老若男女に愛される洋食レストランで、ジビエのボルシチを味わう「Cercle(セルクル)」千葉県船橋市東船橋
千葉県のJR総武線・東船橋駅南口からも、京成線船橋競馬場駅からも徒歩約12分。成田街道から少し入った住宅街に見つけた洋食レストラン「Cercle」(以下、セルクル)。
洋食屋さんならではのジビエ料理が味わえると聞き付け、取材に伺いました。
赤レンガの建物の1階、少し奥まったところにあるガラスのドアを開けると、右手にテーブル席が18席、左手にキッチンに面したカウンター席が6席あります。
ただし、取材時は新型コロナウイルス対策のため、いくつかの席は使用できない状態。カウンター席とキッチンの間は、透明なシートで区切られています。もちろん、入り口にはアルコール消毒液も。
鹿の旨味たっぷり! 野菜ゴロゴロのボルシチ
まず出していただいたのが、「房総鹿肉とたっぷり野菜のボルシチ」(1,400円・税込)。ビーツの赤が目に鮮やかなひと皿です。
伝統的なロシア料理のひとつ、ボルシチですが、「セルクル」ではジャガイモやニンジン、大根といった野菜が大きめにカットされているのが特徴的。また、ロシアではサワークリームの上にハーブの一種、ディルをのせるのが一般的ですが、ここでは日本人に馴染みのあるパセリです。
鹿はスネ肉を使用していて、こちらも大きめ。そのサイズにひるまず、ひと口で口へ入れると、まずスープの深い味わいが口の中に広がります。続いて肉を噛むと、やわらかさにビックリ。噛めばホロホロと崩れ、鹿らしい旨味がにじみ出てきます。
「スネ肉と聞くと、スジがあって硬そうと思われがちなんですが、じっくり火を入れるとスジは溶けて旨味が出てくるんです」
聞けば、下ごしらえから仕上がりまでなんと5~6時間はかかるそう。
肩肘張らずに楽しめる、町の洋食屋さんを目指して
こんなジビエボルシチを作るのは、「セルクル」のオーナーシェフ、須田 啓次さん。ホテルやフレンチベースのレストランなどで腕を磨き、1998年にこの店をオープンさせました。料理は須田シェフがすべて1人で、接客を奥様が担当。夫婦二人で切り盛りしています。
40年強の料理人キャリアの中で、16年以上、ホテルの厨房で働いていた須田シェフの料理は、基本的にフレンチがベースにあるそう。
「だから、ボルシチの野菜もポトフのように大きめに形を残しているんです」
フレンチというバックボーンがありながらも、目指すのは「町の洋食屋さん」。コース料理はもちろん、手ごろなランチセットや自家製デザートなどメニューは豊富で、最近ではスープ付きで790円(税込)の「おべんとうランチ」のテイクアウトが好評とのこと。
「テイクアウトも作り置きじゃなくて、注文を受けてから作るんです。そこはちょっとこだわっていますね」と須田シェフ。
そんな「セルクル」の代表的メニューのひとつがこちら、「オムシチューライス」(1,780円・税込)です。もともと単品の「オムライス」や「ビーフシチュー」が人気メニューだったのですが、両方を一度に楽しめるように、と開発したもの。
ケチャップライスではなく、あえてシンプルな白いご飯にしたことで、深みのあるシチューとのバランスが取れています。
「このオムシチューライスもそうですが、作ってみたら予想以上にお客様に受け入れられたメニューや、逆にお客様のリクエストから生まれたメニューもあります」
20年以上、この地で地元客から愛され続ける秘訣は、こうして常にお客様に美味しいものを食べてほしい、と努力を続ける須田シェフの姿勢にあるのかもしれません。
Cercle(セルクル)
- 公式サイト: https://cercle.gorp.jp/
- 住所:千葉県船橋市東船橋5-16-9 寿ビル1F
- TEL:047-423-0263
- 営業時間:ランチ11:30~14:30(LO)/ディナー月・木~土曜17:30~21:30(LO)、火・日曜17:30~21:00(LO)
- 定休日:水曜
- ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
- 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。