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白山麓で半世紀続くジビエ料理総本山「レストラン手取川(てとりがわ)」石川県白山市

石川県 和食 イノシシ 焼鳥・串焼き クマ その他麺類 煮込み ランチ 丼ぶり
2020.03.30

日本海から日本三名山の白山まで広大な市域を持つ石川県白山市。その白山寄りの地域、白山麓には山の恵みを味わえる店が多く集まっています。そのなかでも、地元に昔から伝わるジビエ料理を50年前の創業時から提供し続けている地域の中心的存在の老舗が「レストラン手取川」(以下「手取川」)です。金沢からは西金沢駅で北陸鉄道石川線に乗り換え、鶴来駅で瀬女行きの北鉄バスに乗り換えます。

「上木滑」バス停がほぼお店の前。この辺りは山間部のフリーバス区間なので好きな場所で降ろしてもらうことも可能です。山の空気を吸いながら少し歩くのもいいかもしれません。3階建てツートンカラーの山小屋風の建物が目印です。

白山麓では岐阜県の白川郷とも連携して「白山百膳」という山の食材を生かしたメニューを提供しており、「手取川」でも多くのメニューが百膳に加わっています。

店内にはテーブル席と座敷で20席ほど、それぞれ広く間隔がとられていますので、ゆったりできます。

自然素材や山の暮らしを感じさせる雰囲気で統一された店内は居心地よく、大木の切り株の形そのままの大きなテーブルも素敵ですね。

宴会場も奥にありますので、大人数の会合などにも対応しています。

県内初の食肉施設も立ち上げたジビエ界の老舗

店主の千菊裕二さんは、白山市に合併された旧尾口村の生まれで、昭和47年にこの店を構えて以来、ジビエ料理を提供しています。当時はもっぱらツキノワグマが主体でしたが、14、5年ほど前から南の方から石川県へ猪がやってきて、駆除が増えてきたため、千菊さんが代表を務める「白山ふもと会」で県内の先陣を切って平成23年に食肉処理施設を立ち上げ、地域のブランドとしてのジビエの提供を始めたそうです。

手取川の特徴は山の恵みを前面に押し出したメニューが豊富なことです。新鮮な山菜もジビエを引き立てる相棒です。山菜はゼンマイ、ワラビ、コゴミ、ウド、ナメコ、タケノコなどです。季節によって山菜は種類が変わります。

手際よく山菜が盛り付けられていきます。今回は、猪と熊の肉を使ったオススメ料理を数点ご用意していただきました。

さっそく、湯気の出た美味しそうなジビエ料理が運ばれてきました。

最初にいただいたのは、「猪そば」(900円・税抜)です。

白山の猪肉は赤身のさっぱりとした旨味と、やわらかく甘味のある脂身が一体となって、獣肉のクセがまったくなくとても食べやすい味です。山菜との相性もぴったりで、出汁とお蕎麦と猪のふくよかな香りを、山菜のシャキッとした香りが一つにまとめてくれるようです。

猪肉は50gほど入っており、山菜は100gも。山の恵みにこだわるのが千菊さん流。

蕎麦よりガッツリいきたい方には、「猪丼」(900円・税抜)を。お吸い物と味噌漬けの漬物がセットになっています。

具材は蕎麦と同じですが、山菜と猪肉を炊き込んでいるため、タレがご飯にたっぷり染み込んでいます。猪肉は脂身がさっぱりと甘味があり、丼のタレともしっかり馴染みます。

そして3品目は「猪のうま煮」(900円・税抜)。

生姜、ニンニク、梅肉、醤油でじっくりと煮込まれた猪肉は、旨味がぎゅっと閉じ込められ、ちょっと濃い目の出汁と相まって、どこか懐かしい山の家庭の味を感じさせます。上にのったイタリアンパセリが口内をスッキリさせてくれました。

猪肉メニューでは一番人気というのもうなずける、誰にでもおすすめできる安心の味です。初めて猪を食べる方にもいいですし、おつまみにもぴったり。

伝説の熊料理も絶品

最後に、地元に昔から伝わってきた熊料理を再現した串焼きをいただきます。「くま串」(1,000円・税抜)は、1皿2本、使っている熊肉100gです。

熊の肉は、肉と脂がはっきり紅白色に分かれるため、肉を赤身、脂を白身と呼んでいるそうです。熊というと、クセが強いというイメージがあるかと思いますが、しっかりと処理された熊肉はまったく臭みなどなく、旨味の塊です。
一口目、じんわりと肉汁が湧き出す赤身の肉らしい旨味の思いがけない濃度に驚き、二口目は口に含んだ途端にとスッと溶ける脂身の上質な甘味に驚き、次に赤身と脂身を同時に口に含んでみると熊ってこんなに美味しかったんだと、三度驚かされてしまいました。まさに“山のごちそう”でした。

千菊さんにとって熊肉は、子供のころに猟師さんが山へ入る日は楽しみで心が浮き立ったという、思い入れのあるふるさとの味でもあるのです。

千菊さんはなによりもジビエが大好き。そんな思いも店に反映され、ジビエメニューが豊富。工夫された品々は、苦手な人でも美味しく食べられます。最近は、女性が一人でよく食べに来られるんだそう。
「うちは、町からは遠いから。わざわざこんなところまで来てくれるのは本当にうれしいですね」。

地域で長年受け継がれてきたジビエ料理の伝統を受け継ぎながら、誰にでも親しめる料理にしたいと情熱を注ぎ続けて半世紀。時代に左右されずジビエの魅力を伝え続ける「手取川」へ、白川郷や金沢観光の際などにはぜひ足を伸ばすことをおすすめします。

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