ジビエを知る

ジビエとSDGs

1. ジビエを食べることでSDGsに
貢献できるってホント?

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

皆さんは、このロゴに見覚えがありますか? これはSDGsのシンボルマークです。新聞やテレビ、交通機関、学校の教科書、Webサイト等、私たちの身近なところで見つけることができます。

SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals〔持続可能な開発目標〕)は、国際連合で採択された2030年までに地球と人類が目指すべき17の目標です。私たちがSDGsに貢献できることとして、「エコバッグやマイボトルを持ち歩く」「節電や節水を心がける」といった取り組みのほかにもいろいろな取り組みが考えられますよね。

ところで、“自然の恵みである野生鳥獣のお肉、ジビエをおいしくいただくことがSDGsに貢献できる”って皆さんご存知ですか?

ジビエに関わるSDGsの目標 ジビエに関わるSDGsの目標

ここに注目!

いま、ジビエはグルメとして脚光を浴びる一方、農作物の被害防止の面からも注目されているんです。捕獲した野生鳥獣を「害獣」として処分するのではなく、食材として利用すること、皮革等その他の部分も無駄なく活用することは、廃棄物を減らすことができて、食料確保にもつながります。まさに、SDGs目標の『2.飢餓をゼロに』や『12.つくる責任・つかう責任』、『15.陸の豊かさも守ろう』等に貢献できるんです!

2. ジビエ消費を増やして
美しい農村を守ろう!

現在、日本では鹿や猪等が増えすぎてしまい、農林業や自然環境にとって大きな問題となっています。主な農村の被害例としては、農作物が食べられたり、田畑が荒らされたりするほか、森林での樹皮の剥皮(はくひ)や希少植物の食害、車両との接触や衝突事故等、地域社会に深刻な被害をもたらしています。

その結果、農村の営農意欲の低下や耕作放棄地の増加をもたらし、さらなる鹿や猪等の住処(すみか)の拡大に繋がっています。現在、全国の農作物の被害は、地域ぐるみの環境整備や、防除柵の設置、捕獲体制の強化等の結果 、ピーク時の239億円(平成22年度)から161億円(令和2年度)まで減少しましたが、被害額として数字に表れる以上に農村に深刻な影響を及ぼしており、今後も継続的に捕獲していく必要があります。

農作物被害額の推移

農作物被害額の推移 農作物被害額の推移

地域での野生鳥獣被害に対する対策の効果などもあり、徐々に被害額は減少していますが、依然として高い金額で推移しており、今後もその対策などが重要となります。

出典: 農林水産省 農村振興局 農村環境課 鳥獣対策室「捕獲鳥獣のジビエを利用を巡る最近の状況」より

イノシシとシカの捕獲頭数推移

イノシシとシカの捕獲頭数推移 イノシシとシカの捕獲頭数推移

出典: 農林水産省 農村振興局 農村環境課 鳥獣対策室「捕獲鳥獣のジビエを利用を巡る最近の状況」より

しかし、捕獲した野生鳥獣を埋設・焼却するための労力や処理費用も、捕獲者や地方自治体の負担となっています。このため、被害防止対策のために捕獲を進めるだけでなく、これらの捕獲した野生鳥獣を地域資源としてとらえ、ジビエとして利用することで農山村の所得に変えるような取り組みを全国に広げていくことが重要となっています。

また、野生鳥獣の食肉利用を進めるため、「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」が定められ、指針に沿った食肉処理施設の整備、高い基準に基づき衛生管理を徹底している施設を認証する仕組みが設けられる等、より安全性の高いジビエを提供する取り組みも進められています。

しかしながら、捕獲されている鹿や猪のうち食肉として流通しているのは、全体の約1割にすぎません(ハンターによる自家消費を除く)。

令和2(2020)年度に処理されたジビエ利⽤量は、1,810トンとなり、平成28(2016)年度と比べると、1.4倍に増加しています。農林水産省では、令和7(2025)年度のジビエ利用量目標を4,000トンとしています。

ここに注目!

