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食通たちをも唸らせた個性あふれるジビエ料理が勢ぞろい「第7回ジビエ料理コンテスト」結果発表!

シカ イノシシ レシピ
2023.02.04

一般社団法人 日本ジビエ振興協会は2022年12月21日に、「第7回ジビエ料理コンテスト」の受賞者発表イベントを行いました。今回は、そのイベントの様子をレポートします。

プロと一般・学生がオリジナルジビエ料理を発表!

本コンテストは農林水産省「令和4年度 鳥獣利活用推進支援事業(利活用推進)」の一環で実施され、親しみやすいレシピの開発により、ジビエの流通・販売量を増やすことを目指しています。

レシピは「プロ部門」「一般・学生部門」の2部門で募集。「プロ部門」は飲食店などで調理に携わる人や料理研究家などから、「一般・学生部門」はジビエに関心のある一般・学生から、それぞれ募りました。第7回となる今回の応募総数は、プロ部門が99作品、一般・学生部門が121作品、計220作品でした。

レシピのテーマは「国産の鹿肉または猪肉を使用し(両方使用も可)、多くの人々に安全で美味しく提供できる、郷土の食材とジビエを融合させた料理」です。ほかにも「4人前の主食あるいは主菜として成り立つ料理でオリジナルかつ未発表のレシピであること」「和・洋・中のジャンルは問わず、応募数の制限もしない」「入賞者は、レシピの公開を必須とする」など、いくつかの応募条件が課せられました。

また、審査は一次と二次の2回実施。まず、一次でレシピの書類審査を行い、上位レシピを絞り込みました。二次は、レシピどおりに再現した料理を実食審査。この実食審査では、応募者からの作品PRビデオレターも放映され、審査員はそれを視聴しながら採点を行いました。

審査員も思わず感嘆! 注目の受賞レシピ2品

受賞作品はどれも個性あふれる魅力的で素晴らしい料理ばかり。その中から注目の2品をピックアップ! 受賞者と審査員それぞれのコメントも併せてご紹介します。

猪肉と北海道の食材がマリアージュ!

■ プロ部門【農林水産大臣賞】「イノシシバラ肉のハスカップワイン煮とそのパイ包み 北の野菜と共に」

北海道特産のジャガイモ「きたあかり」やハスカップ(※果実の一種)のワインと、猪肉を組み合わせたレシピ。猪肉とシイタケ、大根が層になって香ばしいパイ生地に包まれています。ハスカップワインを使用したソースの甘酸っぱい香りが食欲をそそるメニューです。

受賞者・斉藤 大樹さん(東京會舘)
「私は北海道出身で、猪は触ったことも食べたこともない初めての食材だったので、今回あえて選びました。さまざまな部位を食べ比べ、最も美味しいと感じたバラ肉を使うことにしました。猪肉は栄養価が高いので、これから私たちの食卓に並べることができればよいなと思います。 このコンクールで猪肉という食材に出会うことができ、感謝しています」

審査委員長・田崎 真也さん(ソムリエ)
「ハスカップワインを使って猪肉を煮込み、パイ包みにしています。ハスカップの酸味と香りが、猪肉の風味を非常に引き立てており、さわやかな余韻を与え、上品な味わいに仕上がっていました。料理の完成度が非常に高かったです」

味全体のバランスに審査員も思わず頷いた一品!

■ 一般・学生部門【農林水産大臣賞】「シューファルシー 鹿肉のロールキャベツ」

家庭料理として馴染み深いロールキャベツを鹿肉でいただきます。肉とキャベツがきれいな渦巻き状になっていて、見た目も楽しいメニューです。スープ仕立てにすることで鹿肉がしっとりと仕上がり、野菜も美味しくたくさん食べられます。

受賞者・立松 千佳さん(梅花女子大学)
「この料理でこだわったのは、大きめに切ったシイタケを肉に加えて食感のアクセントを大切にしたことと、キャベツの芯やシイタケの軸も刻んで混ぜ込むことで食材を余すことなく利用したことです。親しみやすい料理をとおして、ジビエが普段の生活に根付いてくれることを願っています」

審査委員長・田崎 真也さん(ソムリエ)
「ほとんどの審査員がひと口食べた瞬間に顔を見合わせて頷いたほど、素晴らしい料理でした。一般的に、鹿肉にクリームを使ったソースを添えるという発想はプロの料理人にはあまりありませんが、味全体のバランスが非常によかったです。レストランで提供しても、十分に評価される料理でした」

今回のコンテストの受賞メニューは、全12品。詳細は、日本ジビエ振興協会の公式サイトで公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

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