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肉のスペシャリストによるジビエとおいしさとの懸け橋「肉ビストロ MONI(モニ)」

東京
2018.10.31

東京・自由が丘といえば、かわいいカフェやスイーツ専門店、おしゃれなブランドショップなどが並び、どこか上品で落ち着いた雰囲気が漂う町です。そんな、“女子っぽい”場所ではほんの少し異色な存在の、でも、とってもおいしいと評判のビストロがあると聞き、2人の肉食系女子記者が取材に行ってきました。

お店の名前は「肉ビストロ MONI(モニ)」。自由が丘駅正面口を出て徒歩3分の場所にある、隠れ家的なレストランです。提供するのは、本格的なジビエや熟成肉を使った料理とワインなど。カウンターとテーブル席で合わせて24席ほどというコンパクトな規模ながら、内装は木のぬくもりを感じる心地よい空間です。なにより、店の扉を開けた瞬間、スタッフの方々から「こんにちは!」と温かく迎えられ、すっかり心が和んでしまいました。

“動物園よりたくさんの動物に会える”健康的な肉料理店

オーナーシェフの飯嶋優太氏は、ベーカリー店・ラーメン店を経て、自由が丘のイタリアン店で約9年間シェフを務めた経歴の持ち主。その後独立し、2013年に「肉ビストロ MONI」をオープンしました。そんな飯嶋シェフは、こちらの店を「イタリアンやフレンチとは違う、“創作系ジビエ料理”というジャンルの店だと思っている」と語ります。鹿や猪、鴨、雉といった王道のジビエはもちろん、山バト、カンガルーなど、日本ではかなり珍しい肉も積極的に扱い、「お客様からは『動物園よりたくさんの動物に会えるね』とよく言われます(笑)」。ユニークな食材ばかりですが、こだわるのはおいしく食べられることと、体によいこと。栄養士免許を持つシェフもいるため、ジビエや野菜など、体に優しい食材の長所を生かしたメニューが堪能できます。客層の中心は30~50代の女性で、アスリートの方々も珍しくないとか。

ジビエ初心者も食べやすい多彩なメニュー

取材当日にいただいた料理は、どれもオープン当初からある人気メニューで食べやすいものばかりです。

「蝦夷鹿のステーキ・ロッシーニ風」(2,100円・税抜)。分厚い鹿肉の上に、これまたボリューミーなフォアグラのソテーが鎮座し、もう、ビジュアルだけでノックアウト! これで2,100円ですか!? 「ギリギリのコストなんですよね~」と、にこやかに笑う飯嶋シェフの懐の深さを感じる1品と言えるでしょう。肉は北海道産の蝦夷鹿で、臭みが少なく食べやすいのが特徴。トロリとしたリッチなフォアグラと一緒に食べると、野性的な旨味がややまろやかになります。ポートワインとバルサミコ酢、フォン・ド・ボー、バターを合わせたソースが、また豊かなコクを与えていました。

「この蝦夷鹿はメスなんです。うちは肉の性別にもこだわっていますね。どの動物にも共通していることですが、食べやすいのは柔らかくて匂いも弱いメスの肉。だからといって、オスがおいしくないわけではありませんよ。香草をたくさん使って調理したり、煮込みにしたりすると本領を発揮してくれます」

福岡県糸島産「うりぼうのオーヴン焼」(2,600円・税抜)。“うりぼう”=子どもの猪をいただくのは初めてで、骨付き肉にありがちな肉の固さや歯ごたえを勝手に想像してかぶりついたせいか、少々肩透かしなくらい(笑)、衝撃の柔らかさなのです!! 脂身は豚肉よりさっぱりで、甘みすら感じる味わいがたまりません。マスタード×ウィスキーのオリジナルソースも印象的。

さらに、こんな珍しいお肉も!

「カンガROOのカルパッチョ」(1,280円・税抜)。国内ではカンガルーの肉(ルーミート)は珍しいですが、本場オーストラリアではメジャーな食材。高タンパク質・低脂肪・低コレステロールなので、最近では日本でも、“食べれば食べるほど痩せる肉”として注目されています。

今回は、オーストラリアのワラルーという品種のカンガルーの肉に、パルミジャーノチーズやトレビス、イタリアンパセリ、マッシュルームと合わせて提供。ルーミートは初体験でしたが、赤身肉ながらとても柔らかく、クセはほとんどありません。塩・胡椒・オリーブオイルとシンプルな味付けなので、肉本来のおいしさが直球で伝わり、噛むほどに独特の旨味が口の中に広がります。チーズや野菜がよいアクセントに。

「カンガルーの肉は加熱すると硬くなりやすいので、火加減には気遣っています」と飯嶋シェフ。この絶妙な調理技が、最高の食感を作り出しているんですね。

人との繋がりとご当地流を大切にするMONIスタイル

飯嶋氏とジビエとの出合いは、以前働いていたイタリアン店から。その職場で得た人との出会いや知人のハンターさんからの紹介、さらに、飯嶋氏自身が自ら産地を歩いて回り、今では全国各地にジビエ関連の人脈が出来ました。店の噂を聞きつけて、さまざまなハンターさんが来店することもあるそう。そうしてできた人との繋がりが調理にも生かされているようで…。

「僕が料理する際に大切にしているのは、食材がとれる現地ではどのように食べるのかということ。調理法や合わせる食材などについてご当地の方法を参考にしつつ、僕らなりにアレンジしています。ジビエも、処理は大変ですが、安全性を絶対に守りながら、おいしさを損なわない調理法を試行錯誤して見つけています」

ジビエ料理のおもしろさについては、「動物の個体ごとに違う個性を考慮しながら料理すること。また、肉の状態を見ると、狩猟時の環境やハンターさんのやる気がわかるんです(笑)。肉の状態がよいと、“あぁ、このときはハンターさん、調子よかったんだな”“丁寧に扱われたんだな”とか。狩猟時の状況を想像できるのはジビエならではで、魅力の一つですね」。

ジビエやそこに付随するたくさんの人との関わりに対する飯嶋さんの愛や情熱が、会話をとおしてひしひしと伝わってきました。今日は肉をとことん食べたい、そんな期待を裏切らないお店「肉ビストロ MONI」。扉を開けば、肉と人とのおいしい出合いが待っているはず!