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イタリアで修行したマンマの味を受け継ぐこだわりジビエ「トラットリア ダ・テレーサ」神奈川県横浜市緑区

神奈川県 イタリアン 焼肉・ロースト パスタ・ピザ シカ イノシシ エゾジカ
2021.01.18

神奈川県横浜市緑区中山は閑静な住宅街で、「トラットリア ダ・テレーサ」は、JR・横浜市営地下鉄中山駅から歩いて5分ほど。少し車を走らせると「よこはま動物園ズーラシア」などがあります。

料理人歴25年以上のオーナーシェフ・篠田 雅弘さんが切り盛りするこのお店は、地産地消にこだわり、地元のお客様などから愛されています。また、篠田さんは川崎市にある姉妹店「サン・ジョルジョ」のオーナーでもあります。

茶系をベースにしたゆったり落ち着いたインテリア。大テーブルもあるので、グループでも一つのテーブルで食事を楽しめます。

イタリア・リグーリア州での料理体験が現在の味の基本に

篠田さんは、イタリアのリグーリア州で料理の修業をし、修業先の店のマンマ(お母さん)・テレーサさんの名前を店名にしました。しかし、そもそもなぜイタリア料理だったのでしょう?

「最初はフレンチをやっていましたが、イタリアンの店で働いていた先輩に誘われたのがきっかけでこの道に入りました。イタリアンは、目で見た瞬間に素材の美味しさが直に伝わってくるもの。そのシンプルな魅力とパスタの奥深さに惹かれて…。州によっても料理法が違うのがおもしろかったですね」とイタリア料理の醍醐味を語ります。

「マンマのところで修業したのが20年ほど前。『いつか自分のお店を持ったら、マンマの名前を付けさせてもらうね』と約束していたのです」
そのテレーサさん、残念ながら2020年に亡くなってしまったそう。しかし、彼女が亡くなる前に店の従業員や家族を連れてイタリアに旅行し、マンマに再会できたとか…。

絶妙な塩加減の蝦夷鹿ローストは、ほんのり柑橘系の香りで

今回紹介するのは、テレーサさんから受け継いだ味をベースに、篠田さんがふるまう鹿肉と猪肉を使った料理2品。

鹿肉はフレッシュな内モモ肉の塊を使用。「ドライエイジング(水分を飛ばしてゆっくり熟成)して、旨味を凝縮させることも。そのほうが鹿本来の香りや味を堪能できるからです。ですが、普段ジビエに慣れてない人には、クセがない新鮮な肉をご提供した方が食べやすいし、お口に合うでしょう」と篠田さんは言います。

フライパンで表面にじっくりと焼き目を付け、その後オーブンへ。これを交互に繰り返しつつ、時々休ませながら肉の内部までじっくりと火を通していきます。ここを丁寧にすることで肉が固くならないのです。

肉から出た脂を再度肉にかけて焼くと、肉が乾燥せずにしっとりと仕上がります。だから時間が経ってもやわらかいまま。

大きめのそぎ切りにして、塩・胡椒し、さらにベルガモットオイルを軽く振りかけ柑橘系のさわやかな香りをプラスしたら完成!

こちらが「蝦夷鹿のロースト」(3,200円・税抜)。とにかく鹿肉の塩加減が絶妙です!

調理中、篠田さんは何気なく肉に“振り塩”をしていましたが、味見もせずにどうしてここまでいい味付けができるのか…。キャリア四半世紀のなせる技かもしれません。

添えられたワイルドルッコラ(正式名はセルべチカ)には、塩、白胡椒、バルサミコ酢、マンダリンオイル(みかんのオイル)をミックスしたドレッシングを混ぜ合わせます。箸休めとして、肉の脂身をさっぱり中和してくれます。

濃厚な猪ラグーソースにはパッパルデッレがマッチ

次は、島根県産猪のラグーソースの作り方を見せていただきました。

猪肉以外には、玉ネギ、ニンジン、セロリ、さらにグリーンペッパーとマロングラッセを砕いたものを入れ、赤ワインでコトコト煮込みます。

パスタに魅せられた篠田さんですから、パスタはもちろん手打ち。タリアテッレの倍以上の大きさのパッパルデッレを合わせたのには理由があります。
「細い麺だとラグーが残ってしまうことがあるのでもったいない。これぐらい大きなパスタの方がいいと思ったのです」とのこと。

たっぷりのラグーソースとモチモチ食感の「島根県産猪のラグーソースの手打ちのパッパルデッレ」(1,700円・税抜)」の出来上がり!

マロングラッセのほのかな甘味と、グリーンペッパーの辛味が猪肉とマッチ。2つとも出過ぎることなく、また控えめにもならず、ちょうどいい具合にラグーソースの中で存在感を放っています。

料理にマリアージュしていただいたワインは、キャンティ・クラシコの「オルマンニ」(7,000円・税抜)。メインのぶどうの品種は、サンジョヴェーゼ。芳醇なルビー色と豊かな香り、ベリー類を思わせる味わいが、鹿肉や猪肉とよく合います。

「会社員だった父親に『男なら“一生もん”のやりたいことをやれ』と背中を押されて、この道に入りました。料理の見た目と味が直結するのがイタリアンのよさですが、最近ではフレンチのように複雑な“進化系イタリアン”も出てきました」
そういう潮流はあっても、素材のよさと味をお客様にシンプルに伝えることが、篠田さんのブレない信念。ジビエもしかり、です。

「自分が楽しんで作ったものを、お客様に美味しいと思っていただき、またお店に来てもらう。それに尽きます」と微笑む篠田さんでした。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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