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ジビエの状態に合わせて焼き加減を調整。繊細なシェフの技が光る 「肉 炭 イタメシ ittou(イットウ) 町田」

イタリアン シカ 東京
2019.08.09

JR町田駅の北口から徒歩約9分、小田急線の町田駅北口からなら徒歩約3分。ラーメンや焼き肉の激戦地、町田に2019年4月下旬にオープンしたのが、「肉 炭 イタメシittou 町田」です。コンクリートの武骨な外壁に灯るのは、牛・鹿・鳥のネオンサイン。その名の通り、炭火で焼く肉を提供する新店です。

店内中央には炭火台が設けられ、それを囲むカウンター6席とテーブル席6卓があり、テーブル席なら半個室感覚でくつろげます。ただし、ジビエ好きな方にはぜひ、カウンター席でシェフの手腕を間近に眺めてほしいところ。

それというのも、ここでシェフを務める中塚 誠さんの絶妙な焼き加減、火の入れ方こそが、「ittou」の味を決めるから。

中塚シェフは六本木の名店「キャンティ飯倉片町本店」を皮切りに、「町田ガヴェ・デルソーレ」「ラ・ベルタ・クッチーナ・エ・バル」「ビストロRiCO STAND」などで研鑽を積んだ人物です。

「この店のオープンにあたっては、何度も試作を重ねました。もう何キロも何キロもサンプルの肉を焼いて、炭もいろいろ試して、ようやく今、納得できる味になりました」

「他にはないものを」と、あえて新機軸に挑む

中塚さんはそれまでジビエを扱ったことはありましたが、イタリアンではオーブンで焼くのが基本。肉質がなかなか安定しないジビエを、これまた火加減がオーブンと違って不安定な炭火で焼くとなると、勝手が全く異なります。それでも、「ジビエそのものの味や旨味を味わってほしい」と炭火焼きにこだわったのだそう。

「鹿は火を入れすぎるとパサパサになってしまうので、まず表面に火を入れた後、ゆっくり時間をかけて中まで火を入れていきます」。

一般的に炭火は遠赤外線効果で中に火が通るため、色、香り、風味が損なわれにくく、肉のおいしさを引き出すことができると言われています。

そんなお話を伺いながら待つこと約1時間。運ばれてきたのは「炭火料理 本州鹿(200g)」2,980円(税別)。味はシンプルに高知県の天日海塩(てんぴかいえん)のみ。肉を口の中へ入れると生臭さは全くなく、外側の香ばしさがまず感じられた後、噛みしめるごとに肉の旨味が広がります。

付け合わせは各500円(税別)で4種類用意されていて、この日は三浦半島の契約農家さんから取り寄せる旬野菜をセレクト。約10種類の野菜の食感や味の違いも楽しく、また鹿と一緒に食べることで互いの美味しさが引き立ちます。

炭火焼きの仕上がりを待つ間にもジビエに舌鼓

もう一品出していただいたのが「鹿ソーセージを詰めたジャンボマッシュルームを炭火焼きに」980円(税別)。

三浦半島産のマッシュルームは大人のこぶし大ほどの大きさで、とにかく肉厚。そこにスパイスでしっかり味を施された鹿のソーセージをふんだんに詰め、炭火でしっかりと焼き上げています。鹿のソーセージはもちろん、しっかりと肉やスパイスのエキスが沁み込んだマッシュルームも、このお皿の主役です。

そして、中塚シェフがこだわっている点がもうひとつ。それは、アルコールもソフトドリンクもすべて国産銘柄であること。赤ワインは14種、白ワインは10種、そのほかスパークリングワイン、ウイスキー、焼酎、食前酒など、自ら厳選したものを取りそろえています。それは「国産の肉、ジビエには国産のお酒が合うと思うから」とのこと。写真は右が「Nasu wine soiree 2006」1本9,500円(税別)、左が「グレイス シャルドネ」1本10,000円(税別)。ワインリストに載っていないグラスワインなら700~900円(税別)で楽しめます。

実はこの店、町田の老舗焼き肉店、「一頭両騨(いっとうりょうだん)」の新業態店。ジビエではないものの、A5ランクの黒毛和牛の炭火焼きも肉質の高さとコスパのよさが抜群です。また、今回紹介した本州鹿のほかに蝦夷鹿もあるので、食べ比べてみるのも楽しそう。オープンしてまだ3か月ですが、評判は口コミでどんどん広がっている様子。週末はなるべく予約をしたほうが確実です。

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