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唎酒師が作る”アテジビエ”が揃う店「居酒屋 城月」

居酒屋 わかやまジビエ イノシシ
2019.03.25

唎酒師が勧める日本酒とイノシシ肉の至福のハーモニー

和歌山城追廻門から徒歩1分。大通りから細い小路に入ると現れる居酒屋「城月」は、場所的にも隠れ家的な店なのかと思いきや、実は昔から界隈の呑兵衛にはよく知られる名店だったりします。

創業60年の味わいある佇まいに、扉を開けるとカウンター上にずらりと並ぶ短冊。その中身も焼き鳥1本100円〜、棒餃子480円、きずし500円とリーズナブルかつお酒の進みそうなラインナップばかり。この「昔ながらの一杯飲み屋」感がなんとも風情を感じるのです。

なぜ呑兵衛によく知られるかと言うと、元々酒屋だったことから、お酒が豊富に揃うこと、そして唎酒師であるマスターセレクトの地酒が味わえることから。

全国の蔵元直送の貴重な日本酒が揃い、中でも和歌山の地酒は県内10蔵全ての銘柄を取り扱い。この和歌山の地酒から好きな3種選んでワンコインで飲み比べられる「飲み比べセット」500円は、ここに来たならぜひオーダーしたいメニューです。

そんな左党垂涎の店だからこそ、作るジビエ料理も「酒に合う」が必須条件。「素材をなるべく生かしたシンプルな調理が一番」と話すのは、2代目マスター上岡洋之さん。

中でも最もシンプル調理を極めるメニューが、「イノシシ肉の塩焼き」(780円・税別)。イノシシは脂身のおいしさに特徴があるため、その旨味をしっかりと生かすようバラ肉を塩のみで調理。ほどよい歯ごたえが楽しめ、その中にジューシーな旨味がぎゅっと詰まった一品です。

そして、シンプルに揚げ物でいただく「イノシシのロースカツ」(1000円・税別)もまたオススメのジビエ料理。味噌ブレンドの特製ソースが後を引く一品で、もちろん揚げ物ゆえ酒との相性は抜群。ひと切れ食べては杯を傾け、酒の風味と共に山の恵みを感じながら、またひと切れ。このラリーがたまりません。

こちらの店でイノシシ料理を扱い始めて約15年。当初は冬場のみでしたが、コンスタントに入荷できるようになり、今では塩焼きとロースカツは年中提供しているそうです。

そして、11月から3月までの冬季のみ提供しているのがイノシシ料理の定番、「ぼたん鍋」(1人前5000円〜)。見てください、この分厚い脂身! これこそイノシシ肉の醍醐味というもの。

上岡さんいわく、長時間煮込んでも他の肉のように硬くならないのがイノシシの特徴の1つなんだとか。それどころか、煮込めば煮込むほど旨味が出てくると言うのです。じっくりコトコト煮込まれた鍋で、その真髄とも言うべき旨味を堪能してみませんか。

せっかく唎酒師にお会いしたということで、ジビエとお酒の楽しみ方を聞いてみたところ、「そうですね、ジビエは肉の味も濃いので、あっさり系だとお酒が負けてしまう。むしろガツンと個性がぶつかり合うしっかりめのお酒と合わせると両者の相乗効果で食もお酒も進むんじゃないでしょうか」。なるほど、個性には個性ということなんですね。

さらに「料理に合わせてぬる燗なんかもいいですね。特にぼたん鍋なら燗をしてしっかり風味を立たせて。塩焼きやカツには冷やがオススメです」と、それぞれの相性も伺いました。和歌山の地酒で言うと「黒牛」(名手酒造)の雄町の原種、「車坂」(吉村秀雄商店)の山廃、「龍神丸」(高垣酒造)がおすすめとのことでした。

「蔵の姿勢が全てお酒に反映されるので、お酒には作り手と売り手の人間模様が映し出されます」と上岡さん。実際にさまざまな蔵元に足を運び杜氏と話をするからこそ、その言葉に熱がこもります。

ちなみに日本酒の頼み方は、銘柄だけでなく「今入ってるのでいいのある?」や「お任せでこの料理に合うものを」なんてオーダーも可能とのこと。日本酒とひと口に言っても味も風味も本当に千差万別。よくわからない、以前飲んだものが合わなかったなどの理由で判断するのではなく、ぜひ好みを伝えてみてください。きっと新たな日本酒の世界が拓けることでしょう。

地元食材にこだわるからこそ、ジビエにもこだわりを

ジビエ以外にもウツボやクジラ、亀の手にサメタレなど、和歌山の珍しい食材を使ったアテを多く扱っている「城月」。そのメニューは幅広く、常時70種にものぼります。

冒頭でお伝えしたように、和歌山城までは徒歩1分。お城観光と合わせても楽しめるお店です。食事でも酒でもひと味違い、時にマスターとの地酒トークも楽しめる、そんな個性豊かな居酒屋で、お酒と共にカジュアルな「アテジビエ」なんていかがでしょうか。

 

※「わかやまジビエ」より転載

https://wakayama-gibier.jp/shop/jougetsu/

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