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本場フランスで修業を積んだシェフの、気軽なジビエ料理「Bistrot des Ponts(ビストロ デ ポン)」

フレンチ シカ そのほか 山形
2020.02.15

山形県東田川郡は、雄大な山並みをバックに庄内平野が続く町。秋から冬にかけて、白鳥が飛来する美しい風景が見られます。

その庄内では数少ない本格ジビエ料理を提供する老舗店として、地元でも有名な「Bistrot des Ponts(ビストロ デ ポン)」を訪ねました。

広々とした店内には、多くのテーブル席が並びます。本格フレンチのお店ですが、とてもカジュアルで居心地のいい雰囲気。

オーナーシェフの佐藤啓志さんは、バブル期に渡仏し、主にブルゴーニュ地方のレストランで4年間修業した経験の持ち主。

店内にはそのブルゴーニュ地方の地図や、現地の店で修業をしたという証明書なども展示されています。

さらには、ミシュラン3つ星を獲得したこともある、「ピエール・ガニェール」でも働いたことがあったそう。
「ピエールさんが来日した時に再会する機会があって。彼の店には数か月しかいなかったのに、僕のことを覚えていてくれました。彼が何か命令する前にさっさと動いてたから、すばしこいヤツだと思われていたんじゃないかな(笑)」と豪快に笑う佐藤さん。

「店名のポンは“橋”っていう意味。僕の旧姓が橋本だから(笑)、それでいいんじゃないのってフランス語の先生に言われて付けました。庄内弁の発音は、複雑な鼻濁音がフランス語発音に似ているから、語学の習得は早かったですよ」。
佐藤さんとのおしゃべりはとてもおもしろく、彼の明るいキャラクターが魅力的です。

店のオープンから23年。
「開店当初からジビエを提供したいと思っていましたが、保守的な庄内の人たちにはなかなか受け入れられにくかった。でも最近はジビエブームもあってか、ワイン好き、美味しいもの好きのお客様に好評なんですよ」とのこと。

フレンチの真髄に触れるジビエとワインのマリアージュ

さて、今回作っていただいたのは、蝦夷鹿、鴨、山うずらを使った佐藤さん自慢のジビエ3品です。

これらは5,500円(税込)のディナーコース(アミューズブッシュ、前菜、魚料理と肉料理、スープ、デザート、コーヒー)をオーダーすると、追加料金なしでチョイスすることができます(ジビエを選ぶ場合は要予約)。

最初にいただいたのは、「蝦夷鹿ローストのサラダ」。

クルミ油とバルサミコ酢のドレッシングでいただきます。蝦夷鹿のローストと相性がぴったりで、とても軽やかな味わい。

2品目は「野生鴨のテリーヌ」を。

良質な脂が十分にのった鴨の特徴を生かしつつ、グリーンペッパーでピリッとアクセントを付けました。丸ごと一羽を使っていて、濃厚ながらもまろやかな舌触り。赤ワインが飲みたくてたまらなくなります…。
「フルボディの重めの赤がオススメです。山形県旭町の“柏原ヴィンヤード遅摘み 赤の辛口”がいいですよ」と佐藤さんにすすめられて一口。

完熟の果実味とスパイシーな味わいが、鴨の風味と絶妙に混ざり合い、幸せな気分に。

メインは「ペルドロー(生後8か月までの山うずら)のロディ」を注文。そこでキッチンにお邪魔にして、調理過程を見せていただきました。

まずは山うずらをじっくりと火入れしていきます。

香ばしい匂いが、キッチン一面に漂います。「早く食べたい!」と、はやる気持ちをグッと我慢。

並行して、山うずらの骨だけのスープと赤ワインを煮込んだソースを温めます。このソースこそがフレンチの真骨頂。佐藤さんは、ソース作りに一切の妥協をしません。

お肉に添えられるのは丸麦のピラフ。プチプチとした食感で、やみつきになるほど美味しく、そのまま食べてもいいし、ソースとよく混ぜ合わせていただくのもおすすめ。

早速山うずらのロティにトライ。あっさりとタンパクながらも野性味にあふれ、やわらかい肉質が特徴的。鶏のローストのようで、ジビエビギナーでも、小さな子どもでも難なく食べられそう。

すでにワインは2杯目に。

次は重めのブルゴーニュワインをセレクトしました。口の中をさっぱりさせたい方は、シャルドネのカリフォルニア白ワインでもいいですね。

そういえば、店内はワインの空き瓶がずらりと並べられ、ワインのラベルが壁一面に貼られています。ここまで集めるのに10年以上かかったそう。ワイン好きのお客様が多いのもうなずけます。

「山うずら、鴨、鳩、雷鳥など、フランスの修業時代にレストランで扱っていたので、私には馴染み深い食材。それに料理人の腕が試されるから、作りがいがあります。だからといって、料理人の独りよがりな料理になってはいけないですよね。常に一定以上の味をキープして、お客様に喜ばれるのが一番だと思っていますから」と佐藤さんはお客様第一を貫きます。

いつでも明るく、美味しい料理でおもてなしを!その主義を貫くシェフのジビエを食べに、庄内地方を訪ねてみては?

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