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地元猟師も舌鼓を打つ鮮度抜群のジビエ「山の幸 うり坊屋」岐阜県高山市

岐阜県 居酒屋 焼鳥・串焼き シカ イノシシ クマ
2020.02.19

江戸時代、商人の町として栄えた岐阜県・飛騨高山。その名残を残す古い町並みは、国選定重要伝統的建造物群保存地区として、国内はもちろん海外からも多くの観光客が訪れます。

観光の拠点でもある古い町並みから徒歩5分。JR高山駅からは徒歩10分の場所にあるのが、高山まちなか屋台村「でこなる横丁」です。

さまざまな国の人が行き交う横丁内には、郷土料理店からダイニングバーまで、約15店が軒を連ねます。その中に、飛騨ジビエの専門店「山の幸 うり坊屋」があると聞き、さっそく出かけてきました。

懐かしい路地裏の雰囲気が漂う横丁を少し進んだ先に、「飛騨ジビエ」の提灯が目印の店を発見。山小屋風の店内はコの字型のカウンター席のみで、アットホームな雰囲気です。

店では、オーナーの脇谷将斗さん(写真左)と、店長の鈴木久三さん(右)が出迎えてくれました。

子供たちに本当に美味しいものを食べさせたい

地元出身の脇谷さんは、父親が猟師をしていたため、幼いころからジビエがとても身近な存在でした。一度は上京しますが、結婚を機にUターン。
「生まれてくる我が子に、本当に美味しいもの=ジビエを食べさせたいと思い、帰郷を決心しました」と脇谷さん。

その後、40年以上猟師として活躍する父の背中を追い、自らも狩猟免許を取得。猟師として地元の山を駆け回るうち、脇谷さんのジビエに対する思いに変化が現れます。
「いざ猟をするようになり、私たちは自然から『命をいただき、生きている』ことを改めて実感したんです」。

そこで、2016年には、脇谷家総出でジビエの解体処理場「飛騨狩人工房」を設立。年間を通じて、適切な解体・処理ができ、安心安全なジビエをコンスタントに提供できる環境を整えます。

そんなジビエをもっと多くの人に知って欲しいと、2017年1月に「山の幸 うり坊屋」をオープンさせました。

猟師が自信を持ってすすめるジビエをシンプルに

こちらでいただけるジビエは、すべて「飛騨狩人工房」で丁寧に処理されたもの。捕獲エリアを飛騨地域に限定することで迅速な処理を実現したり、丁寧に血抜きをしたり…、さまざまなこだわりが美味しいジビエを支えています。

店で調理を担当するのは、店長の鈴木さん。以前は「飛騨狩人工房」にジビエを買いに来たり、「山の幸 うり坊屋」で食事を楽しんだりするお客さまでした。

「食べることが大好きで、まさにここ高山でジビエの奥深さに魅了された一人です」(鈴木さん)。
好きが高じて名古屋から移住し、「山の幸 うり坊屋」の店長を務めることに。いまでは、わな猟免許を取得して、脇谷さんたちと一緒に狩りにも出かけています。

まずは、ジビエ初心者にもおすすめだという串焼きを注文しました。肉の弾力などを確認しながら丁寧に焼き上げるだけでなく、筋肉質の熊肉は繊維を断つように筋切りをするなど、知識と経験を生かしたひと手間で、美味しいジビエに仕上げていきます。

「ジビエ本来の旨味や風味を味わって欲しいので、香辛料などの味付けはできるだけ控えています」(鈴木さん)。

今回は「鹿串(写真奥)」(260円・税込)と「熊串(手前)」(500円・税込)をいただきました。鹿は脂の少ないモモ肉ながら、驚くほどジューシーで濃い味わい。熊はロースやモモ肉、カタ肉など、日により異なる部位がいただけます。しっかりとした歯ごたえの肉を噛みしめるたび、野趣あふれる力強さとほのかな甘味を感じる一品でした。

続いていただいたのは「穴熊鍋」(1,500円・税込)です。

飛騨地方の猟師が昔から食べていた鍋で、味噌ではなく醤油ベースのスープが特徴。果樹園を荒らすことの多い穴熊のフルーティな脂がスープに溶け込み、滋味深い香りや味わいが楽しめます。

「実は我が家の中にも、穴熊特有の香りが苦手だという者もいたのですが、この鍋は美味しく食べられると大好評なんです。お客さまのなかには、あまりに美味しくて鍋をつつくあまり、紙製の鍋を突き破ってしまった人もいるくらい(笑)」(鈴木さん)。

シメにうどんを投入して、旨味が凝縮した絶品スープも残すことなく美味しくいただきました。

店内の黒板には、その日のおすすめメニューがずらり。日によっては、こちらだからこそいただけるジビエの貴重な部位が登場することも。ジビエ以外にも、黒板にはわさび菜やハチミツ、天然アユなど、山のごちそうがたくさん並びます!

生ビールやクラフトビール、ワインやカクテル、日本酒など、アルコールの種類が豊富にそろうのもポイント。おひとり様はもちろん、デートや二次会などさまざまなシーンにおすすめです。

「私たちは、ジビエのオスやメス、個体の大きさに関係なく、絶対にムダを出さないことが使命。自然からいただく恵みをすべて美味しくいただくため、迅速かつ適切な処理はもちろん、ソーセージやジャーキー、カレーなどに加工するなどの工夫もしています。加工品はお取り寄せもできるので、ぜひご利用ください」

今度の週末、絶品ジビエを目的に飛騨高山に出かけてみるのはいかがでしょう?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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