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味噌ダレが決め手! 温泉旅館の“しし鍋”を食べ比べ「養老渓谷 嵯峨和」千葉県夷隅郡大多喜町&「亀山温泉 湖水亭 嵯峨和」千葉県君津市

千葉県 和食 ホテル・旅館 イノシシ ランチ
2021.12.18

今回、目指したのは千葉県の南部に位置する夷隅郡大多喜町(いすみぐんおおたきまち)。「しし鍋」が名物だという温泉旅館が目的地です。

創業1966年の老舗旅館、「養老渓谷 嵯峨和(さがわ)」(以下、嵯峨和)。ここは日帰り入浴もできる温泉でも人気の旅館。

見た目にもインパクトのある黒湯は、美肌効果や疲労回復が期待できると評判で、源泉100%を利用しています(日帰り入浴700円・入湯税込)。

また、宿泊をしなくても、食事だけの利用も可能。料理は広間で提供されるので、のんびりとくつろぎながら味わうことができるほか、希望すればテーブル席を利用することもできます。

コチュジャンの刺激が程よい味噌ダレの名物「ししなべ」

「ししなべ定食」(1,870円・消費税・入湯税込)は、しし鍋にご飯、香の物がセットになっていて、目の前で鍋に火を付けてもらうスタイルで提供されます。

次第に食欲をそそる香りが立ち上る鍋を見つめること約10分。猪肉にきちんと火が通るように肉をひっくり返して、さらに待機。

猪肉に火が通ったことを確認して、口の中へ運びます。厚みのある脂身の見た目に反し、脂っぽさはなく、意外とあっさりとした第一印象。猪肉以外の具材は白菜、ネギ、シラタキ、エノキ、そしてうどんで、味噌ダレの風味が生きています。

ポイントだと感じたのは、この味噌ダレ。猪肉の旨味を複雑な風味のタレが包み込み、優しい味わいにしているのです。そこにエノキのシャクシャクした食感、ミツバのほんのりとした苦味がアクセント。うどんは野菜と肉の旨味をたっぷりと吸い込み、甘辛いコチュジャンの刺激も調和しています。

館主の佐川 郁夫さんにお話を伺うと、この味噌ダレのベースは麹味噌。そこに信州味噌、八丁味噌、京桜味噌、さらに隠し味としてコチュジャンを入れているとのこと。
「『ししなべ定食』は昼食として通年で提供していますが、宿泊者向けのお食事は季節によって内容が変わるので、必ず食べたい方は宿泊予約の際にお伝えください」

定食のほか、「あゆの塩焼き」(880円・税込)、「かわえびのから揚げ」(550円・税込)といった単品メニューもあり、ランチを利用すれば日帰り入浴が無料になるサービスもあるので、養老渓谷を散策したあとに利用してもよさそうです。

もう一つの「しし鍋」を求めて亀山温泉へ

この「嵯峨和」が1998年に君津市の亀山湖畔にオープンさせたのが「亀山温泉 湖水亭 嵯峨和(こすいてい さがわ)」(以下、湖水亭)。こちらの温泉も源泉100%の黒湯で、肌がつるつるになると人気です(日帰り入浴700円・入湯税込)。

そんな「湖水亭」で出迎えてくれたのは、館主の佐川 敬文さん。本館「嵯峨和」館主、佐川 郁夫さんの息子さんです。

こちらの露天風呂・岩風呂は、ランチの利用者は無料(入湯税150円要)。四季折々の表情を見せる亀山湖を眺めながら、美肌の湯を満喫できます。
「ちょうどランチの時間帯は露天風呂と岩風呂が男女交代制なので、露天にこだわりたい方は事前に電話などでご確認いただければと思います」

「湖水亭」は猪肉をはじめ、地元食材を積極的に取り入れていて、君津の名水仕込みの「豆乳アイスクリーム」や近隣の農家で栽培している赤米と黒米を使った「古代米アイスクリーム」(275円・各税抜)といった自家製アイスクリームでも評判です。

食事処の客席からも亀山湖が望めるほか、テラス付き御食事処(1室1時間1,000円・税抜)やテラス付き客室御食事処(1室1時間1,500円・税抜)といった贅沢な空間も用意されています。

地元在来種の大豆と地元産の米で作る味噌が秘訣の「しし鍋」

「湖水亭」で通年楽しめるのが、同じく名物の「しし鍋定食」(1,900円・税抜)。大豆と米麹から作る手作り味噌をベースに、八丁味噌など4種類の味噌を使ってタレを仕上げています。※写真はイメージ

20年以上熟成させている麹味噌には、君津の在来種の大豆、「小糸在来🄬」(こいとざいらい)と地元の米を使用。
「この自家製味噌の特徴は、市販品のように酒精などで発酵を止めていないので、強い熟成香が感じられることです」と敬文さん。

先ほど「嵯峨和」でいただいた「ししなべ」とは、また別の味噌の香りを感じます。猪肉そのものは噛めば噛むほど旨味がにじみ出て、野菜などの甘味が味噌ダレの甘辛い汁と調和しています。

鍋の主役である猪肉は、どちらの旅館でも同じ君津市内の「森旧解体処理場」から仕入れているとのことなので、この味の違いは味噌ダレにあるよう。同じ「しし鍋」、同じ「猪肉」でも感じられるこの違い、ぜひ両館をはしごして楽しんでみては?

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