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あくまで炭火調理にこだわる、京都・先斗町で唯一のジビエ料理店「ゆったり 炙りジビエとワイン 炭然」

京都府 バル(バー) 焼肉・ロースト シカ イノシシ その他ジビエ
2021.09.06

京都の鴨川沿いにある先斗町(ぽんとちょう)といえば、府内屈指の料理店が立ち並ぶ観光地。

その先斗町で、エリアで唯一のジビエ料理を提供するのが「ゆったり 炙り ジビエとワイン炭然(たんぜん)」(以下、炭然)です。

オーナーシェフの池田 敬太郎さんは、炭火焼き鳥店でキャリアを積み、縁あって前オーナーからこの店を引き継ぎ、各種ジビエとワインを提供するお店としてリニューアルオープン。店名のとおり、炭火焼にこだわっています。

「それまでずっと鶏を扱ってきましたが、だんだん物足りなくなってきたのです。そこでこの界隈では誰もやっていないジビエに挑戦したいと思うようになりました。前オーナーがやっていた時もジビエとワインがメインだったので、そのコンセプトに共感して経営することになりました」と池田さんはジビエとの出会いを語ります。

店内を見回すと、あちこちにカエルの置物が。
「お客様が無事お家に帰れますように。そして当店にまた帰ってきてほしいとの願いを込めて置いています」と池田さんは茶目っ気たっぷり。

カエルを使ったメニューはありませんが、鹿や猪以外にも、カラス、ヒグマ、ウズラ、ウサギ、キジなどのジビエがずらり。観光地でありながら、地元の食通が主に通うお店なのです。

岡山産のあっさりとした本州鹿が一年中楽しめる

今回紹介する1品目は、定番の「鹿ロースの炭火焼」(1,650円・税込)。

鹿肉も猪肉も岡山県の「地美恵の郷みまさか」から取り寄せています。品質がよく、一年を通して安定して仕入れることができるのが魅力だそう。
「冬場は北海道から蝦夷鹿も入荷しますが、本州鹿と比べるとサシが入って脂が多め。どちらがいいか、お客様の好みによってお出ししています」とのこと。

鹿肉はロースを使い、炭火でローストします。最後にアルミホイルで包み、余熱でじっくりと焼き上げます。こうすることで、肉汁と旨味を逃しません。

一緒に添えられているのは、ズッキーニ、万願寺とうがらし、甘さとピリッとした辛さがあるフレンチタラゴン(キク科のハーブ)。お好みでブラックオリーブのペーストや岩塩を付けて食べると、実にさっぱり。それでいて滋味深い味わいが胃に染み渡ります。

「栄養価が高い鹿肉は、僕も大好きなんですよ!」と池田さんは微笑みます。
「(ワインの産地を挙げて)○○のワインを飲みたいけれど、どんなジビエが合うかな?と聞かれることも。ジビエとワインのマリアージュも、当店でのお楽しみのひとつでしょうね」
手描きのワインリストを眺めているだけでもテンションが上がります。

「鹿ロースの炭火焼」に合わせたのは、イタリアワインの「チェレット・モンソルド・ランゲ」の赤(ボトル8,800円・税込)。甘いスパイス、キメ細やかでやわらかなタンニンが、鹿の肉質にマッチ。重めですが、後味がスッキリしているのが特徴です。

旬の野菜とハーブで煮込んだ絶品アヒージョ

そして2品目は、最近メニューに加わった「猪肉と新玉ねぎのアヒージョ」(1,980円・税込)です。

「人気のアヒージョの素材に、ジビエを加えるとしたら、猪肉だなと思いました。試作してみたら我ながら『うまいやん!』となって、さっそくメニューに加えたのです」

グツグツと煮えたぎるオイルの中に、大きめにカットされた猪肉がイン。

ローズマリーのさわやかな香りが食欲をそそります。良質な脂のおかげで、時間が経ってもやわらかいのがポイント。
「お客様がおしゃべりしている間に、肉がかたくならないように配慮しました」

アヒージョにはさっぱりとした白ワインがおすすめ。アルゼンチンの「テラザス・レゼルヴァ・トロンテス」(グラス1,100円/ボトル5,500円・各税込)を。複雑さのなかにもバランスの取れた味わいが、猪肉の風味によく合います。

そのうち自分で鹿や猪をハンティングしたい、というのが池田さんの夢。
「丹波篠山や深山(みやま)など、京都でも質のよいジビエがたくさん捕れます。その美味しさをもっと多くの方に知っていただきたいですね」

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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