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浦和の商店街の一隅から、生産者の想いをのせたひと皿を届ける 「i profumi(イ プロフーミ)」

イタリアン 埼玉
2019.08.30

JR浦和駅西口から右手に広がる商店街を歩くこと10分弱。にぎやかなエリアの少し先、イタリア国旗が目印のビルの2階に、女性2人が営む自然派イタリアンレストラン「i profumi」があります。店内は、カウンター5席とテーブル2卓のみの小さなかわいい空間です。

料理だけでなく、食材のよさを伝える空間を作りたい

肉や魚、有機野菜など産直食材を多く扱うこちらのお店。店名の「i profumi」(イ プローミ)は、イタリア語で「香り」を意味します。

「食材の持ついろいろな香りを感じていただきたくて、食材の魅力を100%に近い状態で引き出した料理を提供したいと思っているんです」とは、オーナーソムリエの齊藤李沙さん。

齊藤さんは以前、東京・麻布十番のイタリアンレストランでピザ職人として働いていましたが、そこでシェフとして店を取り仕切る津吹貴子さんに出会います。彼女の生み出す料理に惚れ込み、「一緒にお店をやろう!」と口説いたそう。

「ピザ職人として任せられる仕事が増えると、自分のこだわりや生産者さんとのつながりも増えていきました。一方で、すごくいい食材に出合っても、厨房にいてはそれをお客様へ伝える術がないんです」

食材ひとつひとつがどう作られたのか、生産者さんの思いや味わい…、そういうことも知ってもらえる場所を作りたいと、2013年に店をオープンさせました。だからこそ、メニューには「◎◎直送」「◎◎農家さんの~」という文字が並んでいます。

「i profumi」では、ジビエ料理を11~3月は常時、それ以外は要予約で楽しめます。今回いただいたのはジビエ料理2品とスペシャリテ1品。

1品目は、「鳥取県産 猪ロースのコトレッタ 香草の香り」(3,600円・税抜)です。

コトレッタとはカツレツのこと。バジル、ミント、ローズマリー、セージなど約10種もの香草を、きめの細かいシチリア産のパン粉に混ぜて猪肉にまぶします。

そして低温でじっくりと2度揚げして出来上がったのがこちら。衣の口当たりはサックリと軽く、長野県産のプラムを使ったソースと香草の香りが、脂が少なくあっさりとした夏の猪の肉質によく合います。

「猪にはフルーツがよく合います。秋冬はリンゴやイチゴを使うことも。香草は、齊藤の祖母が育てたもので、毎日新鮮なハーブを届けてくれます」とシェフの津吹さん。

生産者との対話が店のオリジナリティを生む

2品目は、「蝦夷鹿とポルチーニのラグーソース 自家製パッッパルデッレ」(2,400円・税抜)。

玉ねぎやセロリなどの香味野菜とハーブなどを赤ワインで煮込んだソースに、ひと口サイズにカットした鹿肉やフレッシュポルチーニを投入。

「噛むたびに肉の繊維まで感じることができる、とても上質な肉。いい食材が入ると思わずワクワクしてしまいます(笑)」という、津吹シェフ自信作の鹿肉のパスタがこちら。

自家製のもっちり麺にソースがよく絡み、鹿肉のしっかりした味わいが感じることができます。口の中を包み込むフレッシュポルチーニの香りもたまりません。

そして最後は、この店のスペシャリテ「濃密卵とイタリア産トリュフのパフェ」(1,600円・税抜 ※夏季限定)。

カクテルグラスの中身は、徳島県産の濃密卵と、トリュフを入れたエスプーマ。グラスを目の前に置き、サマーポルチーニを削り出してくれます。

「夏以外は、熱することでトリュフが生きるココット焼きを提供しています。修業先から引き継いだレシピなんです。でも夏のトリュフはしっとりすることで甘味を増すので、同じ素材を使いつつこの店オリジナルのメニューを、と考案したのがこれです」。

エスプーマが染みて香りと甘味を増したトリュフを、濃厚な卵と一緒にいただくのは幸福のひと言…。

ディナータイムは、テーブル席でコース料理(3,800円~・税抜)を提供。カウンター席は、黒板に書かれた“本日のメニュー”を見て、食材や生産者の話を聞きながら、アラカルトとワインを楽しみます。生産者を訪ね歩く齊藤さんこだわりのスタイルです。

「生産者によって育て方は全然違うし、もっとも美味しく食べるための処理法を知っているのもやっぱり生産者さん。作り手ならではの食べ方を聞いたりすることで、料理の幅をもっと広げていきたいです!」

熱っぽく語る情熱肌の齊藤さんと、静かに料理に向き合う職人肌の津吹さん。2人の絶妙なコンビネーションで、日々進化を遂げる浦和の小さな自然派レストラン「i profumi」です。

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