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亡き父の味を引き継ぎ、忠実に再現する鹿肉料理を「味処 伊豆の佐太郎」静岡県伊豆市湯ヶ島

静岡 和食 シカ
2020.11.06

静岡県・伊豆半島の天城山は、鬱蒼と茂る森林と、清らかな川の流れが魅力的な場所です。名作『伊豆の踊り子』『天城越え』で有名な天城トンネル、日本の滝百選に選ばれた浄蓮の滝などの観光名所をしたがえるエリア。「味処 伊豆の佐太郎」(以下、佐太郎)は、その浄蓮の滝のすぐ目の前にあり、古民家を使った広々とした和食店として知られています。

オーナーの久保 博功さんのお父様が創業し、今年で46年。以前からファンが大勢来店しては、伊豆の鹿や猪、わさびを使った郷土料理を楽しんでいます。

趣のある古民家の中は、大小たくさんの民芸品が並んでいます。椅子席の他に座敷もあり、ほっと落ち着く空間です。窓もとても大きいので、開放感も抜群!

久保さんは二十代後半ころからお父様のそばで料理の修行をし、お父様が亡きあとは、お母様と2人で先代の味を守ってきました。ジビエは久保さんが小さなころから慣れ親しんだ味。

「正直、昔はジビエを積極的に食べたいとは思わなかったのですが、最近は処理技術が発達し、格段に美味しくなりました。仕入れた肉の質が向上したので、よりいっそう自信を持ってご提供できるようになりました」と久保さんは胸を張ります。

「佐太郎」の看板料理のジビエは、野生鳥獣による被害に悩む伊豆市が作った伊豆市食肉加工センター「イズシカ問屋」から仕入れたもの。止めさし(※罠で捕獲された野生動物にとどめを刺すこと)後4時間以内に持ち込みができるのは、伊豆市内に在住の「静岡県猟友会員」と「伊豆市有害獣捕獲隊員」、さらに搬入研修を受けた人のみ、という特徴があります。さらに、令和2年3月に国産ジビエ認証制度の第14号として認証されました。

「イズシカ問屋の鹿肉はあっさりしているのに、深いコクがある。すばやい処理と、10日間ほど低温熟成して旨味成分をアップさせているのがその理由のようですね」と久保さんは分析しています。

天城の絶品わさびと鹿肉の相性もいい!

今回、久保さんに作っていただいたのは「天城郷土料理セット(鹿)」と「鹿の天ぷら」の2品です。

「天城郷土料理セット(鹿)」(1,500円・税抜)のメイン料理は、ニンニクの芽や玉ネギ、キノコなどのたっぷりの野菜と鹿肉を味噌で炒めた焼肉です。

最初は味噌味と鹿肉の旨味を堪能し、その後は卵黄を崩して混ぜ合わせると、味変が楽しめます。
「使っているのは、3歳の出産していない雌鹿のモモ肉。イズシカ問屋のお肉は、どこよりもやわらかいと思います」と久保さん。確かに歯応え十分なのに、サクッと噛み切れるやわらかさ…。ついつい箸が進みます。

また、天城の名物の一つといえば、新鮮な本わさび。ミニわさび丼も郷土料理セットに副菜として付きます。

すりおろしたわさびと醤油などで味付けした削り節をご飯にかけ、混ぜていただきます。冷たい川の水で育ったわさびは、ツンとくる辛さの中にもほんのりとした甘味が感じられ、鹿肉の味とも程よくマッチ。

揚げたてのサクサク天ぷらを、カレー粉&マヨネーズで召し上がれ!

次は「鹿の天ぷら」(990円・税抜 ※要予約)。天ぷらは揚げたてが一番美味しいので、提供されてからすぐに頬張ります。

天つゆか塩で食べるのが定番ですが、先代のアイデアで、カレー粉とマヨネーズで。これだとスナックっぽい一品になり、小さな子どもでも喜んで食べられるのがポイント。衣もサクサクで美味しい! カレーのスパイスとマヨネーズ、どちらも鹿肉の野性味を損なうことなく、肉の味を生かしてくれます。冷めても鹿肉が固くならないのもポイントです。

お供のお酒は、伊豆半島唯一の酒造である万大醸造の「あらばしり」(1杯400円・税抜)を。辛口冷酒のすっきりとした味わいと、からりと揚がった鹿肉との相性も抜群です。

「美味しい伊豆の鹿肉を、できる限り多くの人々に提供したい。父が作り上げた味を、お客さんは楽しみに来てくれているので、それを守り続けることが私の使命です」と言う、久保さんの笑顔が印象に残りました。

秋の天城周辺は山歩きに絶好! 歩き回ってお腹が空いたら、「佐太郎」のジビエを極上のワサビと共にぜひ味わってみてください。

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