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フランス料理一筋のベテランシェフが伝える王道ジビエ料理 「ル・コントワール・ドゥ・レジオン」

フレンチ 東京
2018.12.06

JR、メトロ、東武線、つくばエキスプレスといったさまざま路線が交錯し、有名大学が移転してきたことで、注目を集める北千住。どんどん発展しつつも、まだまだ下町の面影を色濃く残すエリアでもあります。その活気あふれる駅前の大通りから1本裏側にあるのが「ル・コントワール・ドゥ・レジオン」。住宅街の中にひっそりと佇む、この隠れ家的レストランは3年前にオープンしました。小さなドアを開けると、テーブル3つと、カウンター席が5つほどと、こぢんまりとした心地よい空間が広がります。

敷居が高く感じるフレンチを、身近に感じて欲しい

この街に惹かれた一人でもあるシェフの濱崎源太さんは、フレンチ一筋40数年。国内の名だたる名店や、南フランスの料理店でも修行し、かの有名な料理学校「ル・コルドン・ブルー」でも講師を務めた輝かしいキャリアを誇ります。その経歴から、さぞや気難しい方かと思いきや…、人懐こい笑顔とトークに、ホッと癒されます。

「僕が仕事を始めたのはバブル期。当時の日本はイケイケで、なんにでもトライできた時代でした。どうせやるなら正統派の料理にとことん挑戦したいと思って、フレンチの道に進んだのです。でもちょっとお高く止まっているイメージがあるので(笑)、多くの方々に気軽に召し上がっていただきたいと、庶民的な北千住で店をオープンしました」。
そんな濱崎さんの渾身を込めて作り上げたジビエ3点を、早速いただくことにしました。

まずは、前菜の「イノシシとフォラグラのテリーヌ」から。
意外な組み合わせに少し驚きますが、このコンビネーションが絶妙なのです。「対馬産のイノシシの前脚を赤ワインでじっくり煮込んでいます。もともと筋肉が発達して硬い部位ですけれど、柔らかいでしょ?」。滑らかでしっとりとした口当たりは、確かに馴染みのあるテリーヌのもの。でも、豚肉などを使った定番のものと比べると、しっかりと深みのある味に仕上がっています。バルサミコソースがテリーヌを引き立て、前菜というよりもはやメイン料理の風格に。

旬の山うずらに、“ジビエ魂”に火がついた!

2品目は、今回の主役ともいえる「山うずらのグリエ」。
使っているのは、特に柔らかく美味しいと言われる「ペルドロー」(1歳以下の若鳥)。日本でうずらといえば、おなじみの小さな卵ですが、欧米では一般的に食されているポピュラーな食材。11月中旬から出回る野生のうずらは、ジビエ好きにはたまらない一品と言えそう。

厨房に入って調理方法も見せていただきました。波型フライパンで余分な脂を丹念に拭き取りながらグリルしていきます。数週間寝かせて熟成させたお肉からは、そのうちなんとも言えない食欲をそそる香りが漂ってきます。それは田舎の山並みや田園風景を思わせる懐かしさ…。味はもちろん、「これぞジビエ!」と思わせる重厚感です。

最後は、蝦夷鹿のローストを。
「山うずらの後だと少々淡白に感じるかもしれませんが、誰にでも食べやすいのが、鹿肉のいいところなんです」。あっさり目のお肉には、フォン・ド・ヴォライユ(鶏の白色スープ)ソースに加えてコクもプラス。
3品は一見バラバラなようで、実はバランスよく連動しています。ちょっと重めの前菜、ジビエの魅力が凝縮した野性味たっぷりの山うずら、そして誰の口にも合う蝦夷鹿。メニューの意外性とメリハリも、濱崎さんの腕の見せ所なのかもしれません。
忘れてならないのが、マリアージュのワイン。濱崎さんが選んだのは、南フランスを代表するスパイシーなコート・ドゥ・ローヌとボルドー。どっしりとヘビーに感じますが、口当たりは思ったより軽いので、お肉とのハーモニーは最高です。

さて、濱崎さんにとって、ジビエの魅力とは何でしょうか?
「そうですねえ…。やはり“今しか食べられない”という季節性と、よい素材との出合いに尽きます。野生ですから、我々にはコントロールできない手強さも魅力です」。
食材への愛情と、飽くなき探究心——ベテランシェフならではの味わい深い言葉でした。
3品は、シェフおまかせコース5,000円(税抜)、特別コース10,000円(税抜)のコースに含まれます。ぜひ、季節の逸品を求めて、北千住の裏通りまで足を運んでみませんか?