鹿肉料理を名物に！ 信州発祥の飲食チェーン「みんなのテンホウ」長野県諏訪市（他31店舗）

長野県内で32店舗を展開する老舗飲食チェーン「みんなのテンホウ」（以下、テンホウ）。どの世代にも親しまれ愛される味を、安心・安全な材料にこだわりながらリーズナブルに提供するラーメンチェーンです。1956年の創業以来、伝統のメニューで秘伝のレシピを守りつつ、新商品開発にも力を注ぎ、常に多くのファンを喜ばせています。

その「テンホウ」が、地元産の鹿肉を多くの人にもっと身近に感じてもらえるよう、誰もが親しみやすい鹿肉メニューとして開発、販売を開始しました。その料理とは…、みんなが大好き、「餃子」と「竜田揚げ」！ “ジビエ”という言葉から連想される狩猟や有害駆除のイメージに漂う“特別感”を、いい意味で感じさせない、誰もが親しめて気軽に楽しめる料理です。

「テンホウ」を運営する株式会社テンホウ・フーズの本社（長野県諏訪市）を訪ね、代表取締役社長の大石 壮太郎さんにお話しを伺ってきました。

「鹿肉を長野県の特産品として、また、地元の身近な食材として、県外からの来訪者にも地元の人にも気軽に手に取ってもらえるよう広め、“身近さ”をつくっていきたい」と語る大石さん。

「豊かな自然と山に囲まれた信州では、鹿や猪などの野生動物は身近な存在で、その肉を食してきた歴史と食文化がある。日本人が古来より大切にしてきた『いただきます』という言葉に込められた、動植物の命をいただくことへの感謝の心を伝えていきたい」とジビエに対する思いをお話いただきました。

老舗飲食チェーンが手掛ける鹿肉料理。こだわりは“美ヶ原高原産”の鹿

鹿肉は高タンパク低カロリーで、鉄分などミネラルも豊富なことから栄養面に優れた食材ですが、「テンホウ」が扱う鹿肉は特に美ヶ原（うつくしがはら）高原産にこだわっています。美ヶ原は、長野県松本市・上田市・小県郡長和町（ながわまち）にまたがる高原で、その自然のミネラルを多く含んだ栄養価の高い牧草を食べて育っていることで、肉の美味しさが際立っているそう。

仕入れ先は茅野市の食肉処理施設「近福加肉販売（ちかふくかにくはんばい）」。こちらは3世代にわたり家族全員がハンターで、ジビエの処理に移動式解体処理車を用い、迅速・丁寧かつ適切な加工により、高品質の美味しい肉を扱っています。野生動物の生態や食肉加工技術に精通し、信頼のおける仕入れ先です。

鹿肉メニューは「テンホウ」全チェーンで扱っていますが、今回の取材で訪れたのは「みんなのテンホウ 諏訪 城南店」。現存店舗では一番古くから営業しているお店です。

2019年に3度目の建て替えリニューアルをしたばかりの店舗は、住宅街の中で目を引く温かみのある明るいイエローカラーが目印。店内も日の光が差し込み明るく清潔感があり、ほっとする空間です。オーダーをしてから待つこと数分、美味しそうな匂いと共に料理が運ばれてきました。

こだわりの詰まったできたて熱々をいただきます！

まずは「シカ肉ぎょうざ（単品）」（480円・税込）からいただきます。鹿肉に豚の脂とゴマ油を加えて馴染ませ、多めのニラとキャベツ、ニンニク、生姜を合わせてしっかりとミキシング。舌触りのなめらかなタネに仕上がっています。野菜がたっぷり入っているのに肉の存在感の強さに驚かされます…。これぞ“美ヶ原鹿”が持つ力強さでしょうか。

「テンホウ」の餃子といえば、秘伝の6種のスパイスを調合していることで長野県民には知られていますが、この「シカ肉ぎょうざ」のスパイスは控えめ。鹿肉の滋味と相まって、食欲をそそります。

続いて登場したのは「シカ肉竜田揚げ（単品）」（680円・税込）。鹿の内モモ肉を中心にやわらかい部位が使用された竜田揚げ。ニンニクと生姜をベースにしっかりと風味付けされていて、ご飯のおかずにも、ビールのお供にも◎。

大き目にカットされた肉を豪快にかぶり付くと、「肉を食べた！」という大きな満足感に包まれます。

こちらは創業当時から根強い人気の「チャーメン（単品）」（600円・税込）。中太のちぢれ麺に炒め野菜の旨味がよく絡み、麺のもちもち食感とつるんとした喉ごしは癖になるお味です。自家製豆板醤と酢をかける食べ方もGOOD！ 野菜がたっぷり入っていて、味わいのバランス的にも栄養バランス的にも鹿肉メニューと組み合わせたら相性バッチリです！

ジビエを愛する人はもちろん、ジビエには縁遠いと感じていた人も、「みんなのテンホウ」で鹿肉をもっと身近に、気軽に、楽しんでみませんか？