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“香り”をテーマに仕立てた猪肉のローストに舌鼓「Le Nez」大阪府大阪市中央区

大阪府 フレンチ 焼肉・ロースト イノシシ ランチ コース
2022.01.31

2021年7月にオープンした、注目のフレンチレストラン「Le Nez(ルネ)」(以下、ルネ)。大阪はミナミの、地下鉄心斎橋駅から徒歩8分。観光客でもにぎわう心斎橋筋商店街を背に東へ進むと、次第に少し落ち着いた雰囲気になるエリアに位置します。

建物の2階へ上がると、ブラウンの外観と屋号が目に飛び込みます。「Le Nez」はフランス語で「鼻」の意。料理を口にする時に大切な役割である“香り”を大切にしたいという、出崎 英世シェフの思いを込めて名付けたそう。
「夏の雨の匂いなど、四季にもそれぞれ香りがありますよね。香りには癒しの効果もありますので、それを料理で表現していければと思っています」

出崎シェフは、ミシュラン二つ星を獲得した大阪の人気フレンチレストランでスーシェフを務めたのち、独立前は大阪市福島区のフレンチレストランで立ち上げから3年間シェフに就任。そこでも1つ星を獲得した経歴の持ち主です。

シェフが満を持して構えたお店は、「忙しい日々に疲れている方の癒しの場所になれば」と、高級感がありながらも居心地のよさを感じる雰囲気。白を基調としたカウンターは、3組限定の計6席と贅沢な設定。シェフとの距離が近く、会話を交わしながらコースを満喫できるのが醍醐味です。接待利用に最適な、4席の個室も完備されています。

故郷・和歌山県の猪肉を古典的なソースで一皿に

今回は、ディナーコース(13,200円・税サ込)の一品、猪肉を使ったメイン料理をご用意いただきました。コースは、アペリティフ(※食前酒)、アミューズ(※突き出し)、冷前菜、温前菜、スペシャリテ(フォアグラ料理)、魚料理、肉料理、アヴァンデセール(※最初のデザート)、グランデセール(※メインのデザート)、ミニャルディーズ(※食後の小菓子)という構成。希望すればランチでも同価格で味わうことができます。

猪肉は、シェフが育った和歌山県みなべ町から取り寄せたロース。まずはフライパンで、表面の色が変わるまでソテーします。これは、中の肉汁を逃さないようにするため。さらに、オーブンで1時間ほど低めの温度設定でじっくりと加熱します。

仕上げに再びフライパンに戻し、高温で焼きます。盛り付ける直前に、備長炭で余分な脂を落とすことで中はジューシー、外はカリッとした歯応えに。カットすると、見るからにしっとりとした印象の断面が現れました。備長炭であぶることで、猪肉にスモーキーな香りをまとわせているのがお店のテーマとリンクします。

フランスの有名磁器「ジョーヌ・ド・クローム」の深みのある色が美しい皿に、猪肉を盛り付けていきます。

猪肉に添えるのは、リヨン地方の“ソース・リヨネーズ”。焦がしバターで褐色に炒めた玉ネギに白ワイン、ワインビネガーを加えて煮詰め、フォン・ド・ヴォーを加えた、肉料理と相性のいい伝統的なソースです。

周りに添えているのは、黒キャベツのチップ、クスクスとブロッコリーのサラダ、カリフラワーのスプラウトとカリフラワーのソース。
「季節にもよりますが、ほとんどの食材は和歌山の農家さんより仕入れています。独立してから時間調整に融通が利くようになったので、素材選びにもこれまで以上にじっくり取り組むことができているんですよ」

猪肉をカットして、ソースを付けていただきます。歯応えを感じる厚みながらも、しっとりとした食感が印象に残りました。程よい酸味を感じる香りのいいソースの奥深さが猪肉の力強い味わいにマッチ。

ラ・フランスを使ったデザートもご用意いただきました。フレッシュなラ・フランスに、ピスタチオのアイスクリーム、濃厚な生クリームを合わせます。

最後にライムの酸味が香るメレンゲを飾ると完成。独創的なデザインの器は、こちらもフランスの有名な磁器「ジャン・ルイ・コケ」の品。美しい器の白と、デザートの素材感を感じる白い色味が美しく調和していて、視覚的にも楽しむことができます。

幼少期から親しみのあるジビエを繊細なフレンチに仕上げる

和歌山県みなべ町の出身の出崎シェフ。
「父が狩猟をしていたので、猪肉は子供のころから親しみのある食材なんです。家では、七輪で焼いたり、玉ネギと醤油で煮込んだものを食べていました」と教えてくれました。

メイン料理には鹿肉が登場することも。鹿肉のローストには、例えば黒胡椒を効かせたソースを合わせたりするそう。
「コースの内容はおまかせなので、ジビエを希望される場合はぜひ事前にご連絡ください」とシェフ。

多くのゲストがオーダーするのがワインのペアリング。料理に合わせて6杯(6,600円・税サ込)、7杯(7,700円・税サ込)という抜群のコスパを誇ります。
「ご満足いただきたくて、お値打ちな内容でご用意しています。サービス料込みの設定にしているのも私のこだわり。20代の若い方から、上の世代の方まで幅広いお客様にコースやワインのペアリングを楽しんでいただければ」

シェフに今後の展望を尋ねてみると、
「現在はランチとディナーの営業をしていますが、この先カフェタイムを設けられたらいいなと考えています。フレンチのデセールと、コーヒーをおいしく淹れるスタッフがいるので、その香りと共にゆったり過ごしていただければうれしいですね」と語ってくれました。実現すれば、心斎橋で優雅なカフェタイムを過ごせる場所として、注目が集まりそうです。今後のジビエ料理と共に、期待が膨らみますね。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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