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生産者との深い絆が育む千葉県愛! “千産千消”を徹底するイタリアン 「PIZZERIA347(ピッツェリアサンヨンナナ)」千葉県船橋市

千葉県 イタリアン パスタ・ピザ イノシシ ランチ
2019.03.15

千葉県のJR船橋駅北口から歩くこと約3分。賑やかな南口エリアとは異なり、閑静な住宅街が広がる北口エリアに、特製のピザ窯で焼いたモチモチピッツアが絶品と人気の「PIZZERIA347」はあります。

室内に約70席、中央のテラスに約100席ある広々とした店内は、“空と水と緑”をテーマにした開放的な空間。ちょっとしたパーティや結婚式の二次会にも重宝しそうです。

2013年にオープンした「PIZZERIA347」ですが、転機が訪れたのは2017年のこと。地元、千葉県内の農家さんを招いて、マルシェを開催した時「実際に地元の野菜を食べてみたら、美味しいものばかりで。千葉ってこんなに美味しいものがあるのか、と改めて知ったんです」。

そう話してくれたのは、「PIZZERIA347」と渋谷の「347CAFE&LOUNGE」で統括料理長を務める齋藤弘一さん。

齋藤さんはマルシェで知り合った農家さんのもとを訪れて交流を深め、野菜や果物、鶏卵といった食材がどのように作られているのか、生産者はどのようなこだわりを持っているのか、実際に自分の目で確かめてきたそうです。そうして自身が納得した生産者と契約を結び、“千産千消”のイタリアンレストランとしてスタートすることになりました(千葉県では 「地産地消」の「地」を千葉県の「千」に変えて「千産千消」と表記しています)。

「それまではごく一般的なイタリアンだったんですけど、『千葉県産の食材で徹底する』と決めたことで、店の骨格というか、軸が決まった気がしますね」

 

仲良くなった農家さんから聞いた鳥獣被害

店のメニューを開くと、料理よりも食材の生産者の写真が大きく載っていて、それぞれの食材がどんな風に育てられてきたのかを知ることができます。

そんな契約農家さんとの交流の中で、齋藤さんは野生鳥獣による被害を知りました。

「あちこちの農家さんから“困っている”という話を聞いて、うちで何かできるとすれば、ジビエじゃないか、と昨年から千葉のジビエを取り入れることにしたんです」

 

千葉県産のジビエの特長はクセの少なさ

千葉県内にはジビエを取り扱う食肉処理加工施設がまだ少なく、千葉県産にこだわる「PIZZERIA347」では安定してジビエを仕入れることは難しいそう。そのため、ジビエ料理はグランドメニューではなく、「基本的には常連さんやジビエ好きな方のための裏メニュー」。この日は幸運にも2品を出していただくことができました。

まず1品目は、「千葉県産 猪の自家製サルシッチャと菜の花のピッツァ」(1,800円・税抜)。サルシッチャとはイタリアでいうソーセージのことで、香辛料や香草などでしっかりと味付けが施されています。そこに千葉県らしい菜の花やフレッシュトマトとモッツァレラチーズが加わると、口の中でそれぞれの旨みが合わさり、絶妙なハーモニーを奏でるのです。

「昨年は鹿、今年は猪を使っているんですが、千葉県産のジビエの特長として、あっさりしているというか、クセが少ないことが挙げられると思うんです」。そのため、あえてサルシッチャにすることで、ピッツァのアクセントとして生かせるメニューにしたそう。

次にいただいたのは「千葉県産 猪とポルチーニ茸のラグーソース 理想郷ふさこがねの米粉パスタ」(1,800円・税抜)。濃厚な香りのポルチーニ茸をあっさりめの猪に合わせることで味わいに深みを出し、コクのあるラグーソースで仕上げた一皿です。赤ワインにしっかりと漬け込んだ猪肉は、口の中でほろほろとほぐれていく柔らかさで、ポルチーニの歯応えと対照的なのが印象的。

また、米農家さんの自家製米粉パスタは、平打ち麺でもっちりとしていて、猪のラグーソースとよく絡み合い、相性抜群!

「今回入手できた猪は赤身が多かったので、ラグーソースが合うと思ったんです」。入荷する肉質に合わせてメニューを考案するあたりに、彼の料理人としての懐の広さを見たような気がしました。

 

「自分も知らなかった千葉の魅力を伝えたい」

千葉県我孫子市出身の齋藤さんは、ナポリ出身のシェフがいる「PEPPE napolistaca(ペッペナポリスタカ)神谷町」などで、イタリアンの料理人としての腕を磨き、3年前からここ、「PIZZERIA347」でその手腕を発揮しています。

「前の店にいたころから鹿や猪、兎など、普通にジビエは扱ってきました」と齋藤さん。それまでの経験があったからこそ、千葉県産ジビエの特長を“クセのなさ”と見抜き、それを生かすメニューを考案できるのでしょう。

「千葉は野菜、果物はもちろん、肉、魚、チーズと、美味しい食材がたくさんあるんですね。少しでも多くの人に千葉の食材の魅力を知ってほしい。そのためにも千産千消を続けていきたいですね」

そしてそれは「ジビエも同じ」とのこと。今後、千葉県産のジビエがもっと手に入りやすくなったら、さらに多彩なメニューをここ、「PIZZERIA347」で楽しめるようになるでしょう。いつか再訪した時、どんなジビエ料理が味わえるのか、期待に胸がふくらむお店でした。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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