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クラシック・フレンチのわかやまジビエ「hotel de yoshino」和歌山県和歌山市

和歌山県 フレンチ スープ シカ イノシシ コース
2019.03.28

クラシック・フレンチの雄を唸らせた和歌山のジビエ

ミシュランガイドで1ツ星を獲得したフランス・パリの「ステラマリス」オーナーであり、フレンチ界の巨匠・吉野建シェフが開いたガストロノミーレストラン「hotel de yoshino」。

和歌山の街を一望するビッグ愛の最上階に位置し、地元食材を用いたクラシックで繊細なフレンチがいただけるお店です。そして、ここでオープン当初から腕をふるうのが、クラシック・フレンチの旗手とも称される屈指の料理人、手島純也さんです。

もともとフランスはジビエ料理の先進国。中でも手島さんが師事するオーナーシェフ吉野健氏は2000年に優れた野ウサギ料理に与えられる「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」最優秀賞を獲得し、フランス政府から農事厚労賞が授与されたジビエの名手。ジビエ料理のレパートリーも多く、その持ち味の生かし方も心得たもの。その姿を見て、手島さんもおのずとジビエへの思い入れを強くしていったといいます。

「和歌山は全体的に食材のポテンシャルが高い。魚介類、フルーツはもちろん、ジビエもまた和歌山が誇る食材」そう話す手島さんは、元々山梨県出身。実家が居酒屋だったものの、意外にも高校ではコンピューター系の情報処理を学び、技術職で就職。

その後、家庭の事情で実家に帰ることとなり、料理の道を志すことに。その際フレンチを選んだのは、ヨーロッパへの憧れから。始めると料理にのめり込み、26歳でシェフを任されるも、思い直して本場フランスでの修行を夢見て渡仏。そこで訪れた最後の1軒が「ステラマリス」でした。

こちらで秋冬の定番となっているジビエのトゥルト(パイ包み)は遠方からもわざわざこの味を求めて訪れる手島さん自慢のスペシャリテ。ディナーのシェフのお任せコース16,000円~以上でいただけるこの料理、断面を見るとその奥深さを実感します。

シヴェと呼ばれるイノシシの煮込み肉と古座川のシカ肉でフォアグラを挟み、さらにその周りをパルマ(ミンチ肉)、パイ生地が包み込んでいます。仕上げに内臓を用いた赤ワインのジビエソースと根セロリ・ビーツのピューレで完成。ひと皿にさまざまな味が凝縮し、一口ごとに違う感動が押し寄せる、まさに「テロワ(大地)の料理」。

そして、コース前半でいただくコンソメスープもまたスペシャリテと言うべき一品。香り高く澄ませた琥珀色のスープは、あえて小さなコーヒーカップで提供されます。

その理由は、しっかりと濃縮させた香りも口にした瞬間一緒に愉しめるように。スプーンを介さずそのまま口にすることで、じっくりと磨き上げられた味と香りが堪能できます。この日のコンソメは古座川のシカのコンソメ。手島さんも絶賛する古座川のシカの上質な旨味がカップに凝縮されています。

パティシエルームはドルチェだけでなく、パンやトゥルトの生地を焼きあげる際などでも活躍。ガラス張りになっているので、店内からもその工程を眺めることができます。

取材時のコースで提供していたドルチェは「蔵光農園のみかんのテリーヌ 生石高原のヤギのミルクのソルベ」。細部までこだわりの和歌山食材が使われていました。

素材としての高いポテンシャルがあるからこそ

「和歌山産だから使うというのではなく、素材としてよいので使いたいと思うんです。強いソースにしすぎなくてもいいほど、シカもイノシシも素材としてよい。でなければ料理人として使わない」と手島さんはきっぱりと言います。「東京に行けば各地のいいものが手に入る。けれど、和歌山に至っては、地元で手に入る。食材の素晴らしさが和歌山を離れなかった理由の1つです」。

世界を知るシェフにそうまで言わしめる和歌山の食材、そして和歌山のジビエ。そのポテンシャルを最大限に引き出す料理を、市内を見晴らす絶景ビューとともに味わう贅沢な時間を過ごしてみませんか。

 

※「わかやまジビエ」より転載
https://wakayama-gibier.jp/shop/hotel-de-yoshino/

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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