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食材にこだわる絶品ジビエ中華で、身体と心の贅沢時間を過ごす「南青山Essence(エッセンス)」東京都港区

東京都 中華 煮込み その他ジビエ
2024.09.30

ハイブランドの旗艦店や流行の最先端のお店が集まり、いつでも新たな刺激に感性が磨かれる街、東京都港区南青山。五感を刺激するこの街に、「身体と心を癒すこだわりの中華料理」を提供するレストラン「南青山Essence(エッセンス)」があります。

本質を意味する英単語「Essence」の店名のとおり、このお店では、食材が本来持つ味を活かす調理や、新鮮で安全な食材を使うことに真剣に向き合ってきました。野菜は、栃木県の自家農園のものを使い、魚や肉もよく知っている生産者の方や市場から新鮮なものを取り寄せ、扱っています。

ここまで「南青山Essence」が食材に重きを置く理由は、薬膳の「天人(てんじん)合一(ごういつ)」の考え方を取り入れているためです。「天人合一」は、自然界の変化に応じて生きることが養生につながるという薬膳の根本にある考え方。この考え方に則り、季節の旬の食材を食べることが、健康な生活を送る第一歩だと考えています。

そう語るのは、「南青山Essence」のシェフ、薮崎 友宏(やぶざき ともひろ)さん。横浜中華街の「菜香新館」で修業を積み、中華料理調理技能士試験、国際薬膳調理師に合格。「菜香新館」の立川店、「菜香グランデュオ立川店」での料理長を経て、「南青山Essence」を立ち上げました。今回は、薮崎さんに「南青山Essence」のこだわりやジビエ料理について、お話を伺いました。

広がるジビエの可能性。日本へつなぐ広東料理の伝統

普段から一般的に親しまれている中華料理。薮崎シェフが中華料理とジビエを掛け合わせたきっかけは、鳥獣被害を耳にしたことだったそうです。

「もともと、食材を作る生産者の方から鳥獣被害について話を伺っていました。ただ捕まえて、処分してしまうということも多かったので、どうにか利用できないかとは以前から考えていましたね。
また、僕の中華料理のベースの広東料理では、昔から野味(イエメイ)という野生動物を食べる文化があるんです。若い頃に、中国で野味(イエメイ)を食べた経験があって。その経験と世間のジビエブームが繋がり、ジビエメニューを取り扱うことに決めました」

薮崎さんは、食品産業との連携から、地域の食材の普及や食文化の発展に貢献したことが認められ、農林水産省より「料理マスターズ」も授与されています。食材の持つ魅力と誇りを信じ、生産者の方とも積極的に交流を行うことで、早くから鳥獣被害の情報を取り入れていたのです。今回ご紹介する料理のジビエ生産者とも、人からの紹介で巡り合えた方々だそう。

レアジビエが主役。岐阜県産ハクビシンとアナグマで味わう至福の中華

今回、「南青山Essence」でご紹介いただいたジビエ料理は、二品。
まずは、「岐阜県産ハクビシンの柱侯醬(チュウコウジャン)煮込み」(2,800円・税込)をご紹介します。
ハクビシンは、ジビエでもなかなかのレアもの。日本ではマイナーですが、実は広東料理では高級食材とされており、ジビエの中で一番美味しいと評する人もいるほどだそうです。

都会でも見かけることのあるハクビシンですが、「南青山Essence」が仕入れている岐阜県揖斐(いび)郡池田町のものとは味がまったく異なります。その理由はハクビシンが食べているもの。都会のハクビシンは、人間が捨てたものを食べることもあり、添加物が体内に入ることで臭みが気になるようになります。しかし、岐阜県のハクビシンは天然の果物や木の実を多く食べていて、臭みがないそうです。

ハクビシンのお肉は、歯応えがあり、噛むほどに旨みが出る特徴があります。季節によって肉の脂の量が変わり、時期によって異なる味わいが楽しめるのも魅力のひとつ。広東料理で使われる香味味噌である柱侯醬(チュウコウジャン)がお肉やきのこに絡み、白ご飯が食べたくなるようなしっかりとした味わいです。また、パクチーと一緒に食べると、口の中にさわやかな香りが広がり、味の変化をつけた楽しみ方もできます。

次は、「岐阜県産アナグマのクミン炒め」(2,800円・税込)です。
アナグマは、洋食店での取り扱いも見られ、馴染みのある方もいるかもしれません。薮崎さんは、洋食店で食べられるものではなく、「南青山Essence」だから出せるものとして、中華らしい味付けをクミン炒めで表現しています。

クミンはクミンシードを使用しているため、口の中で種を噛み砕くと、香りが一気に広がります。薮崎さんは、脂が美味しく、繊細な味が魅力的なアナグマの肉の良さを生かすため、シンプルな味つけを心がけました。食材が本来持っている旨みを活かしたいという薮崎さんが大事にしている信念を、特に感じられる一品です。

ワインのプロが選ぶ、中華とジビエを引き立てる珠玉のペアリング

「南青山Essence」は、「身体と心を癒すこだわりの中華料理」も強みですが、実はワインにも力を入れています。薮崎さん、店長の須藤 裕二(すどう ゆうじ)さん、お二人ともソムリエの資格を持っており、食事に合うワインの相談も可能です。

今回、「岐阜県産ハクビシンの柱侯醬(チュウコウジャン)煮込み」に合うワインは、赤ワインのドメーヌ・ド・サン・ポール シャトーヌフ・デュ・パプをご紹介いただきました。シラーのしっかりとした重さのある味わいは、柱侯醬(チュウコウジャン)の味に負けず、食事ワインとしてぴったりです。そして、グルナッシュのスパイス感や果実味は、柱侯醬(チュウコウジャン)の味わいとも絶妙なハーモニーを奏でることでしょう。

次に、「岐阜県産アナグマのクミン炒め」は、サイレーナスのシャルドネをおすすめしていただきました。さわやかな口当たりやシュールリー製法で生まれたコクのある深い味わいは、アナグマ肉の繊細な味と共存し、美味しさを引き立ててくれます。クミンの香りと、ワインのほのかな酸味とまろやかなテクスチャーが織り成すマリアージュを、心ゆくまで楽しめる組み合わせです。

身体と心を癒すためのこだわりがたくさん見えた「南青山Essence」。ぜひ、ジビエ料理やワインとの味覚の共演を楽しみ、身体も心も癒される時間を過ごしてみてください。

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