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近畿の山が育てた猪肉の旨味を『はりはり鍋』で味わう「プリンセスキッチン」兵庫県川辺郡猪名川町

兵庫県 イノシシ
2026.03.04

町域の約8割を森林が占め、季節ごとに穏やかな表情を見せる兵庫県川辺郡猪名川町。そんな里山の景色に包まれた場所に「プリンセスキッチン」はあります。大阪市内から車でおよそ1時間、中国自動車道・川西IC(インターチェンジ)出口からは20分ほどで到着します。

主要道路からアクセスしやすく、道中の自然を楽しみながら訪れられます。

アンティーク調の調度品が彩る邸宅風レストラン「プリンセスキッチン」

「プリンセスキッチン」は、白を基調とした洋館風の外観が印象的なレストランです。1階が店舗、2階が住居となっており、まるで誰かの邸宅に招かれたかのような、落ち着いた雰囲気を感じさせてくれます。

店内にはアンティーク調の家具や調度品が並び、洋館ならではの高級感と温かみがほどよく溶け合った空間が広がります。そんな都会の忙しさを忘れられる空間で、ジビエのコース料理が提供されています。

関西の伝統料理『はりはり鍋』を山鯨(猪)で味わう

コース料理で提供される猪肉には、和歌山県産を中心に、近畿圏内のものが使用されています。「猪のはりはり鍋」、または「猪のハンバーグステーキ」のどちらかのコース(ランチ/4,000円・税込、ディナー/5,000円・税込)で猪肉を味わえます。

「はりはり鍋」は、水菜のシャキッとした歯ごたえが魅力の大阪・千日前の鯨料理店『徳家』が発祥とされる郷土料理です。本来は鯨肉と水菜を出汁で軽く煮て食べる料理ですが、現代では豚肉など、他の肉で代用されることも増えています。「プリンセスキッチン」は、その「はりはり鍋」を山鯨(猪)で味わえる数少ないお店です。

今回いただいた「はりはり鍋」は、カツオの香りがふわりと立ち上がり、主役の猪肉は柔らかく、噛むほどに旨味が口の中でじんわり広がります。

オリジナルブレンド出汁に猪肉の深いコクが溶け込み、それらがしみ込んだ豆腐にも箸が止まりません。

全体的に、あっさりしているのに旨味の層に深みがあり、体に染みわたる味わいです。水菜のシャキシャキ感とも相性が抜群でした。

最後は、出汁の旨味を生かしたきしめんで締めくくります。猪肉の存在感をしっかり残しつつ、野菜の新鮮さを邪魔しない絶妙なバランス。満足感のあるコースでした。

メイン料理を待つあいだには、すべて手作りの前菜も提供されます。その内容は季節の野菜を中心に、来店する方の年齢や好みに合わせて、4種盛りの内容を少しずつ変えるこだわりぶりです。今回は、猪名川町の名産品をふんだんに盛り込んだ「地元を味わう前菜」が用意されていました。メインの鍋を食べる前から、猪名川町の温かさや豊かさを堪能できる一皿です。

そのほか猪名川町産の烏骨鶏卵をはじめ、厳選した素材を使った「佐保姫プリン」(480円・税込)も「プリンセスキッチン」の人気商品です。お土産として購入されることの多いプリンですが、コース料理のデザートとしても味わうことができます。

里山で育まれる「命を循環させる」ジビエの取り組み

食後に農作物被害(獣害)と、捕獲個体の利活用についても話を伺いました。「収穫間際には獣害が多く発生するので、農家の人にとっても死活問題です。里山では、猪や鹿による農作物被害が深刻で、電気柵なしでは作物が育たないほどです」と、語ってくれたのは、オーナーの廣島(ひろしま)さんです。
「適切に捕獲・処理された個体は、美味しいジビエとしていただくことができます。里山でレストランを営む私たちは、そうした場所で捕獲された野生動物をジビエ料理として提供することも大切な役割だと考えています」

「料理人ならではの工夫で、ジビエが苦手な方にも食べやすい調理法を追求し、滋養豊かな山の恵みを楽しんでいただければ嬉しく思います。また、ジビエの利用は、農閑期の収入確保や猟師の育成にもつながり、地域の持続的な循環を支える力にもなります」

廣島さんは、地域の鳥獣被害問題を地域資源へ変える取り組みを語ってくれました。

「プリンセスキッチン」では、里山の自然と共に生きるため、そして捕獲された命を無駄にしないために、ジビエをおいしく、正しく活かす取り組みが続けられています。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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