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朝から飲める酒場のジビエ「飲み処・食べ処 多田屋」

居酒屋 和歌山 わかやまジビエ シカ イノシシ
2019.03.26

JR和歌山駅の西口を出てすぐ左手に向かうとたどり着く「みその商店街」。そのアーケードに入る少し手前に、幟や提灯の賑やかな店が存在感たっぷりに佇んでいます。

壁面には「(株)多田酒店」、そしてのれんには「多田屋」の文字が踊ります。創業90年。酒場の角打ちから始まったお店が、酒店とは別に隣接店舗を構えたのがこの「多田屋」。今では和歌山を代表する由緒正しき大衆酒場となっています。

昼ともなると大勢の人でにぎわう入り口からすぐの大きなカウンター。その奥にはテーブル席、座敷席と続き、2階には50人以上宴会も可能な広間もあるのだとか。

そんな多田屋さんの大きな特徴の1つは、朝9時の開店から飲めること。隣に酒店もあることから、当然酒と名前のつくものは大体なんでも揃う。開店すぐでもグラスを傾ける呑兵衛たちの陽気な姿は、どこか懐かしい下町感を漂わせ、見ているだけで楽しくなってきます。

ジビエを扱いはじめた数年前、お好み焼きが候補に上がったものの、焼き時間がかかって待たせてしまうことからイノシシ焼きそば680円に。心がけたのは「庶民的で誰にでも愛される焼きそば」。ホッと和めるような、特別なことのない焼きそば。そこにあえてのジビエを用いることで、「食べにくい食材」のイメージを払拭することが狙いでした。

そして、イノシシと鹿の両方がメニューに並ぶ網焼き各880円。シンプルな調理法だからこそ、味も非常にわかりやすいこの一品。「まずいと言われればすぐに修正しますが、今のところそんなクレームは一度も出ていません」とオーナーの多田勉さん。シカとイノシシ、どちらも気になる人は、ぜひ食べ比べなんていかがでしょうか。

「他にも鍋で食べたい、すき焼きにしたいなど、こんな食べ方がしたいとリクエストがあれば言っていただけたら応じます」。食堂のようにガラスケースに並ぶアテを自由にテーブルに持ってくることもできれば、オーダーをして作ってもらうメニューもあったりと、とにかく自由度の高さがこの店の魅力。メニューにない食べ方でも、勇気を出してリクエストしてみてはいかがでしょうか。

2代目として店に入りもう60年近くなるという多田さん。「中学を卒業してからほぼ酒一筋」と話す筋金入りで、唎酒師、ワインアドバイザー、焼酎組合の利き酒名人などさまざまな資格も持っています。

そんな多田さんに「ジビエに合わせたいお酒は?」と尋ねると、答えは「ワイン、日本酒、焼酎にビール、中国酒でもどれでも合うよ」。予想外の答えに一瞬戸惑いましたが、こちらの料理全般が特定のお酒に合わせることのない幅広いお酒に合うように作られていると聞き納得。どんなお酒も食材も、はたまたお客さんをも包み込む、店の懐の深さを感じさせられました。

せっかくなので、ジビエに関係なくおすすめのお酒を聞いてみると、大吟醸「酒一」480円と清酒「豊富」350円と返ってきました。

他にも和歌山の地酒は全蔵を網羅。しかも料理はおでん120円〜、一品200円〜、日本酒は280円からととにかくリーズナブル! 朝昼晩と時間を問わず人気なわけはこのお財布への優しさにもありそうです。

60年近く酒場を切り盛りしていると、さまざまなことがあったといいます。ある時は焼酎ブームやワインブームが起こり、何かが流行ると何かが勢いをなくし…そういった時代の流れをつぶさに見守ってきた多田さんが、最後に口にしたのが「笑いもて行きましょう」の言葉。いい時もあれば、我慢の時もある。さまざまな時代を見つめてきたからこその深い言葉は、きっとジビエにも当てはまるはず。より多くの人に愛されることを目指し「笑いもて」行きたいものです。

 

※「わかやまジビエ」より転載
https://wakayama-gibier.jp/shop/tadaya/

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