そのためにも、皆さんにジビエについてもっと知ってもらって食べて欲しい! ジビエの消費拡大は、命を無駄にすることなく、地域と都市部、人と自然がつながるサステナブルな循環型経済の創出にもつながっていくことが期待されているんです。

ジビエの利用頭数の推移

ジビエの利用頭数の推移 ジビエの利用頭数の推移

ジビエ利用量の推移

ジビエ利用量の推移 ジビエ利用量の推移

資料:農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査」、環境省「狩猟及び有害捕獲等による主な鳥獣の捕獲数」を基に農林水産省作成
 注:捕獲数は、令和元(2019)年度は令和2(2020)年9月時点の速報値(環境省調査)

出典: 農林水産省『食料・農業・農村白書』(令和2年度(令和3年5月25日公表))

3. 捕獲した野生鳥獣の
利活用の事例

ジビエとしての利活用は、鳥獣被害に苦しむ日本の農山村を元気づけ、地域の活性化や、様々な地域課題の解決(=SDGsの貢献)につながると期待されます。この章では、捕獲した野生鳥獣をジビエ等に利活用した事例を紹介します。

01|飲食店や家庭で、ジビエとしていただく

02|学校給食や農泊によりジビエを学ぶ・知る

03|ペットフードとして利用

04|皮革や角等の利用

ジビエ皮革を使った靴や財布等、革製品の製造・販売

05|動物園で屠体給餌(とたいきゅうじ)として利用

4. ジビエをもっと身近に、手軽に!

ここまで見てきたとおり、いま全国各地では捕獲鳥獣をジビエとして外食・小売、学校給食、農泊・観光で提供するほか、ペットフードや皮革に至るまで、様々な分野に広がりを見せており、「地域の特産品」として活用する取り組みも始まっています。

「どこで食べられるんだろう?」、「美味しいのかな?」というイメージのあったジビエですが、全国各地でジビエ料理が食べられる飲食店が増えてきています。手軽に食べられるハンバーガーのお肉がジビエだったり、お店でジビエレトルト商品が販売されていたり、ECサイトでも様々なジビエ商品を買うこともできます。
また、ジビエはグルメな人たちを発信源に、美味しさだけに注目が注がれているだけではなく、健康志向の人たちからも、その優れた栄養価に注目が注がれています。

参照: ジビエを食べると嬉しいこと

5. 食べて、使って
SDGsに貢献しませんか?

SDGsは、持続可能な社会へ向け、今、待ったなしにその目標を達成するため努力することが求められています。

捕獲した野生鳥獣の利活用が進む中、消費者である私たちにできること。それは私たちが大切な命をいただいていることを決して忘れず、ジビエを普段の食事に取り入れたり、旅先でジビエを楽しんだりと、常に感謝の念を持ちながら、余すことなくジビエをおいしくいただくことではないでしょうか!また、ペットを飼っている方はジビエペットフードを選んでみたり、鞄や名刺入れ等を買い換えようと考えている方は、獣革の製品を積極的に選択することも、私たちにできることのひとつですよね。

命を無駄にしない、サステナブルな取り組み 命を無駄にしない、サステナブルな取り組み

こうした積み重ねでジビエ等の消費量が増えれば、これまで廃棄されてきた捕獲鳥獣を地域の宝に変えることができ、厄介者であった野生鳥獣を「マイナス」の存在から「プラス」の存在に変えることができるのです。

「マイナス」の存在から「プラス」の存在に! 「マイナス」の存在から「プラス」の存在に!

人と野生鳥獣が共存するサステナブル(持続可能)な社会の実現を目指す。少しでもSDGsに参加したい気持ちになった人が、具体的に行動を始めていく最初のステップとして、まずはやれることから始める。
これこそが『My SDGs』です。噛むほどに味わい深く、自然の恵みあふれるジビエや、その製品を楽しむことが世の中を幸せにできる。これって、ちょっと素敵だと思いませんか?