北海道・ELEZO社から取り寄せる蝦夷鹿肉とソムリエ厳選ワイン「Osteria Bubbino」東京都中央区日本橋
東京・日本橋、老舗店が集う人形町駅の程近くに建つ「Osteria Bubbino(オステリア ブッビーノ)」(以下、オステリアブッビーノ)。
店名は、幸せのシンボルとして知られる豚の鳴き声「ブピーッ!」と、イタリア語でワインを意味する「vino(ビーノ)」を掛け合わせた言葉から付けられたそう。
店内には、店名にちなんだかわいらしい豚の置物や絵画があちこちに飾られ、目を楽しませてくれます。お客さんからいただいたものも多いのだとか。
ウォールナット材を使ったオーダーメイドのテーブルとイスが配された店内は、落ち着いた空間。ゆったりとした時を過ごせそうです。
シェフの倉田 昇さんは、和食の料理人からイタリアンシェフへ転身したという経歴の持ち主だけあって、和のエッセンスを巧みに取り入れた料理に定評があります。ジビエへの思いを聞いてみると、「もともとジビエ料理が大好きなんです。最初にレストランでジビエ料理を食べた時の衝撃が忘れられない」との答えが。
こちらで楽しめるのは、蝦夷鹿のジビエ料理。北海道十勝で、蝦夷鹿の狩猟から下処理、流通、製造、料理までを手掛ける食肉料理人集団「ELEZO(エレゾ)」から仕入れています。「ELEZO」の肉を扱うには、年1回、「ELEZO食材使用店 認定書」を発行してもらう必要があり、入口脇にはこちらの認定書が掲げられていました。
肉質へのこだわりから、仕入れるのは未経産の3歳雌鹿のみに限定。非常にやわらかで旨味もあり、上品な香りが特長です。
こちらは、届いたばかりのモモ肉。
「鹿肉は鮮度のよさが大切なので寝かせず、新鮮なうちに調理します」と、倉田シェフ。
肉質への徹底したこだわりから生まれる絶品ロースト
取り寄せたばかりのモモ肉で作ってくれたのは、「北海道産 三歳雌蝦夷鹿のロースト グリーンペッパーとラズベリーソース ビーツのピューレ」(2人前3,960円・税込)。リピーターの多い定番メニューです。※写真は1人前
調理でとりわけこだわっているのが、肉の焼き加減だと言います。フライパンで焼き目を付けたらいったん火を消し、ボウルを被せて余熱でじっくりと火を通す。これを数回繰り返していくことで、やわらかでジューシーな焼き上がりに。
「アツアツに仕上げるのですが、温度が高すぎると鹿肉のドリップが出てしまって旨味が逃げてしまうので、その一歩手前で止めるのが大事」と、倉田シェフ。
美しい焼き上がりの鹿肉を口へ運ぶと、倉田シェフの言葉に深く納得…。本当に美味しい蝦夷鹿肉というのは調味料が要らないんだ!と感じるほど旨味が強く口内に広がりますが、驚くほどやわらかさで、あっという間に喉へ落ちていきます。ひと口ひと口が至福の瞬間です。
この日のソースは、仔牛でとったフォン・ド・ボーに、ラズベリーピューレと鹿の骨などからとったジュ(出汁)を合わせたもの。肉に少し付けるだけで、鹿肉の風味がさらに濃厚に感じられます。ソースや付け合わせの野菜は季節に応じて変わるそうで、オーナーの出身地である種子島の食材が登場することも多いとか。
肉料理は、蝦夷鹿以外も充実していますが、どれもじっくりと焼き上げるため、調理時間は60分以上かかるそう。アラカルトの場合、最初にオーダーしておくのがおすすめです。
料理とワインのマリアージュも魅力的
ローストを待つ間に楽しみたいのが、「鹿児島黒毛和牛とELEZO社蝦夷鹿のテリーヌ 彩ピクルスとタプナードソース」(1,650円・税込)。
こちらも、ELEZO社の3歳雌蝦夷鹿を使った品です。
「鹿肉だけでテリーヌを作るとボソボソとした食感になってしまうため、A5ランクの黒毛和牛と半々で合わせることで滑らかな口当たりになります」
口の中に入れると、鹿肉の旨味と香りは十分感じながらも、和牛の良質な脂が上品に絡まり、これまた美味。付け合わせのピクルスや黒胡椒、オリーブのタプナードソースを付ければ、その都度違った味わいを楽しめるのもポイント。
「オステリアブッビーノ」では、ソムリエが厳選するワインも自慢の一つとのことで、鹿肉に合うワインを教えてもらいました。
写真左から、「イル・ビアンコ・ディ・チェーザレ」(ボトル9,350円・税抜)。150年以上使い続ける木樽で熟成した希少ワインです。中央は、チェリーやプラムの香りの中に、甘いスパイスのニュアンスもある「ガメ・エルヴェ・ヴィルマード」(ボトル7,590円・税抜)。スパイシー、かつチェリーのような果実味を感じさせる「レフォスコ・エチケッタ・ビアンカ」(ボトル7,920円・税抜)もおすすめです。
ワインは、グラス(825円・税抜~)も用意。ソムリエ厳選ワインのペアリングセット(5種類5杯3,850円・税抜、6種類6杯5,280円・税抜)もあるので、ワイン好きな方はぜひ相談を。
実はこちらのレストラン、姉妹店も充実しています。同じ人形町には、焼肉とワインを楽しめる「MANZOVINO(マンツォヴィーノ)」、赤坂には和牛とワインが自慢の「Manzovino piccolo(マンツォヴィーノ ピッコロ)」があります。すべてのお店で、北海道ELEZO社の蝦夷鹿肉を味わうことができます。
ちなみに、「オステリアブッビーノ」は、大人の時間を大切にしたいからと、入店できるのは中学生以上になります。蝦夷鹿を使った料理は、コースメニュー(6,930円~・税込)の中での提供も可能なので、その日の気分に合わせて相談してみるのもいいでしょう。
居心地のいい空間で、肉質にこだわり抜いた蝦夷鹿料理とソムリエ厳選のワインとのマリアージュを、ゆったり楽しみたい一軒です。
Osteria Bubbino(オステリア ブッビーノ)
- 公式サイト: https://bubbino.com
- 住所:東京都中央区日本橋人形町1-10-3 スクエアードコート日本橋人形町1F
- TEL:03-6661-2839
- 営業時間:ランチ11:30~14:00(LO)/ディナー18:00~22:00(LO)
- 定休日:不定休
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※新型コロナウイルス感染防止対策に伴い、営業時間が変更となる場合があります
※別途、コペルト(パン代、席料)として330円(税込)が必要
- ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
- 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。