国民食といってもいい“カレー”に、農作物被害対策のため捕獲された鹿の肉を活用すれば、農業従事者として有意義な活動ができるはず…。その思いのもと、「美作(みまさか)の国 鹿肉薬膳カレー」を開発したのは、岡山県美作市にある養鶏場「ウッディライフ どんぐり農園」(以下、ウッディライフ)のオーナー・織田 忠宣(おだ ただよし)さんです。
薬膳カレーに使用しているジビエは、美作市の食肉処理施設「地美恵の郷(じびえのさと) みまさか」の鹿肉。農作物被害対策として捕獲された猪や鹿を、地域資源として有効活用するため、年間2000頭以上の処理が可能な大規模食肉処理施設が2013年に整備されました。その後もこの施設では、全国でも有数のジビエの取扱量を誇るとともに、2021年には衛生管理や流通規格の遵守等が認められ、国産ジビエ認証施設となりました。
薬膳料理研究家監修による、鹿肉×国産鶏の絶品カレー
美作市大内谷にある老舗の養鶏場「ウッディライフ」は、約65年間、開放鶏舎での安全・安心にこだわった美味しい卵や鶏肉をはじめ、野菜や特別栽培米などを生産し続けています。
それにしても養鶏のプロの織田さんが、なぜカレーを作ることが農業従事者としての有意義な活動になると思ったのでしょう?
「田畑の鳥獣被害対策で捕獲した鹿を捨てずに食品に生かす方法はないものか? それができれば地域資源の有効活用ができると考えました」と織田さん。
「美作では、もともと鹿肉を食べる習慣がありませんでしたが、カレーにすれば誰にでも食べてもらえると思ったのです。捕獲した鹿の肉を食品に循環でき、しかもカレーには白いご飯が必要なので、米の消費にも少なからず寄与できます。そして、自社の鶏肉も活用できるから一石三鳥(笑)。そこで、著名な薬膳料理研究家の方と一緒に2種の『美作の国 鹿肉薬膳カレー』を開発しました」
試行錯誤を繰り返すなか、美作エリアにある湯の郷温泉の旅館の女将さんや、市役所の職員たちによる試食の結果を踏まえ味を完成。発売から2年で約2万食を売り上げ、現在もたいへん好調とのこと。
さて、その薬膳カレーですが、「鹿肉と鶏もみじの薬膳キーマカレー」「薬膳鹿肉黒カレー」の2種類あります。
「キーマカレー」は、玉ネギやニンニク、チャツネ、ウコン、生姜、唐辛子といったさまざまなスパイスを、時間をかけて炒めて香りを出し、トマト、バター、カシューナッツでコクを出します。そこに鹿肉、ウッディライフで飼育されている希少な国産鶏「もみじ」のモモ肉とムネ肉の合挽き肉を加えます。鶏肉は深い味わいをプラスするために使用しています。
鹿肉のクセはほとんど感じられないほど、なめらかで洗練された味に仕上がりました。深い味わいがポイントになり、ご飯がどんどん進みます。たくさんのスパイスを配合しているせいか体がホカホカに。エスニックテイストが強いので、若い世代に人気だそう。
一方の「黒カレー」は、小麦粉、牛脂、スパイスを焙煎しているので、色がダーク。国産の玉ネギとリンゴが甘味をプラスしていて、子供からお年寄りまで幅広い人気があります。鹿肉の角切りに、「もみじ」のムネ肉のミンチで濃厚なコクと旨味を加えています。ゴロッとした肉が入っているので、キーマカレーよりも鹿肉感があるとてもボリューミーな一皿。
アレンジが自由自在! カレーライス以外にも楽しめる
レトルトパウチなので、湯煎するだけ。カレーをそのまま食べても美味しいのですが、ハチミツ、ヨーグルト、味噌、マヨネーズなどを加えて、味変もおすすめです。
蒸しパンの中にカレーソースを挟めば、おやつにもなります。「キーマカレー」はクラッカーにプチトマトとチーズと一緒にのせてオードブルに。「黒カレー」は、赤ワインを足してパスタなども入れたスープにしてもよさそう。
1袋180グラム、各1個入りのセットは2,500円(税込)。
各2個入り・計4個セット(3,880円・税込)や各3個入り・計6個セット(5,380円・税込)もあります。パッケージもスタイリッシュなので、贈り物にしても喜ばれそうですね。
「どちらの商品もうま味調味料などは使用していません。幅広い年齢層の方々に、もっと美作のジビエを堪能していただきたいですね」と織田さんは、未来の展望を語ってくれました。
手軽に味わえて体に優しい薬膳ジビエカレーをお取り寄せして、美作の鹿肉を味わってみては?
ウッディライフ どんぐり農園
- 住所:岡山県美作市大内谷139
- TEL:0120-85-2045
- 営業時間:9:00〜17:00
- 定休日:土・日曜、祝日
- ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
- 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。