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ハンターシェフが生み出す絶品ジビエで北海道を味わい尽くす「french gaucher」北海道札幌市中央区

北海道 フレンチ 焼肉・ロースト パテ ソーセージ シカ クマ エゾジカ ミシュラン
2021.01.28

北海道札幌市の中心部・すすきのから、路面電車に乗り換え一駅目「資生館小学校前」で下車すると、札幌と函館を繋ぐ国道36号線、「月寒通(つきさむどおり)」の真ん中に降り立ちます。古くから北海道の大動脈として発展してきたこの街道は、今も物流の要所として賑わっています。

そんな賑やかな街道近くに、狩りもこなすハンターシェフによる本格フレンチジビエ料理が人気を呼んでいると聞き、伺いました。

駅を出て街道の表通りから徒歩2分、資生館小学校から1本隔てた落ち着いた裏通りに、多様な飲食店が軒を連ねる大洋ビルがあります。

その2階にあるのが、今回ご紹介する「french gaucher(フレンチ ゴーシェ)」(以下、ゴーシェ)です。

マルシェを思わせる活気あふれる店内

重厚な扉を開けると、奥行きある広い空間が目に飛び込んできます。

奥にはテーブル席に加えカウンター席もあり、レンガ造りとグリーンの壁が印象的。

手書きのメニューも素敵です。

フランスの“マルシェ”を意識した店内には、調理前の鴨やウズラなどの食材もディスプレイに並んでいて、本場フランスの市場に流れる活気を彷彿とさせ、これからいただく食事への期待が高まります。

店主の小鹿(こしか) 陽介さんは、調理専門学校を卒業後、国内のフレンチレストランで10年修行し渡仏。4年間本場で料理や猟を学び、帰国後数年すすきのの人気店「パロンブ」でシェフを勤め上げたのち、2015年に独立。「ゴーシェ」をオープンさせました。2017年には「ミシュランガイド北海道」でビブグルマンに選出されました。

フランスで猟について学んだこともあり、調理する食材を自分でも獲ってみたいと、帰国後には狩猟免許も取得、猟期になると山へ足を運びます。

ハンターとシェフ、2つの顔を持つ洋介さんは、いつも食材への感謝を忘れないように料理と向き合っていると言います。
「食材といっても、さっきまで動いて生きていたもの。だからこそ大切に扱います。今回提供するテリーヌやパテも、食べられるところはすべて使い尽くした料理です」

蝦夷鹿、蝦夷ヒグマの絶品料理に大満足

今回いただく一品目の料理は、「シャルキュトリー盛り合わせ」(2人前2,050円・税抜)。蝦夷鹿のモルタデッラ(ソーセージの一種)、牛タンスモーク、水牛ハム、ジャンボンブラン(自家製ゆでハム)、パテ・ド・カンパーニュ、フォアグラのテリーヌなど6種。バラエティ豊かな「パロンブ」時代からの定番で、常連さんが必ずといっていいほど頼む人気メニューだそう。※写真は2人前

盛り合わせの中身はどれも甲乙付けがたい逸品ぞろいです。しかしその中でも今回の主役「蝦夷鹿のモルタデッラ」は格別でした。モルタデッラとは、ボローニャ地方の伝統的なソーセージで、塩を効かせたやわらかい生サラミのような食感です。豚肉で作られるのが一般的ですが、そこに蝦夷鹿がたっぷりと練り込まれています。ひと口噛みしめると、濃厚な鹿の旨味が一気に広がって、香りも香ばしく、いくらでも食べられそう。来店の際には必食の価値ありです!

二品目の「ヒグマのパテ」(2人前2,200円・税抜)は、ヒグマの肩肉や腕肉などと脂肪を合わせ、豚レバーや卵と共にパテにしたものです。約120gとボリュームタップリ。※写真は2人前

大きいので切り分けてから、いただきます。

口に運ぶと最初の風味は意外にもさっぱりとしていて、喉越しもするりとなめらかですが、熊肉らしい旨味はしっかりと凝縮されています。満足感あふれるひと皿です。

三品目は「エゾシカのロースト」(2人前2,700円・税抜)。鹿肉の魅力を存分に味わえる鉄板メニュー。ガルニチュール(付け合わせ)は北海道の名物ジャガイモ「インカのめざめ」と、万願寺甘とう、舞茸、ナスなど、季節によっても変わります。蝦夷鹿はたっぷり250g。フランスレンジで1時間程度じっくりと焼き上げられます。※写真は2人前

ナイフを入れると、とってもやわらか。ひと口噛んだ瞬間、鹿肉の純粋な旨味があふれ出し思わず目を閉じました。二品目までの濃厚な個性を味わったあとなのに、シンプルなこのローストは大きな存在感を放ってきます。絶妙な焼き加減と丁寧なカットが、蝦夷鹿のよい味を最大限まで引き出しているからでしょう。

すべてのメニューがボリュームたっぷりで味にも量にも大満足です。「ゴーシェ」ではシェアして食べるのが前提のメニュー構成で、コースなしのアラカルトのみとなっています。

こだわりのナチュラルワインも外せない

最後に忘れてはいけないのが、ジビエを引き立てる相棒のワイン。「ゴーシェ」では店主の奥様の陽子さんが「パロンブ」のころからワインを担当してきた経験を生かして、とっておきのワインを選び抜いています。

「私自身が毎晩飲んでしまうほどワインがとっても好きなんです。試飲をまめにして美味しいワインとシェフの料理に合うナチュラルワインにこだわって仕入れています」と陽子さん。

ジビエが好きな方はもちろん、ナチュラルワインを楽しみたい人にも自信を持っておすすめできる「ゴーシェ」。札幌にお越しの際は、路面電車からの景色も楽しみながら、ディナーに訪れてはいかがでしょうか?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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