世界初のポルシェ公認イタリアンレストランで味わう至極ジビエ「The Momentum by Porsche」東京都港区

オンからオフへと優雅にいざなう大人が集うレストラン

20年ほど前に13棟の大きな超高層オフィスビルが建設され、周辺には五つ星ホテルやレストランも数多くオープンした、幅広いアクセスが魅力の汐留エリア。

なかでも都会的なエリア一角にある、ラグジュアリーなイタリアンレストラン「The Momentum by Porsche」は、まさに”本質・本物を知る大人の空間”。コース料理では、生産者の想いを乗せた、個性溢れるジビエ料理がいただけます。

汐留駅から徒歩1分、新橋駅から徒歩3分。超高層オフィスビル「汐留シティセンター」の1階に、ポルシェのショールームと隣接して店を構える「The Momentum by Porsche」は、2022年にリニューアルオープンしました。ラグジュアリーな空間と料理を提供するレストランとして生まれ変わるべく就任した総料理長の林 祐司（はやし ゆうじ）シェフ。インテリア、BGM、テーブルウェアに至るまで、林シェフがすべてをプロデュースし、究極の食空間を提供しています。

店内に入ると、思わず息をのむインテリアの数々。なかでも目を惹く、天井に掲げられたポルシェのミニカーで彩られる照明は、圧巻の一言です。

「The Momentum by Porsche」でジビエ料理を創作し続ける理由

総料理長の林シェフは、意外にも牛丼とコーラがあればよいというほど料理に関心がないサッカー少年だったそうです。生きていくには衣食住のいずれかの道に進むことだと漠然と考えていた頃、カジュアルレストランで食べたライスコロッケが、料理の道に進むきっかけになったと言います。時は、サッカーワールドカップ、イタリア開催。サッカー少年だった林シェフは、イタリアンの世界へと足を踏み入れました。

調理専門学校卒業後、大阪の料理店で働いたのち、本場のイタリア郷土料理を学ぶため渡伊。帰国後は林シェフとして腕を振るう傍ら、日本イタリア料理協会会員として、地方へイタリア料理のレクチャーにいくこともある林シェフ。そんな中、近年では猪だけではなく、鹿も田畑を食い荒らし、農産物への被害が深刻になっていることや、農家の後継ぎ問題など地方の悩みを知ったそうです。

「The Momentum by Porsche」でジビエ料理を提供することは、鳥獣被害解消につながり、さらに都心のポルシェ公認レストランが地方の生産者から食材を仕入れることは、地方に住む若者たちの農業へのプライドにつながると考えた林シェフ。

林シェフ自らが各地に足を運び、味を確かめた安全安心な食材が使われたジビエ料理は、本場イタリアの郷土料理を見事に昇華させたものとなっています。

本州鹿と生ハムの絶妙なハーモニーを味わうひと皿

林シェフが織り成すジビエ料理の一品目は、柔らかく滑らかな食感が特徴の本州鹿を使用した「本州鹿ロースのスペックロースト～エスプレッソとカシスのソース」。鹿肉を塩とハーブに漬け込み、燻製にしたのち、じっくりと熟成させた燻製生ハム「スペック」を巻くことで、味わいのバランスを整えます。

フライパンで軽く表面を焼き、旬の付け合わせ野菜とともにオーブンで仕上げていきます。芯温や肉の弾力を見ながら慎重に焼き上げる林シェフ。料理を引き立てる美しいプレートの中心に主役が置かれ、サイドにバランスよく野菜が並びます。ゆっくりと丁寧に煮込んだカシスのソースで仕上げたメインの完成です。

料理とともに、ぜひとも楽しみたいのがワイン。山根 拓也（やまね たくや）ソムリエに今回のメイン料理とのペアリングにおすすめのワインを伺うと、南フランス・ローヌ地方原産のブドウ品種シラーだそう。タンニンが柔らかく、花やブラックベリーの香りがし、肉に負けないフルボディの赤ワイン。

「The Momentum by Porsche」では、世界各地のワインが揃っているので、山根ソムリエに相談して、料理を引き立てる最高のワインとの出会いも楽しむことができます。

郷土料理からインスパイアされた独創的な猪肉のパスタ料理

続いて、猪肉を使用した「木更津猪のラビオリ～すっぽんのコンソメ」。イタリア北部、ロンバルディア州のサスティナブルな郷土料理からインスパイアされたそう。

ラビオリには猪肉を詰め、鶏の代わりに鹿の骨やスジから煮出したブロードと、寒い冬を越すための滋養強壮としてスッポンのコンソメを併せたものを使用し、透明なスープパスタに仕上げます。ビーツ・スッポンエキス・赤ワインで作られた濃厚なソースを添えて完成。

高級レストランのひと皿にふさわしい、上品で美しく、かつジビエの隅々まで使用した環境にもやさしいパスタ料理となっています。

今回紹介した二品に使用した鹿肉と猪肉は、いずれも木更津産。ジビエは鮮度が一番なので、その時々で最善の場所から仕入れているとのこと。

「The Momentum by Porsche」では、訪れたお客様に優雅な時間を過ごしてもらうため、コース料理のみの提供となっており、今回紹介した料理は、Cena Speciale（全11品）16,500円（税込み）のコースの一品（もしくは他コース＋3,300円）として味わえます。新鮮な食材を使用するため、仕入れ状況によっては提供できないこともあるそう。ご予約の際は、事前に電話で確認してみてください。

未来へと繋がるジビエ料理を提供し続けたい

古くからのジビエの歴史が刻まれる北イタリアで修行を積んでいた林シェフにとって、ジビエは身近な食材であったと言います。

「ジビエを活かした製品開発や料理教室のオファーを受けて地方へ行くと、固い、臭いなどのイメージを持たれていることを感じます。その原因の一つとして、きっちりとした処理施設を通していないことが多かった。最近は、国のキャンペーンなどもあり、たくさんのレストランがジビエに力を入れていて、またその調理基準も確立されてきたと思います」

捨てずに命あるものをちゃんといただく。未来に繋がるための食とレストランを考えると、ジビエは切っても切れないテーマであり、サスティナブルに繋がると信じていると林シェフは教えてくれました。