ジビエを知る
処理・加工

移動式解体処理車「ジビエカー」とは

2018.07.02

鳥獣被害の改善と消費者に安心で安全なジビエを供給するために、長野トヨタ自動車株式会社が開発した、野生鳥獣を現地で1次処理(洗浄・剥離・内臓処理)することのできる特装車です。

ジビエカー

これまでのジビエの処理方法

従来のジビエの処理方法は
罠で捕獲→止め刺し→捕獲現場から処理施設へ持ち込み→処理(剥離、内臓摘出など)
といった流れが一般的であり、

  • 処理施設の不足
  • 捕獲現場と処理施設の距離
  • 人手の少なさ
  • 個体温度や気温による痛み

が課題とされていました。
そのため、狩猟された鳥獣の多くが埋設処理され、ジビエの利用はほんの1割とされています。

移動式解体処理車「ジビエカー」の特徴

最大の特徴は、車内で一次処理(洗浄・剥離・内臓処理)を衛生的に行えること。またすべての作業は録画をされており、その他、地域住民の安心に向けて汚水も排出物もすべて残さずに持ち帰ったうえで適正に処理することができます。

2トントラックの荷台を改造し、洗体エリア(車外)、解体室、保冷室などが設けられています。まず洗体エリアで泥や汚れを落としてから解体室へ運ばれ、内臓摘出などの処理を行います。その後、保冷室にて適正温度で保管しながら、製品化を行う2次施設まで衛生的に運ぶことができます。

小型保冷付ジビエ搬送専用車「ジビエジュニア」が登場

2018年1月には、ジビエカーでは入れない山道や林道にまで乗り入れられる小型車として「ジビエジュニア」が誕生しました。これにより、野生鳥獣の回収の効率が改善され、広域地域の広域捕獲が可能となります。

軽トラックの荷台を改造したジュニアは、最長20メートルまで伸びる電動ウィンチを搭載。また、吊り下げながら運ぶことにより個体を傷めず、冷却しながら近くのジビエカーや処理施設まで回送することができます。狩猟を行う際の銃の保管や、床面が斜めになっていることにより汚水や排出物を適切に処理することもできます。

購入を検討される方へ

ジビエカー・ジビエジュニアの購入については下記、長野トヨタ自動車株式会社へお問い合わせください。また、導入されるにあたり、ジビエカーは都道府県の食品衛生条例に沿って食肉処理業や食肉販売業の営業許可を得る必要があります。取り扱いは都道府県により異なりますので、導入を計画される段階で、都道府県の衛生部局や保健所にご相談ください。

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