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小田原の駅近イタリアンで珍しいジビエのしゃぶしゃぶを!「Buui(ブーイ)」神奈川県小田原市

神奈川県 イタリアン 和食 バル(バー) ステーキ・バーベキュー ハンバーグ ハム ソーセージ シカ イノシシ
2025.01.23

神奈川県・小田原駅東口から徒歩4分。駅前のメインストリートを真っすぐに進み、二股に分かれる正面という最高の立地にBuuiはあります。1階は精肉店が入っており、その脇の階段を昇った2階という、ちょっとした隠れ家感があるのもポイント。

オーナーの武井 肇(たけい はじめ)さんはもともと小田原の出身。10年以上各地で飲食店を経営してきた後に、2017年に地元に戻り、この店を始めました。「小田原は地元愛が強くて、一度出ても戻ってくる人が多い。同級生たちも、僕がこの店を始めたのを喜んでくれています。最近はテレビの旅番組で小田原が取り上げられることも多く、外国人の観光客も増えて、街が賑わっている印象ですね」

Buuiはイタリア料理店。もともと武井さんがワイン好きであり、新しい店を出すならイタリアンに…となったそう。そんなBuuiがジビエを、しかもしゃぶしゃぶを提供するようになったのには経緯があります。県内の松田町で西平畑公園の指定管理業者となっているTUDOI合同会社の代表を務める鈴木 浩二(すずき こうじ)さんとゴルフ仲間になった縁で、武井さんは公園で「山cafe」という店の料理を任されます。松田町は野生鳥獣による農業被害が年間1億円もあり、ジビエの利活用も大きな課題。そこで武井さんがジビエのソーセージやレトルトカレーなどを開発して山cafeで提供したところ好評で、小田原でも味わっていただくことになったのです。

2025年2月中旬から3月中旬にかけて、西平畑公園には河津桜が咲き誇り、第26回まつだ桜まつりが開かれます。そこで提供する料理を考えた時、頭に浮かんだのがしゃぶしゃぶとすき焼き。早咲きの河津桜が咲くころはまだ肌寒く、年配の観光客も多いため、温かいものを提供したいと考えたからです。

しゃぶしゃぶで食べる猪と鹿のやわらかさに驚愕!

「足柄ジビエしゃぶしゃぶ」は「鹿肉」と「猪肉」の2種類。そもそも鹿や猪が、しゃぶしゃぶで食べられるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。
「どちらも軽く、湯にくぐらせていただくだけで食べられます。猪肉は背ロースという一番美味しい部分にこだわって仕入れていて、おいしい脂身がついているのでしゃぶしゃぶに合います。鹿肉は赤身が多いので、極薄にスライスすることでしゃぶしゃぶでも食べられるようにしています」

好奇心をかき立てられて、箸でつまんだ猪肉を湯にくぐらせると、脂身がきれいな透明に変わります。口に含んでみると、上質な脂身が口の中でホロホロとほどけるよう。脂身が得意でない人も、これなら美味しいと感じること請け合いです。一方の鹿は、硬さは全くなく、口に入れると本当にとろけていくのでびっくりします。鹿肉がここまで軟らかいなんてと、先入観が覆されました。
たれは酸味のあるポン酢がおすすめ。肉に味があるので、さっぱりしたポン酢がよく合います。
店ではしゃぶしゃぶは単品で一人前1650円~(税込・要予約)、桜まつりではご飯やみそ汁が付いたしゃぶしゃぶ定食として一人前2750円~(税込・数に限りあり)で提供予定です。しゃぶしゃぶだけでなくすき焼きもあり、牛と豚も提供しています。

リーズナブルな鹿肉のサイコロステーキ

もう一品、調理していただいたのは「足柄産鹿肉のサイコロステーキ」(100g1760円、50g990円・共に税込)。背ロースにこだわって仕入れているといいます。「鹿肉は赤身が多くて、高温で加熱するとどうしても硬さが出てしまうため、塩麹に漬けて軟らかくしてから、低温調理でじっくり加熱して、後は表面をあぶるくらいにしています。あまり野性味が無くなり過ぎるとジビエを食べる意味がなくなってしまうので、そこは絶妙な加減になるように何度も試作しました」と店長の伊藤 達哉(いとう たつや)さん。

