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まぐろ料理専門店オーナーと脱サラ店長が開店した“唯一無二”の猪肉バル 「和酒×くんせい=バル シシニイク」

バル イノシシ 東京
2019.07.08

安くて美味しい食事処や居酒屋が集まる東京・神田界隈。JR神田駅前の喧騒から少し離れ、東京メトロ丸の内線・淡路町駅まで行くと、こぢんまりとした店が立ち並ぶエリアに入ります。淡路町駅から徒歩30秒。そこに2018年8月にオープンした「シシニイク」という珍しい名前のバルがあります。

入口のドアには猪のイラストが描かれ、軒先には杉玉がぶら下がっていて…。ということは、「ここは猪肉の料理と日本酒が楽しめるということ?」と想像が膨らみます。

店内に足を踏み入れると、まず目に飛び込むのが壁に描かれた猪の絵。今にも駆け出してきそうな躍動感いっぱい。

店のあらゆる場所にも猪のかわいい小物がたくさん!そういえば、今年2019年は亥年。ここにいるとなんだか運気が上がりそうな予感も。

安定した会社員生活を捨てて店に参画した店長

今回お話を伺ったのは2人。自転車に乗って颯爽と店に現れたオーナーの髙橋祐介さん(写真左)、そして笑顔が優しい癒し系店長の小澤高弘さん(同右)です。小澤さんは文京区にある髙橋さん経営の「MEGRO」(マグロ料理店)のお客さんだったそう。彼らはなぜタッグを組むことになったのでしょう?

「僕は、『よいパートナーがいたら2店舗目を出したい』と公言していたのです。それを小澤さんが耳にしたようで、ある日、彼から『お店を一緒にやるのは、僕じゃダメですか?』と言われ…。単純に驚きましたよ!でも彼は、具合の悪い時でも『MEGRO』のイベントに参加してくれたほど熱心な方だったので…」と髙橋さん。

当時の小澤さんは、20年以上も安定した会社員生活を継続中。その生活を捨ててまで、髙橋さんと共同でお店をやりたいと思ったぐらいですから、その思いは真剣でした。

「“だしソムリエ”や“食生活アドバイザー”の資格を持っていて、食べることも飲むことも大好き。定年になったら飲食業をやりたいと思っていました。でも、実際にその年になったら、体力的にできないかもしれない。やるなら今だと思ったんです」

こういう経緯から開店した「シシニイク」は、燻製と和酒のコラボがコンセプト。燻製というと、ウィスキーやワインと合わせることが多いのですが、同店では、日本酒に詳しい店長が推す“和酒(日本酒や焼酎)とのマリアージュ”がポイント。このマリアージュ、『人とお酒のカップリング』をテーマに、店長自ら、客の好きなお酒のテイストをヒアリングしつつ、今まで飲んだことがない未知のお酒も開拓してくれるというのです。これが、髙橋オーナーの「誰もやってないことで勝負したい」という願いに繋がるのですね。

津和野で体験した衝撃的な猪肉との出合い

猪は、島根県津和野産の良質なものをだけを厳選して使用しています。「数年前に津和野の『げんごろう』という店で食べた料理が、衝撃的に美味しかったのです。それは従来の猪肉のイメージを覆すほど。すぐにレシピをうかがって、なるべく近い味に再現したのが「4×4 SUKIYAKI」(780円・税抜)です」と、髙橋オーナー。

「4×4 SUKIYAKI」は、醤油ベースではなく豆味噌仕立て。煮込めば煮込むほど美味しくなる豆味噌と猪の相性は抜群。驚くほどやわらかい肉の旨味、甘い脂の味が口の中にフワーッと広がります。

また、解いた卵黄と一緒に食べみると…、味がグッとまろやかに!

ここでしか飲めない“日本酒のカクテル”

続いて、「おすすめ燻製全部盛」(2人前/ 1,800円・税抜)をいただきます。

この一皿に並んでいるのはすべてが自家製燻製。津和野の猪はもちろん、鶏のムネ肉、絹ごしと木綿豆腐、半熟卵、はんぺん、さらにマグロの卵や白子なども並び、実にバラエティ豊か。和酒に合うよう燻香を抑えめにやわらかく仕上げているので、これなら燻製が苦手な人でも楽しめそう。メインの猪は、噛むほど猪ならではの旨味が口の中を満たしていきます。

そこで小澤さんに燻製に合うお酒として選んでもらったのが「惣誉(そうほまれ)」。とてもエレガントで、燻製の味を邪魔することなく、きっちりと引き立ててくれました。

最後は、いよいよ「猪肉のステーキ」(1g/10円・税込)です。

目の前の七輪で炙りながら食べられるので、好みの最高の焼き加減を調節可能。

甘く香ばしい脂身、シャキシャキと歯切れがいい食感と、濃厚な猪肉そのものの味を堪能できます。またワサビと合わせると、猪独自の野生味も中和され、さらに食べやすくなります。

ステーキに合う日本酒として進めてもらったのは、端麗でふくよかな「ゆきつばき」と、スッキリとした辛口の「美丈夫」をブレンドした“日本酒カクテル”。各々とても美味ですが、合わせるとまるで違う新しいお酒になるのが驚きです。“燻製と日本酒カクテルのコラボ”やみつきになりそう!

「オーナーの言葉通り、扱っている津和野の猪がとにかく上質。その猪を使ったさまざまな種類の料理と、バラエティ豊かな日本酒を飲めるのがうちのウリです。私がお客さまの好みやその日の気分を把握して、一番いいお酒をお出ししたいと思います」とニッコリ笑う小澤さん。調理を一人で担当し、合間にお客さんとよくお話をするのでフル回転。でも「今は好きな仕事ができて幸せ」という雰囲気が小澤さんからひしひしと伝わってきます。猪、燻製、和酒のコラボをぜひ味わってみてください。

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