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夏の猪を有効活用! 二者の協同で作られた絶品猪バーガー「合同会社弐百円×カフェブラウニー」島根県松江市

島根県 ハンバーガー イノシシ カフェ 通販・お取り寄せ ペットフード
2022.01.10

島根県の有名な観光地である巨大な宍道湖(しんじこ)や、国内最古の温泉の歴史を持つ玉造温泉に程近い松江市上乃木に、今年でオープン3年目を迎える「カフェブラウニー」(以下、ブラウニー)があります。

コンパクトながらも、やわらかな太陽光が差し込む、居心地のいい落ち着いた空間です。一人で訪れるお客様も多いとか。

こちらのお店は、生産者の顔が見える素材でのハンドメイドの焼き菓子やジャム、そしてカフェメニューが人気です。

さて、2021年の夏、「ブラウニー」に新メニューが登場しました。その名も「ワイルドバーガー」(935円・税込)。松江市八雲町で精肉として加工された猪肉のハンバーガーです。

八雲の猪肉と「ブラウニー」のご縁を繋いだのが「合同会社弐百円」(以下、弐百円)の代表・森脇 香奈江さん。松江市地域おこし協力隊1期生を経て、2018年に「弐百円」を設立。「八雲猪肉生産組合」の組合員となり、八雲の猪肉を使った商品の開発やPRを行なっています。

「あるイベントで森脇さんと出会った時、『弐百円』が八雲の猪肉をPRするお仕事をされていると知りました。猪肉を販促している背景、熱意ある森脇さんの人柄や肉の美味しさも相まってカフェメニューに加えることになったのです。私の母は県内山間部の出身で、幼い時から猪肉に親しんでいたので抵抗はありませんでした」と、ブラウニー責任者の石倉 暁子さんは言います。

そもそも、猪肉の旬は“冬の初めの脂がのったもの”というのが、従来の松江の猟師たちの考え方でした。夏に捕獲される猪は脂が少なく、ぼたん鍋などの材料にするには適さないと思われていたのです。そこで森脇さんたちは、夏の猪が捕獲後に捨てられることがないよう、商品開発やプロモーション活動をスタート。

「私も狩猟免許を持ち、解体もするのでわかったのですが、夏の猪は冬の猪より赤みが多くさっぱりと食べやすい。鉄分が豊富で栄養価も高い猪肉にとても可能性を感じたので、食材として使ってくださる人を探していたのです。そんな時、石倉さんに出会いました」とは、管理栄養士でもある森脇さんならではの分析。

夏猪のさっぱりテイストを生かしたハンバーガー

このような経緯を経て誕生した「ワイルドバーガー」ですが、どのように作られているのでしょう?

ミンチに加工した猪肉を通常のハンバーグと変わらない工程で成形していきます。

ハンバーガーに使うバンズも、石倉さんの手作り。

「猪肉本来の風味を損なわないように、ミンチ肉にはナツメグや胡椒のほか、セージを少し加えるだけ。そして、モッツァレラチーズと手作りのピクルスやサルサソースをのせ、パンチのある味わいをプラスします」(石倉さん)

バンズに刺す“八雲猪”が描かれた旗も、石倉さんのアイデア。

出来上がったバーガーはとてもボリューミーですが、味は思ったよりも繊細。肉々しさを程よく残しながらも、さっぱりとした後味が魅力です。ピクルスやチーズと混ざり合ったジューシーな肉の旨味は、ネーミングどおりのワイルドさ。滴るような肉汁がバンズに染み込み、時間が経っても美味しく食べられます。

ハンバーガーのお供には、「瀬戸田無農薬レモンのクラフトコーラ」(495円・税込 ※ハンバーガーとセットでオーダーすると100円引き)を。口の中がスッキリさわやかになります。山陽地方の柑橘系農家のご夫婦が丁寧に作っているというレモンは、味も香りも抜群。いいものであれば、地元以外の素材も積極的に使います。クラフトコーラとバーガーを交互に口に入れると、あっという間に完食!

白ワインでコトコト煮込み、猪の旨味が凝縮したリエット

もう一品は、オードブル(4人前6,480円~・税込 ※要予約)の中の1つ「猪肉のリエット」です。
「知り合いの飲食店さんとコラボしたイベントをよく開催するのですが、お酒に合うサイドディッシュに何がいいかと考え、猪のリエットを思い付きました」と石倉さん。

「猪肉の塊に塩とハーブをもみ込み、軽くローストしたあとに、白ワイン、野菜、ラードを入れて、コトコト長時間かけて煮込みます。猪肉の風味を生かしたかったので、フードプロセッサーにかけたりせず、あえて粗く仕上げました」(石倉さん)
夏の猪肉のあっさり感を残すためにも、赤ワインではなく白ワインを煮込みに使ったのがポイント。肉の繊維がしっかり残っていて、どちらかというとコンビーフに近く、旨味が凝縮されています。

ハウスワインの白(グラス600円・税込)をオーダーして、喉を潤します。

バゲットにのせても、そのままつまんでも美味しい、お酒が進む危険な味わい…。夏の猪肉が美味しいことがちゃんと証明されました。

「『ブラウニー』さんに続き、食材として使ってくださるお店がこの先増えていけばいいですね。『弐百円』では“猪を一頭でも埋めない”を合言葉に、夏の猪の有効活用を推進していきます。究極的には、埋められて捨てられる猪がいなくなって、私たちの販促の仕事がなくなればいいと思っています(笑)」と森脇さんは力説してくれました。

「弐百円」では、精肉以外にも「いのししジャーキー」(600円・税込)、「いのししフランクフルト」(1,080円・税込)、「犬用おやつ」(3個で1,500円・税込)などの加工品をオンラインで取り扱い、なるべく広く世の中に流通させることで、猪を“一頭でも埋めない”の理念を貫きます。

ちなみに「ブラウニー」は、オーダースーツ専門店の一角に併設。その店のオーナー・和田 紀幸さんが「ブラウニー」の経営者です。それもあって、「ブラウニー」の店内には、素敵なスーツのオブジェが飾られていました。

「オーダースーツはお客様一人一人の要望を汲み取って作っています。カフェで提供するものもできるだけそうありたいと、常日頃から石倉さんとも話しています。そして八雲の猪肉のように、この土地の素晴らしい食材を使った料理を多くの方に届けたいですね」と和田さん(写真左)。

猪を通した出会いがどんどん広がり、少しでも多くの人に八雲の猪肉の美味しさを知ってもらいたい…。それが三人の共通の願いでもあるのです。

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  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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