横浜国立大学の学生が鹿革製品とジビエ料理メニューを開発。 ジビエの魅力や可能性、学生たちの取組について、横浜国立大学の卒業生でジビエにも関心の高い眞鍋かをりさんにお話をうかがいました
ジビエを今よりほんのちょっとでも、身近に感じていただくために。
ジビエのポータルサイト 「ジビエト」では、若い世代にも「ジビエ」を身近に感じてもらうためのプロジェクトとして、横浜国立大学の学生とともに鹿肉を使ったレシピと鹿革商品の開発に取り組んでいます。
ジビエの魅力や可能性について、横国の卒業生でもあり、ジビエにも関心の高い眞鍋かをりさんにお話をうかがいました。
ジビエ=特別な料理ではなく “日常の料理をジビエ”で
――今回、眞鍋さんのご出身でもある横国の学生とともにプロジェクトに取り組んでいます。眞鍋さんは「ジビエ」に関して、どのようなイメージをお持ちですか?
「自宅でもジビエを料理して、よくいただいています。鹿肉だと、最近はローストしてスライスして、あっさり塩だけとか、カツオのたたきのタレで食べるのが気に入っています。最初はジビエ=こってりしたソースと合わせるというイメージがあって、シチューにしたり、ローストベニソン(ローストした鹿肉)にして赤ワインソースで食べたりしていたのですが、新鮮なお肉は臭みもなくて、いろいろ手を加えなくてもおいしいのでシンプルな調理法になりました」
――鹿肉以外にもジビエのお料理を?
「イノシシや熊、変わったところだとアライグマのお肉も美味しかったですね。部位によって、柔らかい部位はそのまますき焼きに、硬い部位は牛すじ煮のような“煮込み”にしたり、ちょっと風味の強いものは八丁味噌で“土手煮”にしたり。ジビエ=特別な料理、ではなく、牛・豚・鶏のように“日常の料理をジビエで”という感覚で使っています」
――眞鍋さんはジビエ上級者でいらっしゃいますね。お肉に合った食べ方を見つけるのも楽しそうです。
「美味しいだけでなく、鹿肉はアミノ酸スコアが高く良質なたんぱく質という観点からいうと、これ以上ない食材なんです。ボディメイクをしている方は高たんぱくで脂質が低いものしか口にされないですが、鹿肉を薦めると泣いて喜んでくれました。また鉄分も豊富で。例えば、遺伝子は豚とほぼ同じだけどイノシシの方が鉄分が多い。野山を駆けまわる野生動物は、体に酸素を運搬する鉄分を多く必要とするので、ジビエには鉄分が多いそうです。鉄分不足になりがちな女性にも嬉しいですよね。そういう意味でも、ジビエはお肉としてのポテンシャルが最先端だと思います」
――今回のプロジェクトでは、学生たちが鹿による農林業被害や交通事故、生態系攪乱などの人間社会への影響と、その対策としての捕獲の重要性を学び、命に責任を持っていただくことの重要性と可能性について考え、その上で鹿肉を使ったメニュー開発と鹿革を活用した商品開発を行いました。美味しさ、栄養価に加え、地球全体の課題である環境問題や食料問題も考慮した食材でもありますよね。
「そうですね。食肉のために家畜として育てるものだけでなく、ジビエも食肉のひとつとして普通に使うようになればいいですよね」
――鹿肉レシピだけでなく、これまでは捨てられていた鹿革を使って「かくかく鹿じか 鹿革ミニフォトアルバム」と「鹿革ベルトのフレグランスブレスレット」を開発しました。実際に鹿革を触ってみて、いかがですか?
「柔らかくて手触りもいいですね。他のレザー製品と何の遜色もないですし、“今までこんなにいいものが捨てられていたなんて”と思います。SDGsや動物愛護などの観点からハイブランドもレザー製品についての考え方を改めていますし、私も選択肢のひとつとして、普段から使っているものとテイストが合えば環境に配慮しているものを選ぶように心がけたりしています。これまで捨てられていたものを使うというのは、それこそSDGsですよね」
――鹿革は傷が入りやすいという点もありますが、商品を開発した学生たちも「傷はその鹿が生きた軌跡」として、この世にひとつしかない価値を見い出していました。
「そこも革製品の魅力ですよね。いい物はメンテナンスしながら長く使っていけますし、使っているうちに傷ついたり、色も変わってきて、自分なりに育てていける。私も、鞄の街として有名な兵庫県豊岡市に行った時に自分で作ったレザーのポーチを長年使っています。それに加えて、今おっしゃった“生きた軌跡”は、お肉をいただく時と同じで“感謝”に繋がりますし、大きな価値ですね」
――後輩である横国生のこうした取組を知って、どのように思われましたか?
「学生のうちから社会に目を向けた活動をしていて、私の時代とはまた違う横国生の姿を見せていただいているなと思いました。かつては保守的なイメージがあったんですが、インプットだけでなく、こういう風にアウトプットをどんどんして、社会の中に種を撒いていってもらいたいですね。そうすると結果的に、卒業生の私たちは何もしてないのに“横国生ってすごいね”と、美味しい思いもできますし(笑)。
私の場合は、芸能活動もしながら、友達の助けがあってなんとか卒業できました(笑)。学生時代の友達って卒業後の進路はバラバラでも、今会っても立場関係なく友達でいられるから、やっぱり特別ですよね。今、このプロジェクトに取り組んでいるみんなも、この後それぞれ別の道に進むかもしれないけど、どこかで繋がる時が来ると思います」
――最後に、今の若い世代のみなさんにエールをお願いします!
「何でもできちゃう時代でもあるし、逆に何でもできちゃうからこそやりたいことがわからないという人も多いですよね。価値観が多様化しているからこそ、自分がいいと思ったものに突き進んだ結果、それが価値になる時代だと思います。どんなニッチなことでも、人から見てしょうもないと思われるようなことでも、自分がいいと思えば突き進んで、新しい時代を作ってもらいたいですね」
【プロフィール】
眞鍋かをり(まなべ・かをり)
1980年5月31日生まれ。愛媛県出身。芸能活動と両立しながら横浜国立大学卒業。「世界!ニッポン行きたい人応援団」(テレビ東京)、「ひるおび!」(TBS)、「ドデスカ!+」(メーテレ)などレギュラー番組の他、マルチタレントとしてバラエティ、情報番組などに多数出演。
――――――――――――――――――――――――――
本文で登場した「かくかく鹿じか 鹿革ミニフォトアルバム」と「鹿革ベルトのフレグランスブレスレット」は下記サイトにてご購入できます。
かくかく鹿じか 鹿革ミニフォトアルバム 各3,078円(税込)
思い出を振り返るときに、スマホ内の写真データだけでは少し味気無さを感じており、持ち運びできる超小型のフォトアルバムを企画しました。鹿革が経年変化することで、アナログの温かみと自分の変化も感じることができます
■カナコレ
購入はこちら
■ディアベリー
購入はこちら
鹿革ベルトのフレグランスブレスレット 各4,178円(税込)
香水やアロマを中心部のパーツに付けることで、香りをまとうことのできるブレスレットです。鹿革を利用し、柔らかな質感と軽やかな着け心地を実現しました。ギフトとしてパートナーと使ってもらうことも想定しました
■カナコレ
購入はこちら
■ディアベリー
購入はこちら