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淡路島の名イタリアン「L’ISOLETTA」でシルキーな舌触りの夏鹿を

イタリアン 淡路島
2019.08.16

目の前には、遠浅でエメラルドがかった透明度の高い海が広がる、白砂青松の砂浜。淡路島の南部、「日本の快水浴場百選」にも認定された洲本市の大浜海水浴場の前に立つ「L’ISOLETTA」は、約50年前に建てられた銀行の保養所を改装した、美しい一軒家のレストランです。

オーナーシェフの井壷幸徳さんは淡路島出身。中学・高校時代から食にのめり込み、大阪、神戸を頻繁に食べ歩き、数年後はパスタに惚れ込んでイタリア料理人を志望。大阪の老舗イタリアンなどで修業し、26歳の時にイタリア・ロマーニャに渡り、ミシュランの星付きのレストランでも腕を磨きました。

「働いて1年経って、イタリア料理の本質は、その土地の食材に工夫を凝らし調理を重ねた『地方料理』であると気付いたんです。『自分だけの料理とは何か?』と突き詰めた時、田舎が嫌で出たはずなんですけど、淡路島、そして学生時代を過ごした洲本のことが思い浮かびました。帰国して淡路の食材をあらためて知ったら、なんて素晴らしいんだろうと感じました」と、井壷さんは話します。

シルキーで脂が乗った夏鹿が入手しやすくなった

32歳の時に洲本で、「小さな島」を意味する店名の、今のお店をオープン。四方を海に囲まれ、自然あふれる淡路島の豊かな食材を使うのは当然のこと。さらに、たとえばセモリナ粉を使い、名産の淡路そうめんの製法で作った生パスタなど、郷土の美味や食文化を巧みに取り入れたメニューも揃います。

「そして淡路島にはジビエもあります。僕はもともと狩猟免許を持っていたので、自分で山に入って鹿や猪も獲っていましたが、今は安心して任せられる『AWAJISHIMA shishika』の肉を使っています」と井壷さん。「AWAJISHIMA shishika」は洲本市が今年1月に立ち上げた淡路島産の鹿・猪肉のブランド。速やかに処理施設に運ばれ適切に加工された、安全かつ高品質なジビエとその加工品がブランドに認定されています。

「特に夏鹿は、食べる餌も豊富なので脂が乗っていて、シルキーでしっとりとした舌触りが格別なんです。だけど今までは手に入りにくかった。最近は鹿が増え、有害鳥獣捕獲の推進と『AWAJISHIMA shishika』のブランド化により、安定して良い夏鹿が入るようになった。料理人としては嬉しいことですね」と、井壷さんは言います。

多彩な食材と繊細な技術が生み出すハーモニー

そんな夏鹿の味わいを生かし、この夏に提供を始める一品が、「夏鹿の背肉炭火焼き ブルーベリーと桑の実のソース」(コース料金+1,080円・税込)。なめらかな肉質のロースを使い、炭火で焼き、休ませてはまた焼く、という工程を丹念に繰り返しながら、じっくり火を通しています。

添えられているのは、旬のブルーベリーがごろっと入った桑の実の赤ワインソースで、生姜とクローブ、シナモンが隠し味。シェフが修業したイタリア・ロマーニャ名産のバルサミコ酢の泡ものせてあります。柔らかい夏鹿のロースの旨みに、果実の酸味と甘みが生きた豊かな味わいのソースが響き合い、最高のハーモニーを奏でてくれます。

もう1品、季節によって味わえるのが、「鹿ロース肉コンフィとルッコラ・セルヴァチカ、パルミジャーノのサラダ」(コース料金+1,080円・税込)。塊肉のまま、低温のオイルでコンフィにし、薄くカット。

ニンニクとマスタードのソースに、ピリッとした辛味のあるルッコラ・セルヴァチカがたっぷり。淡路の山椒を使ったオイルがほのかなアクセントになり、夏鹿の優しい脂の甘みがぐっと際立つように感じられるおいしさです。

「L’ISOLETTA」の味を堪能するのにおすすめなのが、店名を冠したコース(2名分・5940円・税込)。魚や肉、パスタ、リゾット、野菜の一皿など本日の料理から2皿チョイスできます(料理によって別途プラス料金)。その2皿の前には、10皿ほどの小さな前菜とパンが運ばれ、程よく食欲が高まった最適なタイミングで、選んだ料理が運ばれてくるというスタイルです。

「同じことをしたくない性格。旬がある食材の味も毎年、その時々で変わります。自分もその変化を受けて、メニューをどんどん進化させていくのがモットーです」(井壷さん)。

淡路島を訪れた際には、ぜひ足を運んでほしい一店。淡路島という地方ならではの食材と食文化を巧みに取り入れた、まさに本来のイタリア地方料理に通じる、日本有数の名イタリアンです。

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