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併設の畑や酪農場の恵みを、ジビエと共に味わう KURKKU FIELDS「DINING 」(クルック フィールズ ダイニング)千葉県木更津市

千葉県 カフェ 焼肉・ロースト パスタ・ピザ ソーセージ シカ イノシシ ランチ
2020.03.30

千葉県、館山道木更津北ICを降りて車を走らせること約15分。目的地は2019年秋に誕生した「KURKKU FIELDS」です。

ここは「農業」「食」「アート」を軸とした複合施設で、約9万坪もの広大な農場では多くの野菜を栽培し、家畜も飼育。木更津の豊かな自然の中に、草間彌生を筆頭にするアート作品の数々、宿泊設備も敷地内に点在しています。

そんな「KURKKU FIELDS」でジビエ料理が楽しめるというので、訪れたのがこちら、「DINING」。

大きな窓から注ぐ日差しがやさしく照らす店内は広々として、暖炉や小上がり席もあり、ファミリーやグループでゆっくり食事を楽しめます。

鹿、猪がさまざまな料理に生まれ変わって登場

この店の特徴は野菜や乳製品、鶏卵は施設内の農場・牧場で収穫されたもの、そして鹿や猪といったジビエは「KURKKU FIELDS」内の「CHARCUTERIE(シャルキュトリー)」で地元産のジビエを下ごしらえ、調理されたものを使っているということ。

例えば「猪肉のプティサレ」(1,800円・税抜)。

さまざまな野菜と共に盛り付けられた猪肉はやわらかく、噛むとじんわりと旨味が広がるのですが、食感も味も異なる旬の野菜と一緒に味わうことで、その旨味が多彩な表情を見せます。

お次は、「シャルキュトリー盛り合わせ」(1,200円・税抜)。

通常は豚も含めた3種類のところ、今回は取材のためにすべてジビエによるスペシャルバージョンで用意してくれました。

「猪のビアブルスト」は粒マスタードが練り込んであり、スパイシーなのに食べやすく、その名の通り、ビールが進みそう。

「骨付き猪のハム」は厚さ1㎝以上にカットされていて、ワイルドな風貌ながらも、食べてみると繊細な味わい。スモークの香りが漂い、パサつきがなく、しっとりとした印象です。

テリーヌは猪と鹿の2種類を出していただきました。写真は「KURKKU FIELDS」で飼育している水牛のホエーで作ったパン粉、平飼いの鶏、千葉名産のピーナッツなどを加えた「猪のテリーヌ」。鹿の方にはプルーン、ねずの実で香りが付けられていて、肉の味がまろやか。とはいえ、組み合わせる食材は固定ではなく、その時々で変わり、多い時には4種類のテリーヌがあるとのこと。

「鹿のコンビーフ」はホロホロと口の中でほどけるやわらかさで、あっさりした鹿の味を塩気がしっかりと引き締めています。
「これが実は卵かけご飯に合うんです。お持ち帰りもおすすめですよ」。
そう教えてくれたのは、この「DINING」で料理を担当するシェフの森本桃世さん。

口にするものが体を作る。ならば、安心して食べられるものは?

森本さんはもともとパティシエとして働いていましたが、過労により体を壊して転職。東京・吉祥寺にあり、牛肉と発酵料理で知られる循環型コンセプトレストラン、「タイヒバン」で5年間、腕を磨きました。

自分が体を壊したという経験もあって、健康について、そして食について真剣に考えるようになり、断食体験もしたという森本さん。
「突き詰めて考えていくと、体や命を作るのは食べ物。だったら、健康のために、命のために何を食べたらいいんだろうと」。
その問いの答えは「野菜や薬草、ジビエ、発酵食品」だったとのこと。

そんな森本さんにとって、「KURUKKU FIELDS」は理想の環境。2万坪もの畑では有機栽培の野菜が育てられ、水牛やヤギの酪農場、のびのびと平飼いにする鶏、そして同敷地内にある「CHARCUTERIE」からジビエも手に入ります。

この日はキャベツやケールを発酵させていたほか、日本古来の発酵食品、味噌の樽も見せてもらえました。

そんなお話を伺いつつ、食事に戻ります。運ばれてきたのは「kurkkuサラダ」(1,500円・税抜)。

木更津でもともと栽培が盛んだったレンコン、ダイコンやニンジンといった根菜、サニーレタスやルッコラ、からし菜や春菊といった葉物類、長ネギなど10数種類の野菜の上に骨付き猪のコンフィ、ジビエのソーセージ、水牛のカチョリコッタチーズものっています。

葉物野菜のみずみずしさ、ソテーされて甘味が増したネギや根菜類など、素材の持ち味が一皿に集結。見た目にもインパクトのある猪のコンフィは、甘味が強く、深いコクが感じられます。ただし、野菜はもちろん、ジビエも時期やその日の在庫次第で内容が変わるそう。

こちらも時期によって野菜が変わる「野菜のソーセージ盛り合わせ(豚肉ソーセージと猪ソーセージ)」(1,000円・税抜)。

豚肉のソーセージはパリッとした皮の中にほんのり塩気が付いた粗挽きの豚肉がたっぷり。猪のソーセージはこの日はホウレンソウとの組み合わせ。ホウレンソウのためか、見た目よりもあっさりしていて、1か月かけて仕上げた自家製マスタードとの相性も抜群。これまでゴボウ、パクチー、ブロッコリーなどと組み合わせが好評だったそう。

そして店内の石窯で焼かれて出てきたのが…。

「作り立て水牛モッツァレッラのマルゲリータ」(1,800円・税抜)。

ピザ生地はもちろん、水牛のモッツァレラチーズも自家製。もちもち食感の生地は香ばしく、とろけたモッツァレラはミルクの味わいが濃く、さわやかな香りと酸味でピザソースとよく合います。

チーズや味噌、マスタードやタバスコなどを自家製するほか、畑で採れた野菜をピクルスにしたり、ハーブウォーターを作ったりと、自然の恵みをさまざまな形に生まれ変わらせる森本さん。

「農場で採れたものを使って、食を通してどう楽しめるかが大切だと思います。その時、採れる場内の恵みをいかに生かすか、それをいつも考えています」。

青い空に広がる緑、点在するアートなど、窓外に広がる景色も、この店の御馳走の一つ。時間がゆっくり流れるような空間で、四季折々の自然の恵みを楽しんでみてはいかがでしょうか?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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