぜひ、食べ方や盛り付けにもひと工夫して楽しんでほしい」と森さん。

こちらは、「ジビエのパテ」を室田シェフおすすめのレシピで盛り付けたもの。まるでレストランの一皿のようです。パッケージには、家庭でも再現できるようにと、シェフのおすすめレシピが記載されているほか、盛り付け方をわかりやすく解説したWEBサイトのQRコードも。

2品目は「K&K Chef缶 猪のシャスール風(105g)」(864円・税込)。“シャスール”とはフランス語で猟師や狩人のことで、 料理では“猟師風”という意味で使われます。こちらは、猪肉とシイタケを赤ワインやフォン・ド・ボー、バルサミコ酢をブレンドしたソースで煮込んだもの。シイタケは、国産の干しシイタケを贅沢に使っています。

食べてみると、猪肉が驚くほどやわらかで、パサつき感はゼロ! しっとりとした口当たりながらもジューシーさを感じられます。酸味と旨味がギュッと濃縮されたソースも絶妙です。

「猪のシャスール風」に、ソテーしたベーコンと玉ネギ、マッシュルーム、好みでイタリアンパセリをのせれば、食卓のメインを飾る一皿に。

とはいえ、材料がなかったり、盛り付けに自信がない場合はどうしたらよいのか、森さんに伺ってみると、
「お好みのキノコや冷蔵庫に余っている野菜を軽くソテーして添えてみてください。ひと手間加えてお皿に盛るだけで、お店のような仕上がりになります」と、教えてくれました。

ジビエ缶の始まりは、北海道の蝦夷鹿から

実は国分グループでは、「K&K Chef缶」シリーズよりも前に、ジビエを使った缶詰を販売しています。それが、2018年に登場した「K&K 缶つまJAPAN北海道産エゾシカ肉トマト煮(75g)」(北海道内価格864円、北海道外価格972円・各税込)です。

地域密着の卸売業を目指し、その土地ならではの食材を使って、現地で製造・販売する商品にも力を注いできた国分グループ。北海道ならではの品をと開発されたものの一つが、蝦夷鹿を使った缶詰です。

「蝦夷鹿を扱うようになったのは5~6年ほど前からですが、今回、ジビエを用いてChef缶を作ったことで今まで以上に考え方の幅が広がりました。サステナブルな取り組みの一つとして、今後もジビエに対して積極的に取り組んでいけたらと考えています」

「北海道産エゾシカ肉トマト煮」は、北海道産の蝦夷鹿肉を、北海道産のトマトピューレでじっくり煮込んだ一品で、トマトピューレの甘味と酸味が蝦夷鹿肉の旨味を引き立てています。湯せんで温めて食べるのがおすすめだそう。販売は北海道内のほか、国分グループのアンテナショップで購入できます。

国分グループの商品が一同に集まるのが、国分発セレクトショップ「ROJI日本橋」です。ほかに、東武百貨店池袋店、西武百貨店所沢店にもアンテナショップがあります。

「ROJI日本橋」は国分グループ本社の1階にあり、「K&K缶つま」や「K&K Chef缶」などの缶詰類のほか、菓子、酒類など、常時300品程度が並びます。

人気の缶詰コーナーは、人気商品や新商品などがひと目で分かるように表示されています。お手ごろ価格のものから、1万円を超えるものまでがズラリと並び、退屈しません。

一流シェフとのコラボで生まれた「K&K Chef缶」のジビエの缶詰。
「今回新たに加わったジビエ缶詰が、家庭ではなかなか食べることができないジビエ料理を味わっていただくきっかけになればと思います。室田シェフの料理はレストランに行かなければ食べることはできませんが、缶詰であれば十分ご自宅で楽しめます。しかも、ほんの少し盛り付けを工夫いただくことで、食卓が一気に華やかになります」と森さん。

一流シェフのジビエ料理をおうちで味わう楽しみ。最低3年間は保存がきくのも缶詰ならではの魅力です。ストック品に加えてみてはいかがでしょうか?

続きを見る