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ジビエの魅力に開眼するファン続出!円熟のフレンチ「ビストロ グラン・ソレーユ」東京都杉並区西荻北

東京都 フレンチ ビストロ 焼肉・ロースト シカ イノシシ カモ エゾジカ ランチ コース
2018.11.20

駅から少し歩けば閑静な住宅街が広がり、落ち着いた街並みの中に高感度な書店やインテリアショップなどが店を構え、中央線カルチャーが上品に息づく街、東京・西荻窪。駅から程近い場所に、ランチもディナーも予約で常に賑わう、フランス料理店「ビストロ グラン・ソレーユ」があります。

腕を振るうのはフレンチ料理人歴30年以上のオーナーシェフの木村裕二氏(下写真右)と、取締役で副料理長の野口和俊氏(下写真左)。木村氏は18歳の時にホテルのレストランで料理の道に入り、21歳の時にフランスへ。パリやリヨン、南仏などを4年かけてまわり、帰国。その後もイタリアに渡り、ヴェネツィアとフィレンツェに1年ほど滞在。ミシュラン1つ星から3つ星までの星付き店をはじめ、多彩なレストランで経験を積んできた、熟練の料理人です。

ジビエの本場フランスで解体から学ぶ

野口氏は4年ほど前から木村氏の片腕を務め、2人のコンビネーションで多くのファンを魅了する料理を作り上げています。ポーションもしっかりとボリュームがあり、ランチコースは2,100円から、ディナーコースは3,900円(ともに税込)から提供しているなど、リーズナブルなのも人気の秘密。数あるメニューの中でも、木村氏が最も得意とする料理の一つが、ジビエを使った一皿です。

「フランスではジビエは日本より身近でした。猪を一頭丸ごとの状態からさばいたり、野兎を皮からはいで切り分けたりすることも日常的に担当していましたね。処理から調理法、ソースの作り方まで、フランス人から直に学べたのは大きな経験です」(木村氏)

特に冬を前にしたこの時季、木村氏が作るジビエ料理を求め、予約の電話がひっきりなしに鳴り始めます。お店では猪や瓜坊、蝦夷鹿、山鳩、山鶉、雉、山鴫、青首鴨、渡り鴨、尾長鴨など、入荷状況によりバラエティ豊かなジビエを味わうことができ、そのラインナップを確かめるため電話をしてくるお客さまも多数。

「ジビエは誰でも上手く調理できる食材というわけではありません。2012年、三鷹から今の場所にお店を移す際に一度店を閉めた時、自分に何ができるのかを突き詰め、若い時から親しんだジビエ料理を看板メニューの一つにしようと考えました」(木村氏)

希少な瓜坊を部位ごとに満喫

日本でも20年近くジビエ料理を作り続けてきた木村氏は、長年のコミュニケーションで仕入れ先との信頼関係も築き上げており、数社から良質なジビエ食材を安定的に入手しています。そして、数あるジビエの中でもこの時、取材班が幸運にも出会えた食材が、瓜坊。10キロに満たない、未成熟の仔猪のことで、なかなか獲れない希少な逸品です。

「静岡県・南伊豆産の瓜坊のロースト ヒレ肉 クラシタ肉 背肉 トリュフの香りがするソース」(8,000円・税込)は、その瓜坊を、ヒレ肉、肩から背中にかけてのロース部分であるクラシタ肉、骨付きの背肉という3つの部位ごとに楽しめます。

すべてのお肉はフライパンで軽く焼き目をつけ、オーブンでじっくりと最高の状態に火入れ。左上のヒレ肉は、とにかく抜群の柔らかさ! 口の中でとろけるようで、粒マスタードが良いアクセントです。右下のクラシタ肉はきめが細かく、かむと旨みがジュワリ。ニンニクのピューレとパン粉、パセリを混ぜ合わせたペルシヤードを表面に塗りつけ焼かれてあり、クリスピーな風味もたまりません。中央の背肉は、木村氏が「脂が付き、最も猪の味が凝縮されている部位」と話す通り、食べ応えのある濃厚な味わい。さらにフォン・ド・ヴォーなどをベースに、猪の骨のだしや芳しい香りのトリュフを加えたソースがお肉の味を引き立てます。

2皿目として出していただいたのは、「北海道産の蝦夷鹿ロース肉のロースト カプリス風 ソースカシス」(6,000円・税込)。蝦夷鹿は特に柔らさにこだわり、ローストに使うのはロース肉のみ。美しいロゼ色に火を入れた蝦夷鹿はジューシーな旨みを湛えています。添えられた焼きバナナが甘みを、カシスを煮詰めたソースが程よい酸味を加え、口の中で最高のハーモニーを奏でてくれます。

メインの料理に添える彩り豊かな野菜は、お肉との相性を考え、副料理長の野口氏が厳選して調理したものばかり。一皿に17種類ほど盛り合わせ、中にはロマネスコやケールなど珍しい野菜も揃います。

熟成ではなく鮮度へのこだわり

「最近は熟成肉ブームですが、私はジビエこそ鮮度が最重要と考えます。寝かせることでどうしても野趣が強くなってしまい、苦手という人もほとんどがこの野性味のせい。ジビエは店に届いてからも徹底的に掃除してきれいにし、最高の鮮度で調理するよう心掛けています。まず、できるだけ食べやすい形で料理を提供し、おなじみの牛や豚、鶏、羊肉にない、ジビエの豊かな香りや旨みを満喫してもらえたら」(木村氏)

本場での修業を経た確かな技術に基づき、とにかくお客さまの目線に立って、食べやすく、フレッシュなおいしさを追求した、円熟のジビエ料理の数々。このお店でジビエの旨さに開眼し、足繁く通うようになったお客さまが多いというのも納得。ジビエ入門にも最適なお店といえそうです。

 

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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