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元気印の女将ハンターが切り盛りする「農家民宿 茅屋や」新潟県十日町市

新潟県 焼肉・ロースト シカ イノシシ カモ ホテル・旅館 パテ
2021.10.23

新潟県南部に位置する十日町市は、冬の平均積雪は2mを超える雪深い土地。JR十日町駅から山道を車で走ること約30分。山々と田畑に囲まれた三ツ山(みつやま)集落にある4軒の民家のうちの一つが、茅葺きの古民家を再生した「農家民宿 茅屋や(かやや)」(以下、茅屋や)です。

「茅屋や」を一人で切り盛りするのは、十日町出身で狩猟免許も持つ女将・高橋 美佐子さん。高校卒業後、東京のホテルや食品卸会社で働いていましたが、地元で宿を開くという夢を持って地域おこし協力隊としてUターンし、2016年に開業。ここではジビエ料理と田舎暮らし体験が楽しめます。

「宿で出す分だけ」と、米や野菜も自身で作り…、

今年仲間に加わった2匹のヤギが草をはんで除草を手伝う姿など、のどかな風景が広がります。

自身が憧れる田舎暮らしを反映したという宿は、取り払われていた囲炉裏や土間を再生。天井の太い梁も目を引きます。

宿泊者用の和室は2部屋あり、1日1組、最大6人まで受け入れています(1泊2食付き、大人1名8,500円~・税別)。かわいいグリーンの壁は仲間と一緒に塗ったそう。

夏はバーベキュー、秋は鍋など、地元のジビエで楽しむ家庭料理

高橋さんのおもてなしは、のんびり過ごせる空間と、できるだけ地のものにこだわった肉や野菜を味わえる料理の数々。十日町を中心とした地元産の猪や鹿、鴨などをふんだんに使ったジビエ料理が楽しめます。

メニューに決まったものはなく、夏場は囲炉裏や屋外でジビエのバーベキュー(写真は熊肉)。

寒くなる秋からの夕食の定番は鍋料理で、肉も味付けも日によって異なります。写真は猪鍋。たっぷり脂がのった肩ロース肉が食欲を刺激します。

「猪や鹿、鴨などの鍋が多いです。ジビエは肉の味がしっかりしているので、醤油や味噌、豆乳など、どんなスープにも合いますよ」と高橋さん。こちらは赤みがきれいな鹿鍋。

こちらのように高橋さんが仕留めた鴨が食卓に上ることもあります。

ジビエ目当てのお客も多く、「皆さん、美味しいって喜んでくれる」というその美味しさの秘訣は、気候にあると言います。
「この辺りは寒いから、冷蔵庫の中で狩りをしているようなもの。仕留めた個体を雪で冷やして運ぶので鮮度が保たれるんです。雪が深いから食肉処理施設も冬は雪に覆われちゃって、まさに“天然の雪室(ゆきむろ)状態”!(笑)」

鍋料理以外にも、ジビエや地元の野菜を使った料理が日替わりで数品付きます。写真は「鹿肉のロースト」や「猪のフィレカツ」のほか、ぜんまいの煮物や山菜の天ぷらなど。
「その日の食材で思いつくままに調理しています。せっかくの命を余すことがないよう、スジ肉を煮込みにしたり、脂が少ない肉は挽き肉にして使ったり。ジビエだからって特別なことはしていなくて、私の料理は家庭料理です」

「ないなら作る!」夢を実現するために始めた狩猟と処理施設

“快活”という言葉がイメージにピッタリの高橋さん。狩猟免許を取ったのは、「必要に迫られたから」なのだそう。

「この地で開業を考えた当時は、まだ地元産のジビエが流通していなかったんです。宿での提供は地のものを、と決めていたので、だったら狩猟免許を取ろうと(笑)」と高橋さん(写真右)。

現在は地元の猟友会と活動したり、愛犬のアムちゃんと猟に出て腕を磨いています。

「高齢化で猟師を辞めていくベテランの方が多いんです。ベテランから若手へ、いかに知識を伝えていくかということも考えていかなければいけません」と危機感もあり、猟友会のPR事業にも参加しているとか。

そして、宿で地元のジビエを提供するにあたり、もう1つ壁が。
「実は、食肉処理施設がなかったんです。だから作るしかなくて(笑)。十日町市のビジネスコンペで優勝、補助金をいただいて2017年に『雪国Base』を始めました」と、なんとジビエの食肉処理・加工施設まで起業。そのバイタリティには脱帽です。

「雪国Base」では、猟友会から持ち込まれる野生鳥獣を高橋さん自らが解体、加工。宿で提供するほか、地元のレストランに卸したり、南魚沼市の精肉店と開発したシャルキュトリーを土産店で販売したりと活動の場を広げています。

宿は、バイタリティあふれる高橋さんの元気で明るい人柄を慕って通う常連客も。
「コロナ禍以前はお客さんと同じ部屋でご飯を食べたり、一緒にお酒を飲んだり…。田舎暮らしや狩猟の話を興味津々で聞いてくださるお客さんも多くて。通って来てくださっていたカップルが、『結婚しました』って報告しにきてくれたのは本当にうれしかったですね」と、人が好きだというのが伝わってきます。

「茅屋や」では、畑や田んぼでの農業体験や自然観察、豪雪の中で過ごす雪国体験、田舎の保存食作り・伝統食文化の体験など、都会ではできない田舎暮らしを通じて、地元の人々との交流を楽しむ機会を設けています。最近では子どもを自然の中でのびのびと過ごさせたいというファミリー客も増えているそうで、宿の周りで虫取りをしたり、屋外でバーベキューをして過ごしているとか。

古民家で昔ながらの日本の暮らしを体験できる宿「茅屋や」。ここにあるのは十日町で育まれた美味しい食材とのどかな自然です。山を散歩し、囲炉裏を囲んで談笑する。そんな究極に贅沢な時間を過ごしに行きませんか?

  • ジビエトの掲載店舗は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」に基づいた仕入れ、加熱調理等がされていることを確認しています。
  • 掲載内容は取材時のものです。営業時間などの最新情報はお出かけ前に各店舗の公式HP等にてご確認ください。
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