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ここを訪れ、ハンターを目指す人が続出!?「山里カフェMui」愛知県豊田市

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2021.09.08

愛知県で一番面積の広い豊田市は、全国有数の製造品出荷額を誇る「クルマのまち」として有名です。しかし実は…、市域の70%を森林が占めるなど自然豊かな一面もあります。

今回ご紹介する「山里カフェMui(むい)」(以下、Mui)は、毎年約40万人が訪れる東海随一の紅葉の名所「香嵐渓(こうらんけい)」が広がる足助(あすけ)地区の山里にあります。

どこまでも続く田畑に山林、さわやかな空気と青空を楽しみながらカフェに向かいましょう。

農作業をする地元の方とすれ違いながら、細い道を進むと見えてくるのが「Mui」です。築150年を超える茅葺屋根の民家をリノベーションした店舗は、古きよき日本にタイムスリップしたかのような雰囲気。訪れる人を、猟犬のベリーが元気よく出迎えてくれます。

ゆったりとした造りの店内には囲炉裏が設けられており、時期になるとお客さま自ら炭火を起こすなど、ここでしかできない体験が楽しめます。

オーナーの清水 潤子さんが豊田市に移住したのは、自然に触れるため参加した稲作体験がきっかけでした。農家の方から同市の鳥獣による深刻な農作物被害を耳にしたのです。

稲作体験の最中、目の前をイノシシが走り抜けた時、農家の方の「誰かなんとかしてくれ!」の言葉に、猟師になることを決意した清水さん。

その後、散弾銃が使える第一種銃猟免許に加え、わな猟、網猟免許を取得。現在では、年間100件ほどの鳥獣捕獲を行っています。
「初めての狩りは今でもまぶたに残っています。命を奪う恐怖を感じると共に罪悪感を覚えました。いただいた命を無駄にせず、もっと地域に活用できないか…」
そう考えた清水さんは、2017年にカフェをオープンさせます。

命を無駄にしないため、ジビエをもっと身近なものに

清水さんは、地域の悩みである鳥獣を美味しく変化させるため、近くの食肉処理施設でアルバイトを続けながら、さまざまな肉を調理&研究しました。そしてたどり着いたのが、カフェをオープンし、自宅でも気軽に作れるメニューの提供です。みんなに食べてもらい認知度を高めることを目的としています。

そのひとつが、月替りランチ(要予約)で提供している「鹿タコライス」(1,200円・税込)です。実はこちら、名古屋学芸大学 管理栄養学部の生徒が考案したメニューなんだそう。鹿のモモ肉を粗めのミンチにして、スパイシーなタコライスソースで味付け。「まぼろしの米」と称される愛知県ブランド米の「ミネアサヒ」とよく混ぜて味わいます。

ひと口食べると、程よい歯応えのミンチは噛めば噛むほど旨味が広がります。ピリリとしたスパイシー感とチーズのまろやかさが相性抜群で、このボリュームでも最後まで美味しくペロリといただいてしまいました。

続いて、「ジビエプレート」(1,300円・税込)を。こちらは3種類のジビエメニューに、サラダなどがワンプレートになった贅沢な一品です。サクサクに揚げられた鹿カツレツ、味わい深い鹿の青椒肉絲や猪のデミグラスソース煮…、どれもジビエの特長が最大限に引き出されています。少しずついろいろな種類がいただけるなんて、贅沢ですよね。

「自宅でも気軽に作れるカフェメニュー」をテーマにしているため、毎月のランチメニューのレシピは、公式HPで公開されています。

最善の方法で処理し調理するから、美味しいジビエがいただける

使用しているジビエのほとんどは、カフェの隣に併設された食肉処理施設で処理されたものです。清水さんはカフェをオープンした翌年、さらにジビエの消費を増やし、廃棄されることが多かったアライグマやハクビシンなどの小動物もジビエとして活用するため、自ら施設を開設しました。

「自ら捕獲して解体するので、1時間以内の処理が可能。そして、その個体がどこで何を食べて育ち、どのように捕獲されたかをすべて把握しているので、最適な加工や調理ができるのです」
真っ直ぐに命と向き合う清水さんの取り組みが、このカフェの人気の理由なのでしょう。

ECサイトでは、清水さんの手によって丁寧に処理されたジビエが販売されています。鹿肉ロース(100g450円・税込)や鹿ヒレ肉(100g480円・税込)など、どれも手ごろな価格が魅力です。

鹿の角を利用した箸置きなど、カフェには「自然のまま、ありのまま」の意を持つ店名の「Mui」を感じさせるものがたくさんあります。

各種パンフレットが置かれたコーナーには、地元の小学生がジビエについてまとめた記事も掲示されていました。

ほかにも、狩猟の現場や実態を知ってもらうため、不定期でイベントを開催しています(Facebookで情報発信中)。罠猟体験や解体体験、料理教室まで、さまざまな体験を通して、人間と自然との共生について紹介。イベントに参加したり、カフェで清水さんの話を聞いたりして、狩猟に興味を持つ人も多く、これまで60名以上のお客さまが狩猟免許を取得したそう。

狩猟時期には、アナグマ、カモ、キジ、アライグマ、ハクビシンなど、さまざまなジビエがメニューに登場します。
「特にアライグマは、脂質少ない牛肉のような味わいで、本当に美味しいですよ」
現役ハンター自らが狩猟し、調理する絶品ジビエを味わいながら、地域が抱える問題、持続可能な社会について、じっくり思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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