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湧き上がるアイデアで、フレンチを超えた創作ジビエ料理!「いわきのビストロ Bistro cafe NWANNA」

福島県 フレンチ シカ イノシシ エゾジカ その他ジビエ ランチ
2021.12.11

福島県の東南端、茨城県と境を接し広大な面積を持ついわき市は、温暖な気候に恵まれた地域で、福島県内で最大の人口を有する中核市。スパリゾート施設やいわき湯本温泉など、周辺には多彩な観光資源もあります。

JRいわき駅から、飲食店が集まる繁華街を歩いて1分ほど。ビルの2階に上がると、今回紹介する「いわきのビストロ Bistro cafe NWANNA(ビストロカフェ ワンナー)」(以下、ワンナー)が現れます。

こちらを営むのは宗村 誠二さんと綾香さんご夫妻。もともと「ワンナー」は外国人が経営するブラックミュージックが流れるバーだったそうで、若いころからそちらを訪れていた誠二さんに縁あって声がかかり、お店を引き継いだ経緯があるそうです。

店内にはホッと心落ち着く空間が広がります。2021年8月8日に移転リニューアルオープンしたばかりで、「これから徐々に観葉植物などを増やしていきたいです」と誠二さん。

これまで結婚式場への飲食サービス派遣業やホテルのレストラン、居酒屋や民宿など、多岐にわたる職場で飲食に関わってきた誠二さん。
「ジビエはホテルで働いていた時からなので、十数年は扱っています。それぞれの職場でもジビエの調理法を勉強しましたし、独学でも研究してきましたよ」と言います。

ジビエの魅力は?と尋ねたところ、
「なによりおもしろみのある食材。それぞれの動物、それぞれの産地で香りや味も変わってくるので、それに合わせる野菜やソース、調味料を考えるのが楽しくて」と語ってくれました。

話を聞いているだけで、ジビエへの熱い意欲を感じる誠二さんが一体どんな料理を出してくれるのか楽しみになってきます。さっそく誠二さん作の珠玉(しゅぎょく)の一皿を紹介していきましょう。

スーパーフードも取り入れた、アイデアとセンスが光る一品

1品目に紹介するのは「蝦夷鹿のグリエ」(2,200円・税込)です。

使用されている鹿肉はモモ肉の中心部分にあたるシンタマを、食べ応えを感じられるよう250gほど。表面をフライパンで焼いて旨味を閉じ込め、低温と高温のオーブンに交互に入れながら火を通していきます。

「まるで牛のヒレ肉ようなやわらかな食感に仕上げています。実際に間違われたお客さんもいましたよ(笑)」
ソースは赤ワインとハチミツを使用。酸味と甘味が同時に口の中でふんわり広がり、鹿肉の旨味をよりいっそう引き立てます。鹿肉の上に振りかけられているのは、スーパーフードとしても注目の「ミツバチ花粉」。ハチミツのソースに、ミツバチ花粉を合わせてくるあたり、なんとも粋なアイデアだと思いませんか?

「鹿肉には鉄分が豊富に含まれているので、女性におすすめしやすいのが使う理由のひとつ」と誠二さん。蝦夷鹿と本州鹿の肉と食べ比べてみて、その旨味と食べ応えを考慮しながらそれぞれの料理に生かしているようです。

頭の中は常にレシピでいっぱい!

就寝時の布団の中でもレシピを考えているという誠二さん。ジビエだけでも6冊以上のレシピノートがあるそうで、「レシピを考えるのがとにかくおもしろくて」と話してくれました。実はこちらのお店、移転のきっかけは近隣からの貰い火だったそう…。移転までの休業中は、考えたレシピをお客さんに味わってもらえないのがなによりも辛かったそうです。

こちらのデザートも、一風変わった造形だと思いませんか? 実は「ティラミス」(800円・税込)で、一般的なティラミスの食材を段重ねに積み上げたもの。それぞれの層をすくい合わせて食べることで、口内で完成するスイーツなのです。味はもちろん、そのアイデアに心奪われてしまう一皿でした。

「ワンナー」のメニューを見ると、蝦夷鹿、本州鹿、猪、鴨、ヒグマ、ツキノワグマとさまざまなジビエ料理がずらりと連なります。野鳥もおすすめだそうで、
「ウズラ、ヒヨドリ、スズメ、キジ、ハトなど、野鳥も味わってみてほしいですね。食べているものによって味もまったく違うので奥が本当に深いですよ」

「ワンナー」では「ジビエのオードブル」のテイクアウトも受け付けています。基本的に前日までの予約が必要で、料金は5,000円(税込)~。

こちらの写真は、ある日のオードブルの一例。「猪のフライ」「本州鹿のグリル」「蝦夷鹿のロティー」「穴熊の赤ワイン煮込み」「アライグマのテリーヌ」と、ジビエのフルコースであるかのような内容に驚きです!

「牛や豚となんら変わらない意識でジビエを食べてもらえるよう、お客様の嗜好というエッセンスを取り入れた料理を提供したい。これからはフレンチをベースとしつつ、和のテイストも加えた創作料理も多く登場していくと思います」と誠二さんが今後の展望も語ってくれました。

訪れる客の嗜好もエッセンスに、続々と湧き上がるアイデアから生み出されるジビエメニューを、ぜひ「ワンナー」で召し上がれ!

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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