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極上のフレンチジビエをゆったり味わえる老舗レストラン「Mieux Le Mieux」石川県小松市

石川県 フレンチ シカ イノシシ テリーヌ コース ランチ
2022.01.15

石川県小松市は、金沢とはひと味違った自然豊かな街です。2024年にJR北陸新幹線・小松駅の開業を控え、模様替えが急ピッチで進む駅前から少し離れた閑静な住宅街に、およそ半世紀にわたって市民に愛されている県内屈指の老舗フレンチレストランがあります。

小松駅からコミュニティバス市内循環線北コースに乗車し、約13分。バス停「小松市役所」で降車します。そこから700mほどゆっくり歩くと7~8分で到着。

梯川(かけはしがわ)へ注ぐ小さな川沿いに立つ洋館の一軒家が、今回ご紹介する「Mieux Le Mieux(ミューレミュー)」(以下、ミューレミュー)です。市内の中心部からそれほど離れていませんが、ヨーロッパの田舎へ来たような穏やかな一角です。

店内も調度品に至るまで落ち着いた西洋風に統一されています。

席数は本来60席ほど用意していましたが、現在は時間差を設けて20~26席ほどで対応しています。

パーテーションなどで区切られているため、安心して食事をすることができます。

地元で長年親しまれる名店

オーナーシェフの清水 正人さんは生まれも育ちも小松市。故郷である地元食材への思い入れも強く、ジビエをはじめ小松市特産品のトマトなどのメニューを積極的に発信しています。

全国的に深刻化している野生鳥獣による農林被害の問題は、市域の7割が山林である小松市でも例外ではありません。被害対策のため捕獲した野生鳥獣を食材として有効活用し地域に貢献しようと、市内の飲食店などが集まって「こまつ地美絵(じびえ)」としてメニュー開発に取り組んでおり、清水シェフもその先陣に立って多くのジビエ料理を作り出してきました。

今回ご紹介するのは、「シェフおまかせ」のコース(14,300円~・税抜)で提供するシェフオススメのジビエ料理5品。メニューは季節により変わるため、予約時に好みや食事制限、アレルギーなどをしっかり伝えれば丁寧に対応してくれます。

熟練のフレンチ技術が冴える極上のジビエ

最初に紹介するのは、「猪ロース日本の伝統五種類発酵食品のマリネと菊姫大吟醸酒のグラニテといっしょに」。加賀の名酒として日本酒ファンには有名な、石川県白山市の「菊姫大吟醸」を使った一品です。

芳醇で濃厚な日本酒の香りと、口の中に入れ温まるとトロけていく猪肉…。意外にも後口はさっぱりと冴え渡っています。白味噌から甘酒のような味へ変化が感じられるこちらのグラニテは、メインディッシュまでの間を清々しく取り持ってくれます。器は石川県出身の人間国宝・三代 徳田八十吉(とくだ やそきち)作の九谷焼を使用。器に地元の最高のものを使うというこだわりも。

二品目は「フォアグラ入りジビエのテリーヌ」。濃厚なフォアグラを包むように、猪肉、鹿肉、鴨肉、豚肉など地元の食材を贅沢に組み合わせた一品です。

テリーヌはジビエがふんだんに使われながらあっさりとした風味に仕上げられていて、サラダと共に味わうと、さわやかながらフレンチらしい多層的な味わいを楽しませてくれます。

続いて、レモンバームやセージ、ローズマリーにフェンネルなどのハーブの香りと相まって食欲をかき立ててくれる「鹿のコンソメジュレ・小松トマトのブラマンジュのマリアージュ」です。

上には、石川県生まれの作家・深田久弥(ふかだ きゅうや)の随筆「日本百名山」でも知られる白山をイメージしたという真っ白のブラマンジェが添えられています。どんな味がするのかワクワクしながら口に運ぶと、白い色からは想像できない甘いトマトの味! 小松市特産のトマトを使っているそうで、ミキサーにかけて砕いたトマトからエキスだけを抽出。それをブラマンジェの材料に加えて仕上げたそうです。
鹿のコンソメジュレとトマトのブラマンジェ、上に乗ったキャビアをすくって食べてみると、ジュレの中に入っているリンゴと鹿のコンソメがジューシーで、キャビアの塩気がトマトの甘味を引き立てています。

4品目のメインディッシュは「鹿ロースのロティ」です。丁寧に焼き上げた鹿肉のロースに、旬の赤キャベツとまるまる1本使った日野菜(ひのな ※カブの一種)の桜漬けを添えました。巨峰のソースとの組み合わせが絶妙です。

「大胆に全部一緒に食べてください」とシェフ。そのアドバイスどおり4つの食材を一度に口にすると、桜漬けのさわやかな酸味と甘味がまず舌を整え、濃厚なお肉の旨味が一気に広がったのち、巨峰の風味が加わり、調和しながらサラッと余韻を残して消えていきます。なんとも美味!

次はメインディッシュの「猪肩ロースの赤ワイン煮」です。

赤ワインで煮込んだ猪肉の塊にセルリアック(※セロリの一種、別名「根セロリ」)のピューレを合わせた豪快な一皿。

力を入れずとも、ナイフの重みだけで切れていくお肉のやわらかさに感動します。
溶けるような食感で赤身と脂身がトロトロに混じり合い、それぞれの旨味が引き立てあって、猪肉の美味しさを余すところなく口いっぱいに満たしてくれます。

すべての料理に共通する、ジビエを知り尽くしたシェフの熟練の技と旬の素材が織りなす巧みな味わいは、“味のオーケストラ”と呼ぶにふさわしい素晴らしいものでした。

数多くの弟子を料理界に送り出してきた人物ながら、「料理はお客様に幸せな時間を過ごしてもらうための手段にすぎないんです」と信念を語る清水シェフ。一流の腕前と謙虚な人柄に惹かれて、家族三代で大事な時は「ミューレミュー」で、というファンも多いそうです。

半世紀の時が磨いた味は、この先もしっかりとこの地に根付いて“街のレストラン”として、地域の人々にも、また旅人にも愛され続けていくのでしょう。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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