そのお陰か、肉はやわらかくて筋も無く、咀嚼に何の困難もありません。塩コショウだけの調理で味わうと、シンプルに鹿肉の旨味が口に広がります。少し味を加えたいなら、皿に添えられたバルサミコ酢のビネガーソースがよく合います。

しゃぶしゃぶにもワイン!新世界の自然派にこだわり
全部で約70種類と、お酒のバリエーションも豊富な中で、武井さんが力を入れているのが「新世界(注)」の「自然派」のワイン。近年はフランスやイタリア以外の新世界のワインも流通するようになり、Buuiが仕入れているものではオーストリアや南アフリカ産などがあり、日本のワインも美味しくなっているといいます。その中でも武井さんがこだわっているのが、なるべく添加物などを使っていない自然派。次の日のお酒の残り方にも差があるといいます。「大量生産できない分、作り手の思いが乗っていて味も個性的。サイコロステーキなら赤、しゃぶしゃぶなら白ですね。しゃぶしゃぶにワインは意外な取り合わせみたいですが、日本のジビエならマスカット・ベーリーAという日本固有品種を使った国産ワインなどと相性がいいんです」。
(注)古くからワイン造りが行われてきたヨーロッパを中心とした国々に対して、新しくワイン造りを始めた国の事

ジビエのカレーやハンバーグ、ソーセージや生ハムなども

店ではその他にもジビエのカレーやハンバーグ、ソーセージ、生ハムなどが味わえ、これらは山cafeでは冷凍食品やレトルト食品などとして販売もしています。

中でもユニークなのが、コンビーフならぬ、鹿肉で作った「コンベニソン」。見た目はコンビーフですが、鹿のすじ肉は脂が無いため、コンビーフと比べるとぐっとさっぱりして低カロリー。この日、お店で味わったのは、「ポテトサラダのコンベニソンあえ」(715円・税込)で卵黄がのっています。コンビニソンの塩味がポテトサラダにいい味を加え、卵黄で濃厚な味わいに。これなら家で作るおつまみにも良さそう。

前述のように、西平畑公園では2月中旬から3月中旬にかけて、まつだ桜まつりが開催され、360本の河津桜が公園をピンク色に染めます。少し早めのお花見に出かけたら、ぜひ山cafeでジビエ料理を味わったり、お土産を購入してみてください。「それで気に入っていただけたら、小田原のBuuiにもいらしていただけたら嬉しいです。特に年配の方には、ジビエの美味しくないイメージが残っている方もいると思いますが、松田町の足柄ジビエ工房で仕入れる肉は、素早く上手な処理のお陰で臭みも無く、軟らかくて本当に美味しいです。なので『試しに食べてみたらこんなに美味しいよ』という機会を、うちの店でたくさん作っていければと思っています」。

一見、隠れ家風だけど、中は親しみやすくて家庭的

ちなみにお店は以前は、店のロケーションそのままに「二階のレストラン」という名前でしたが、2023年に店内を改装した際に、現在の「Buui」に変わりました。どんな意味があるの武井さんに聞いてみると、「ある国の言葉で“家族”という意味がありまして…というのは冗談で、本当は僕の名字の読み方を変えただけなんです(笑)」。まさかそんな由来だったとは!
改装ではこれまで個室風の囲いがあったのを取り払い、一人でも入りやすいようにカウンターを設置。カウンターにはわざと木の古材を使い、その背面にはボトルやグラスを並べ、お洒落な雰囲気に。椅子席の正面には大きな窓が広がり(窓枠には南足柄の工房から譲り受けた鹿の角も!)、小田原駅まで見渡せる眺望はなかなかのもの。

一見、隠れ家風ですが、店内に入ってみると開放的で、気さくな武井さんと智子さん夫妻やスタッフが迎え入れてくれて、家族的な雰囲気も味わえます。
ぜひ一人でも、誰かと一緒にでも、立ち寄ってみてください。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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