鹿肉のヒレカツ入りダムカレーを掘削!「ペンション 喫茶 みるく」愛知県北設楽郡設楽町
名古屋市から車でおよそ2時間。愛知県の東部に広がる設楽町(したらちょう)は、手付かずの原生林や清流など豊かな自然に囲まれています。町の総面積の90パーセントを山林が占め、豊川、矢作川、天竜川の水源地にもなっています。
今回は、2つの国定公園(天竜奥三河国定公園と愛知高原国定公園)に挟まれた名倉盆地にある「ペンション 喫茶 みるく」をご紹介。店の目の前には、小彼岸桜(こひがんざくら)で有名な名倉川が流れます。
クリーム色の外壁と三角の出窓が目印のペンション&喫茶店です。入口の前では、木彫りのかわいいタヌキがお出迎えしてくれます。
店内にはどこか懐かしい雰囲気が漂い、1985年のオープン以来、地元の人々はもちろん、観光客やツーリングに訪れたライダーたちの憩いの場として親しまれてきました。
新しい名物を作って、地域おこしに挑戦!
店を切り盛りするのは二代目店主の後藤 謙太さん。2019年12月に設立された「したらダムカレー協会」の会長も務めています。
「設楽町にダム計画が発表された際、近隣の飲食店オーナーと一緒に地域のPRにつながる新しい名物を作ろう!と、完成したのが『したらダムカレー』です」と後藤さん。
現在は設楽町内の計7店舗で、それぞれのこだわりがたっぷり詰まったオリジナルカレーが提供されています。
同店の「したらダムカレー」(1,100円・税込)には、設楽町産の鹿肉のヒレカツ、設楽町公式キャラクターの“とましーなちゃん”型のハッシュドポテトのほか、特産品のシイタケやカボチャのフライなどがトッピングされ、ボリュームも満点。
主に地元産を使用するトマトやブロッコリーなどの野菜も添えられ、彩りもきれいです。
希少部位である鹿肉のヒレは、きめ細かな肉質でしっとりやわらか。サクッとした歯応えに、上品な旨味が広がります。ピリッと辛さが際立つまろやかなカレーとの相性も抜群です。
7店舗共通で使用されるダム堤体付きのカレー皿や、スコップ型のスプーンもオリジナリティがあってユニーク!堤体を取り外したら、掘削しながらカレーを楽しみましょう。
「カレー皿とスプーンは、したらダムカレー協会のオリジナルです。ルーとご飯の仕切りで設楽ダムの堤体を再現したり、皿の内側にシカやイノシシのイラストを施したり、細部にまでこだわっています」
7種類の「したらダムカレーカード」を集めるために、全店舗制覇を目指す人も少なくないとか。
甘めに仕上げた味噌味が決め手の鍋
続いて、ペンションの夕食で大人気の「猪鍋」(1泊2食付き、1名9,900円・税込)をいただきました。※夕食の内容は変更になる場合があります
美しい赤身と程よい脂身の猪肉のロースは、設楽町内にある「奥三河高原ジビエの森」で丁寧に加工されたもの。後藤さんは鮮度と美味しさ、そして地元産にこだわって仕入れています。
甘めの味噌スープに白菜や春菊などたっぷりの野菜とキノコを加え、猪肉にしっかり火が入るまで煮込みます。
周囲に味噌の香りが漂い始め、卓上コンロの火が消えたら食べごろです。猪肉と野菜の甘さが溶け出した味噌スープで体の芯から温まるもよし、生卵に絡めてすき焼きのように楽しむもよし。どちらも、猪肉ならではの濃厚な旨味が味わえます。
冬季には店の奥に設置された薪ストーブの炎を眺めながら、談笑するお客さまの姿も見られます。気さくな地元の人たちとの会話を楽しみながら、ゆったり流れる田舎時間に身をゆだねてみるのもおすすめです。
ペンション 喫茶 みるく(ペンション キッサ ミルク)
- 住所:愛知県北設楽郡設楽町東納庫大桑79
- TEL:0536-65-0055
- 営業時間:喫茶店は9:00~20:00
- 定休日:火曜
- ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
- 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。