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森の中のジビエビストロ「cafe&bistro 木の根 に萌す。(きのねにきざす)」

ビストロ シカ イノシシ 高知 ほか
2020.03.17

高知県の中央部に位置する「いの町」。清流日本一に輝いた仁淀川と吉野川が流れ、石鎚山系を背景にもつ自然に囲まれた町です。

樹齢数百年の森の中に建てられたコテージやキャンプ場がある野外施設「木の根ふれあいの森」の研修棟の中に、ジビエ料理を提供する「cafe&bistro 木の根 に萌す。」があります。

店内の雰囲気はまさに森の中のビストロ。窓からは木々が見え、澄んだ空気に包まれています。さらに天井の灯りが店内を優しく照らし、まるで星空の下で食事を楽しんでいるかのような気分にさせてくれるのです。

そんな素敵な店を営むのが、店主の唐木田雄太さん。実は出身は神奈川県。地域おこし協力隊員として、いの町にやって来ました。

「観光振興や特産品開発などに取り組み、地域おこし協力隊の活動後は畑で野菜を作りながら生活していこうと考えていました。けれど、それだけでは難しいかもしれないと感じ始めていたころ、高知県が主催する『よさこいジビエコンテスト』を知ったのです」。

「よさこいジビエコンテスト2019」で優秀賞を受賞!

都内のイタリア料理店など、飲食業で働いた経験があった唐木田さん。高知県で行われた「よさこいジビエコンテスト2019」の商品開発部門に応募することにしました。

その時に考案したメニューがこちら。

「奥山育ちのハンバーグステーキ 3色のバリエ」(1,637円・税別)です。

猪肉と鹿肉の合い挽肉を使ったこのハンバーグが、なんと「よさこいジビエコンテスト2019」の優秀賞を受賞したのです!

鹿肉と猪肉は、7:3の割合で合い挽きにします。いろいろな割合を試した結果、赤身の鹿肉を7割入れる方がより濃厚な旨味が残ると感じたそう。

表面を焼き上げる前にサッと小麦粉でコーティングをします。そうすることで、肉汁を閉じ込め、よりジューシーな味わいになるのです。

ハンバーグに添える3種のソースにもこだわりが。この日は、右から「柚子のスプレッド」「自家製バシルのジェノベーゼ」「紅しぐれ大根のおろしソース」の3種。できるだけ地元産のものや自家菜園の野菜を使い、季節ごとに変えているそうです。それぞれのソースを付けると風味が変化し、最後のひと口まで美味しく味わえました。

このコンテストでの受賞をきっかけに、ジビエ料理への探求心に火が付いた唐木田さん。それからいくつかのメニューを考案し、2019年11月にこの「cafe&bistro 木の根 に萌す。」をオープンさせました。

地元食材と融合!森の中で味わうジビエ料理の数々

メニュー考案の際は、猪肉や鹿肉と地元の食材をどう組み合わせるかを一番に考えるという唐木田さん。

地元のお茶を使い、何か作れないかと考えていた時に思い付いたのが、この「お茶香る煮込み猪」(1,200円・税別)です。一度焼いた猪肉を緑茶ベースのダシに入れ、じっくりと低温調理します。緑茶によってより香しくなり、しっとりとやわらかい猪肉の味わいや食感が楽しめるといいます。

さらに、もう一つのおすすめがこちら。

「鹿ロース 赤ワインソース」(100g/2,137円・税別)です。余分な脂がなく、赤身中心の鹿肉はヘルシーで高たんぱく。女性にも人気の一品です。

このほかにも「猪のボロネーゼ タリアテッレ」や「猪タコスミートのナチョス」、「鹿のローストビーフ風 ホワイトバルサミコソース」などたくさんのジビエメニューがそろいます。

「ちょっとメニューを増やし過ぎて、たいへんなんです」と笑う唐木田さん。けれどそのくらい、ジビエの可能性を感じているということでしょう。

野生鳥獣の被害を乗り越え、循環する社会に。

唐木田さんの店で扱っているジビエは、主に高知県の大豊町で処理された猪肉と鹿肉が中心です。

「実は自分も野生鳥獣の被害を受けた経験があります。高知へ来て、ハウスを3つ借り、40~50種類の野菜を生産していますが、ビニールを突き破り、畑を荒らされてしまったこともありました。それぞれが生きるためと理解はしながらも、やはりどうにかしたいという想いが強く、ここでジビエを提供することで、少しでも循環する社会が作れたらと思っています」。

現在は、毎週金曜日の夜と、土・日曜の週3日、この「木の根ふれあいの森」の研修棟を借りて営業をしています。なので、ゆくゆくは違う場所に、新たな店を出すことを目標としているそう。
「とにかく今はいろいろなジビエ料理に挑戦し、お客様に食べてもらい、どんなメニューが人気になるのかを、日々学んでいるところです」。

静かに話しながらも、真っ直ぐと見据えるその先には、ジビエと共存するいの町の森の姿が確かに見えているのかもしれません。

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