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加賀百万石の藩主が過ごした庄屋屋敷でジビエに舌鼓「銭がめ」石川県金沢市

石川県 和食 イノシシ ランチ
2020.03.30

石川県金沢市の山あい、加賀藩御用達の湯治場「金沢の奥座敷」として有名な湯涌温泉のさらに奥に板ヶ谷温泉はあります。湯涌温泉バス停から下車し2キロほど歩くと木造建築の大きな建物が見えてきます。コース料理か宿泊の方は事前予約をしていただけると湯涌温泉バス停から送迎を頼むことができます。

こちらが、藩主が鷹狩りの休憩所として使用していたという庄屋屋敷を利用し、20年前から温泉旅館を営んでいる「銭がめ」です。温泉旅館ですが、日帰り入浴はもちろん、レストランとしての食事のみも可能です。

山里で栄えた庄屋の風情をほぼそのまま残した建物にしばし見とれたあと、暖簾をくぐります。

カラカラと引き戸を開けて中に入ると、右側に食事用スペースがあります。収容人数は35人ほどです。

加賀藩主が休憩した庄屋・囲炉裏の間

3,000円以上の食事をする場合は、特別な部屋を利用することができます。それがこちら。

今から300年ほど前に、前田家の当主が鷹狩りの時に休憩所として利用したという囲炉裏のあるお部屋で食事ができるのです。

鎧を着たまま行動しやすいようにと、扉の幅も広く天井も高い。幅広の床下は欅でできており、剥き出しの梁は2尺と立派。こんな歴史的建造物の中での食事はまるで、タイムスリップしたような感覚に浸ってしまいます。

まだ寒く雪が降る2月に取材させていただいたので、囲炉裏のそばで食事を用意していただきました。

今回ご用意いただいたのは、牡丹鍋コース(1人前6,000円・税込)です(※オーダーは2人前から、写真は2人前)。牡丹鍋、ニジマスとイワナの刺身、イワナの塩焼、1つ目の小鉢にはセリと切り干しダイコンの和え物、2つ目の小鉢には天然菜ワサビの辛味出汁で甘酢に付けたもの。そして、うどんが付いています。

美しく盛り付けられた猪肉、部位はモモです。1人前120g(写真は2人前240g)。

さっそく、おかみさんの山下富久美さんが、囲炉裏鍋を用意してくれました。イワナの塩焼きも温めてくれています。

囲炉裏にくべられた鍋の中に、具材を入れていきます。

この日の具材は、ハクサイ、エノキ、シュンギク、ネギ、ゴボウ、シイタケ、シラタキ、豆腐。野菜はできるだけ県内産のもの、旬なものを提供したいため、季節によって野菜の種類が変わるようです。たっぷりの具材と猪肉にしっかりと火を通して、出汁を染み込ませていきます。

待っている間、小鉢や刺身を。お刺身は、ニジマスとイワナです。活き造りのため、脂がのっていて身がやわらかく臭みもありません。とっても新鮮で美味しくいただきました。

出汁が染みた囲炉裏鍋で心身温まる

野菜や肉に、出汁がたっぷり染み込んできたところで、猪肉をいただきましょう。

囲炉裏を囲んであつあつの鍋を食べることはなんとも言えない幸せな気分です。身も心も温まってきます。猪肉は、脂に甘味があり、モモ肉なので食感がしっかりしています。噛むたびに、出汁がじんわり口の中に広がり、肉の旨味を引き立ててくれます。

お鍋の中の具材が少し減ってきたころで、うどんを投入!

猪肉と一緒に食べたいので、肉は少し残しておいてうどんに出汁が染みるのを待ってから、いただくのがコツ。

いろいろな野菜と猪肉の出汁がうどんに染みわたり、深い味わいになっています。

〆は、囲炉裏で温めておいたイワナの塩焼きをガブり!こちらも本当に美味しく、大満足の食事となりました。

「銭がめ」はご夫婦で営んでいます。ご主人の山下繁一さんは大阪で培った料理人としての経験を生かし、この「銭がめ」を知人から引き継ぐことを決め、大阪から石川県へ移住しました。

都会を離れ、山里の風情に浸りたい方、歴史や武士がお好きな方、川の流れを聞きながら300年前の時代に思いを馳せながら食すジビエ料理はなかなか乙なものです。肌に吸い付くような温泉とジビエのセットで身も心も健康になることまちがいなしです。

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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