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店主もハンター!地元産の鹿肉を使った人気の麻婆豆腐「北京館」神奈川県秦野市

神奈川県 中華 煮込み シカ レトルト
2024.02.26

神奈川県北部、丹沢山地の麓に位置し、市域の半分は山林の自然豊かな秦野市。県内唯一の盆地である秦野盆地は、豊富な地下水が湧出しており、名水百選の一つに指定されています。

神奈川県産のジビエの供給地の一つであり、「秦野ジビエ」を展開している秦野市で、鹿肉の麻婆豆腐を提供しているのが、1971年創業の北京館。代表取締役・三浦義政さんのお父様が開業し、真っ赤で中国風の外観がインパクトあるこのお店、地元では「お祝い事や宴会といえば北京館」といわれるくらい親しまれています。

しかも三浦さん自身が西秦野猟友会の事務局を務めており、捕獲の段階からジビエに関わっているプロフェッショナル。ジビエに対する思いも、ひとかたならぬものがあるようです。

父親の跡を継いで猟友会のメンバーに

三浦さんが狩猟を始めたのは、猟友会のメンバーだった三浦さんのお父様が2009年に亡くなった時に、会員たちに誘われたのがきっかけ。11月15日~2月15日の狩猟期間は趣味で、それ以外の期間は有害鳥獣駆除隊員として県などの要請を受けて狩りに出ます。また農家が仕かけた罠にかかった獣を、依頼されて止め刺しすることもあります。

しかし獲れる個体が次第に増えていき、店のメニューで提供したいと思っていたところ、2021年に市が食肉処理加工施設と提携し、肉を仕入れられるようになったので実現することになりました」

鹿肉の麻婆豆腐は赤身で栄養が豊富なので女性にもお薦め

メニューは日本人になじみ深い中華料理の代表格・麻婆豆腐にしました。

「秦野鹿肉麻婆豆腐」として1,580円(税込)、ライス、サラダ、ザーサイ、杏仁豆腐が付いた定食も1,980円(税込)で提供しています。

「もともとうちの名物が、秦野産門倉ポークを使用した『秦野名水極味麻婆豆腐』なので、鹿肉でもやってみようと思いまして。挽肉にすることは、自分の家でもハンバーグにして食べたりしていたので抵抗はありませんでした。ただ挽肉にしても、ジビエ特有の臭みはややあります。それが甜面醬やショウガが入ることで消えて、食べてみたら美味しかったのでメニュー化することに決めました」

豚肉の麻婆豆腐とはどんな違いがあるのでしょう。
「味付けは全く同じなので、食べ比べていただくと違いが分かると思いますが、肉質が全然違います。豚肉は脂身が多いのに対し、鹿肉は赤身であっさりしている。『高たんぱく、低カロリー、鉄分豊富なので』と女性にもおすすめしています。『臭いんじゃないの?』って言われますけど、食べてみると『全然臭くなくて美味しいです』と言う方が多いですね」

いただいてみると、挽肉がいっぱい入っていて、存在感があります。けれど三浦さんが言うように、脂身が少ないので、しっかり肉を味わえます。普段食べている麻婆豆腐以上に、深みのある味わいになっているようです。唐辛子や花椒などが効いていて、後から口の中がホッホとなる辛さ。でも次から次へとスプーンを口に運びたくなる辛さで、麻婆豆腐とご飯の無限ループに陥ります。辛さは1辛から5辛まで選べるので、自分に合う辛さを探してください。

神奈川・秦野の美味しさを一つのメニューで味わえる!

三浦さんは地産地消にもこだわっています。

「豆腐は市内の豆腐屋さんの秦野名水手作り豆腐を使っていますし、定食についてくるサラダのベビーリーフなども、市内の井戸水を汲み上げた水耕栽培の野菜を使っています。鹿肉も地元の加工施設から取り寄せたものを使っているので、この一つのメニューで秦野の美味しさを味わっていただけます」

また三浦さんが麻婆豆腐にこだわったのには、もう一つ大きな理由がありました。

「挽肉なら手頃な値段で手に入るんですよね。これがヒレ肉などを使うと、一気に高いメニューになってしまうけど、うちのような店では手軽にジビエを味わっていただきたいし、それでジビエに関心を持ってくれる人が増えればいいので。これが他の地域だと、県内でも輸送費がかかります。けれどうちは、電話をすればどの加工施設にどのくらい在庫があるかわかって、すぐに手に入るから、メニューもその分、安くできるんです」

市外の人がお土産に出来るジビエのレトルトも開発

鹿肉麻婆豆腐はお客さんの評判も上々のようです。

「フリーペーパーに出た時は、連日大勢のお客さんが来て、鹿肉の麻婆豆腐を注文していきましたね。やはり珍しいものを手軽に食べてみたい気持ちは、誰にでもあるんでしょう。豚肉の麻婆豆腐と鹿肉の麻婆豆腐、どちらも提供していますが、最初の頃は注文の割合が、豚:鹿で9:1くらいだったのが、今では7:3くらいになってきて、だいぶ浸透してきた感じはあります」

2023年10月には、鹿肉麻婆豆腐のレトルトも発売しました。

「2022年に開通した第二東名のサービスエリアやゴルフ場で、市外の人に販売したいというのがあって。最初は豚肉の麻婆豆腐を考えていたんですけど、よく考えたら豚肉のレトルトは世の中にいっぱいある。でも丹沢の鹿肉なら、観光客の人もお土産にしたくなるんじゃないかと思いまして。レトルトにするには100度以上の殺菌でパウチするので、どうしても味が変わってしまうんです。最初はまあるい味になってしまってパンチが無かったので、調味料の配合を変えたり試行錯誤して、3回目で納得のいく味になりました。店で食べるのと同じように味わっていただければと思っています」

レトルトは北京館の店舗と、秦野市内の名産品センター。万葉の湯、じばさんずで販売しています。

猟師として、もらった命を無駄にしたくない

最後に猟師でもある三浦さんに、神奈川県産ジビエの魅力を語っていただきました。

「以前、食肉処理加工施設がない時代は、自分たちで食べきれない肉を、結局埋めてしまうこともあったんです。けれど猟師としては、せっかくもらった命を無駄にしたくないという思いが強くあります。秦野のジビエは、丹沢の日本一の美味しい水で育っているので、絶対に美味しい素材なんです。私たちは要請があれば急いで止め刺しに向かいますし、市の職員さんも急いで加工施設に届けます。新鮮な肉を提供するため、止め刺ししてから2時間で加工施設に届けなければならない決まりのため、私たちも職員さんも頑張っているので、ぜひ秦野にジビエを食べに来て下さい」

新宿から小田急に乗ればわずか1時間の場所に、これだけ豊かな自然があることに驚かされます。北京館以外にもジビエを出す料理店は10店以上あるので、ぜひジビエを求めて秦野市を訪ねてみてはいかがでしょう?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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